肩を押されて引き離されそうになるが、彼の腰をつかんで思いっきり肉竿を吸い込み抵抗する。ここで離れたくない。

 彼を素肌で感じることができるなんて夢のようだった。遺贈の件を知ったときから、もう叶わぬ恋だと諦めていたのに。だけど今月は彼が開業準備室に来る機会も多くて、その姿を見るたびに声を聞くたびに、つらくてせつなくて心が痛かった。

 ──なのに今、このひとは私だけのもの。

 泣きたくなるほど嬉しくて、隅々まで丹念に彼を刺激する。慣れていないから下手くそだろうけど、衝動のままに舌をいやらしく蠢かした。……もしかしたら本当の自分はこんなふうに淫乱なのかもしれないと思いながら。

 奥手で恥ずかしがり屋な性質の裏に、貞淑な仮面をかぶった娼婦が住み着いているのかもしれない。でもあなたになら、そのとおりだと暴かれてもいい。大好きなあなたになら──

 こみ上げる想いにつられて舌と顎を動かし懸命に奉仕する。なぜもっと場所を選ばないのかと頭の片隅で冷静に思うけど止められなかった。

 この部屋にはベッドがあるのに、まずは汗を流すつもりだったのに、広い洗面所とはいえ絡み合うには狭いのに、固い床に這いつくばって一心不乱に陽根をしゃぶる。

 鋭い快楽に仰け反った宮園が音を上げた。

「うっ……! あすかっ、待──」

 宮園が叫んだと同時に、明日香の脇下へ両手を差し込んで凄い勢いで体を持ち上げた。同時に猛る剛直が跳ねて、彼女の首筋から胸部にかけて白い粘液がぶちまけられる。

 肩で息をする宮園が悔しそうな声を漏らした。

「くそっ、だから、待てって、言っただろ……」

 そのふてくされた声音に微笑む明日香は、汗が滲む彼の額へ口づけた。愛しげに。

 余裕ある様子にムッとした宮園が彼女を強制的に立たせる。すると勢いがありすぎて白濁が下腹へ垂れ落ち、黒い繁みに絡まって淫靡なまだら模様になった。

 彼はそれにいっさい構わず、不機嫌そうな様相のまま口元だけ凶悪に笑う。

「よくもやってくれたな。この二重人格め」

 はにかみ屋な君はどこへ行ったんだと言われて、さすがに明日香も己の頬が赤らむのがわかった。

「……それは、柾樹さんだって同じでしょ」

 いつもは物腰の柔らかい優しい人なのに、化けの皮を脱ぐと意地悪で強引な野性味あふれる男が現れる。

 そのことを指摘してやれば、目が笑っていない彼が顔を近づけてくる。

「そのとおり。やられっぱなしは俺の性に合わないんでね」

 喋りながら片手でバスルームの扉を開けた宮園は、明日香の腰を引き寄せて中へ強制連行した。


 お風呂の中も実に広かった。浴槽など、長身の宮園が足を伸ばせるのではないかと思うほど大きい。しかも室内はとても暖かい。浴槽内にお湯が溜まっているわけでもないのに。

 宮園へ尋ねてみたところ、予備暖房を使ってあらかじめ暖めておいたらしい。──凄い、そんな機能がついているんだ。というか、いつ暖め始めたんだろう。

 明日香が感心している間に、シャワーの湯温を確認した宮園が、彼女にぶっかけた汚れを洗い始めた。白濁へ泡状のボディソープをまぶしてシャワーで丁寧に流す。それから上半身をマッサージするように洗い始めた。

 泡を豊満な乳房に塗りつけて輪郭をなぞり、宝物を扱うかの手つきで優しく包み込んで揉みしだく。ぷっくりと膨らんだ桃色の突起を指先で刺激し、そのたびに明日香が悶える様を見下ろして愉悦を覚えている。

 ゆるやかな動きは疼きも塗り込めるから、徐々に明日香の吐息があでやかなものへと変化する。

 身悶えているうちに彼女の視線が下へと落ちて、彼の股間にそそり立つ剛直がバッチリ視界へ入った。見ないようにすればいいのだが、どうしてもそちらを意識してしまうのは、つんつんと先端が己の下腹部を刺激してくるからだろう。

