その名も、『遅咲きのルーキー』。
意味はそのまんま、おっさんが新人の冒険者になったということだ。
また変に有名になってしまったようだ。
新しいギルドタグを受け取り、冒険者ギルドをあとにした。
出てくる前になぜかランクアップを知った他の冒険者達にかなり手荒い祝福を受けたが(あとで聞いたら、やっぱり受付嬢が口を滑らせたらしい)、とても明るい気持ちになったのだった。
――
「ウードさん、聞きましたよ! 全員のランクアップ、そしてパーティーのランクアップおめでとうございます!!」
さっそく、マチスさんにランクアップの報告をしに来たのだけど、相変わらず耳が早い。
報告する前に既に知っていて、先に祝福の言葉をいただいた。
「ありがとうございます。これもマチスさんの支援のおかげですよ」
「何を謙遜しているんですか! うちのマリアが優秀なのは当然ですが、皆さんの頑張りがあってこそですよ。これからも、是非支援させていただきますからね?」
マリアが正式にパーティーに加わったのもあり、マチスさんは『ラ・ステラ』の資金や装備についてバックアップしてくれると冒険者ギルドに宣言したようだ。
これは、他のパーティーに勧誘させるのを防ぐ意味と、裏に自分がいるので余計なちょっかいを出すなよという牽制の意味があると説明してくれた。
「これからも装備などの用意は、こちらに任せていただきますからね? 今は、腕のいい職人を見つけてさらにいい装備を用意出来るように準備しています。その代わり、いい素材などが手に入ったらある程度は我が商会にも卸してくださいね?」
マチスさんが是非にと言うので、頷くしかなかった。
のちに、俺達を商会の商品の宣伝のために使ったりする狙いもあった。
さらに、例のお見合い相手の商会よりも立場が上になり、縁談は破談にしたと聞かされるのだが、今の俺は知る由もなかった。