 ──うう、恥ずかしい……

 先ほどの積極的すぎる性衝動はどこへ行ったのかと自分に問いたい。でも興奮が落ち着いてしまうと、やはり元の心境に戻ってしまう。

 一回、出したのに元気だなぁ。と、どうでもいい感想を抱いて気を紛らわせようとする。

 男性とは、一度放出してしまえば性欲が収まるものだと思っていたのに。彼には賢者タイムとやらがないのだろうか。それとも体の大きい人だと回数が多いとか……

 などなど、よけいなことを考えて羞恥心を散らそうとしたが上手くいかなかった。なので正直に訴えてみる。

「あのぉ、洗ってもらうのって、凄く恥ずかしいんだけど……」

 すると宮園が、心底呆れた様子で声を出した。

「いまさら? 俺を押し倒す勢いで咥えたくせに」

 ぐうの音も出ないとはこういうことを言うのだろう。そのとおりだと真っ赤になって顔を逸らす。

「あのときは色ボケしていたの……」

 ボソボソと呟いたら、盛大に笑われた。

「はにかみ屋の君も好きだけど、たまにはそういうのもいいな。またやってくれよ」

「うー……」

 言い返すこともできずに唸っていると、声を上げて笑う宮園に抱き締められた。泡まみれの手で楽しそうに、円を描くようにこちらの背中を洗っている。

 密着すると彼の体の硬さと温もりをダイレクトで感じて、自分の体温が上昇するのがよくわかった。ボディソープの爽やかなグリーン系の香りと、女の甘い体臭が混じり合って、バスルームが淫靡な空気に染まってきたようだ。

 クラクラと眩暈を感じて倒れそうになるから、彼を支えにしようと背中へ腕を回してギュッと抱きつく。逞しい肉体に触れる手のひらから温もりと共に甘い毒が流れ込んでくるかのようだ。あたっても全然構わない、媚薬に似た何かが。

 宮園が喉の奥で、クックッと笑っている。

「いいね。君に抱き締められるのって」

「そうなの……?」

「ああ。ずっと手を出せなかったから、妄想の中でしか、こういうことはできなかった」

「……それ、あんまり嬉しくない」

 夜のオカズ的なネタにされたと言われても喜ぶ女はいないと思う。頬を膨らませて見上げると、相変わらず腹黒い笑みを浮かべる宮園が、腕を伸ばして明日香の尻側から秘部をなぞる。

「あっ」

 くちり。粘ついた音を鳴らす入り口は、蜜液でしとどに濡れていた。泡を敏感な内側へ入れないよう、肉襞のみを一枚一枚ほぐすようにして洗っているが、ぬめりはいっこうに取れない。

「凄い、ヌルヌルだ」

「あんっ、はぁ……」

 触れられるたびに秘部がグズグズに溶けていくようだった。でも表面のみを可愛がる緩やかなタッチにもどかしさも生じる。下の口がもの欲しそうに涎を垂らして、まだかまだかと疼きを溜め込んでいる。

 なんていやらしいんだろう。宮園の体に強く抱きついてやましさをこらえていたら、彼は壁の高い位置に固定していたシャワーヘッドをたぐり寄せ、お湯で泡を流し始めた。

 互いの体を清めると、浴槽のふちに座ってと告げてきた。大人しく腰を下ろせば、足元の洗い場に彼が座り込む。

「そこ、寒くないの?」

「俺は平気。明日香は?」

「ん、平気」

 換気扇が止められているので、湯気が充満している浴室内で寒気は感じない。

 宮園は胡坐をかいた己の太腿に明日香の足を乗せて丁寧に洗い始める。指と指の間や、余裕で握り込める足首から膝まで、鼻歌を歌い出しそうなほど上機嫌な様子で丹念に。

 自分の仕事に満足すると、もう一つの脚も洗い出した。

 明日香は足置き場にしている宮園と、彼の動きに合わせて揺れる昂りを見下ろしながら、次第に倒錯的な興奮を覚え始める。

 彼を足蹴にしているこの状況は、まるで自分のしもにしているかのようだ。仕事では上司で雇用主である年上の宮園が、自分のような何も持たない女にかしずいている姿は胸に迫る。ドキドキしすぎて、また体液が溢れそうだ。

 考えてみれば宮園とは、プライベートで会うよりも仕事で顔を合わす時間の方がはるかに多い。いつも上等の三つ揃いをきっちり隙なく着込む彼は、常に礼儀正しい態度を崩さず精力的に仕事に臨んでいる。その姿は美男子であることを差し引いても格好いい。

 そんな極上の男が自分の脚に奉仕しているなんて、むず痒さと誇らしさで背徳的な官能が湧き上がる。

 彼の周りには自分より美しい女が山のようにいるだろう。本社の受付嬢や秘書たちは皆、容姿もスタイルも素晴らしかった。そのような宝の山を前にしながらも山猿を選ぶ彼の嗜好が、ちょっとおかしくもやっぱり嬉しい。ずっと心の奥底に秘めていた独占欲が満たされる。

 自然と眼差しが、彼の見事なみなぎりへ固定される。だけど手を伸ばしても届かないのがもどかしい。

 彼の太腿に置かれた泡だらけの脚が、つつ、と股間を目指して肌を這う。

 すぐに宮園がその動きに気づいた。明日香の、頬を染めながら陶然とする色っぽい表情を見上げてひっそり笑う。

「もしかして、ヘンなスイッチが入っちゃった?」

 コクリと正直に頷いた。いたずらを許してくれるかと期待したのだが、足先は無情にも彼の茂みへ到達する直前に止められる。

「駄目。やられっぱなしは性に合わないって言っただろ」

「や……」

 せつない声で抗議するのに、宮園は黒い笑顔を見せて立ち上がり再び互いの泡を洗い流す。浴槽に腰を下ろすこちらの前に彼が立つと、真正面で陽物がフラフラと揺れた。思わず手を伸ばしたがやはり止められてしまう。

「あ……」

 やるせない溜め息に、宮園が秀麗な顔へ愉悦を混ぜて楽しそうに微笑む。彼は明日香の両手をそれぞれ握り、指を隙間なく絡めて恋人繋ぎにした。おかげで両手が封印されてしまう。

「脚を開いて」

「……ん」

 お預けを食らって体内で欲情を燻らせる明日香は、余裕のない表情で素直に脚を開いた。すぐさま宮園が間に入ってくるから、もう脚を閉じることはできない。

 彼は膝立ちになると形のいい乳房へ綺麗な顔を寄せる。淡い色の突起を舐めしゃぶり、白い双丘の至るところに吸いついては赤い痕を残した。手を封じているため、自由になる唇と舌で愛するひとをひたすら可愛がる。

 そのたびに明日香が身を捩ると、重量感のある乳房がぷるんっと揺れた。魅力的な胸のゆらぎに宮園がほくそ笑む。

「実にいいね。君がこんないやらしい胸を持っているなんて、思いもしなかった」

「……そんなに細い体じゃないから」

 そう、己はぽっちゃりではないが痩せてもいない。あまりに細くなると肌も荒れるし風邪を引きやすくなるので、きちんと食事をとって肉を蓄えていた。一人暮らしをしている以上、己の体が資本なのだから。

 すると宮園は、うんうんと感慨深く頷いている。

「太っているわけじゃないし、俺はこのぐらい胸も尻もあった方がいい。──ダイエットなんか絶対するなよ」

 最後の台詞だけきつめに言い放つと、乳房へ愛おしげに頬ずりをして柔らかさと弾力を堪能している。そして明日香の手を解放し右腕で肢体を抱き締めて、相変わらず顔面で胸の感触を楽しみつつ左手をももの付け根へと下ろす。

 すでに充分、ほころんで潤っていたそこを、いきなり二本の指で貫かれて明日香は衝撃から仰け反る。

「ああっ!」

 ビクリと体が揺れて何もない背後へ倒れそうになるが、宮園が腰をガッチリ抱き締めていたため無事だった。しかし遠慮なくナカをかき混ぜられて、おまけに胸の愛撫も止まらないから快楽の波が全身に打ち寄せてくる。

「あぁんっ! はあぁ!」

 背後の浴槽に倒れるかもしれない恐怖から、明日香は宮園の頭部をかき抱いて彼の顔に乳房を押し付けつつ啼き続けた。あられもない嬌声が浴室内に反響して、男の手管に乱れていることを、己の声によって思い知らされるのが恥ずかしい。

 対して彼は甲高い悲鳴に気をよくしたのか、それとも明日香が縋りついてくることに満足したのか、はたまた単純に蠱惑的な乳房の虜になったのか、指の動きをますます激しく、かつ卑猥なものへ変えていく。

 指に犯される秘筒は久々の快楽を取り込もうと、武骨な指を締め付けては蜜液を吐き出し、奥へ奥へ引きずり込もうと蠢く。

 そのたびに明日香は快感の渦へ溺れて身を捩った。が、バスタブの縁という不安定な場所では下手に動くと落ちてしまう。必死に身動きをしないよう自制して指を受け入れては延々と啼き叫ぶ。

「アッ、アッ、アァア!」

 下腹をさいなむうねりがどんどん大きくなっていく。体の奥が痺れて官能が腰を砕くかのようだ。捕食者となった恋人へよりいっそう縋り付く。

 おかげで泡立つ淫水の音はどんどん激しく速くなっている。容赦なく追い詰めてくる指がもう一本増やされて、嬲られる媚肉が痙攣し始めた。

 いっぱいいっぱいになった明日香のまなじりから涙が噴きこぼれる。宮園が雫を舐め取ったそのとき、技巧的に動く指がまだ触れていない陰核へと伸ばされた。パンパンに充血した突起を強く押し潰された途端、彼女の体がひときわ大きく跳ね上がった。

「いやぁ! やだあぁ!」

 グラつく肢体を宮園が己の膝の上へと落す。それでも指責めから解放せずにナカを暴き続け、がる可愛いひとの耳元でうっとり囁く。

「言っただろ。やられっぱなしにしないって……」

「んあぁ! もぉっ、ゆるしてえぇ!」

「まだだよ、明日香」

 夢中で指を蠢かす宮園が、恋人の顔中にキスを落とす。その刺激さえも今の彼女にはつらい。内側から膨張する快楽の塊が爆発しそうで、悦楽と恐怖で精神が混乱してしまう。

 ──もう死んじゃう……!

 啼きながら己をいじめる男へ縋ってはしたなく喘いでいると、やがて官能の限界を突破して頂点へと押し上げられた。瞼の裏で光が弾ける。

「んああぁっ!」

 彼の指使いに陥落した明日香は全身を痙攣させて、咥え込んだ指を締め付けながら崩れ落ちた。肩で息をしつつ完全に脱力した彼女を受け止めた宮園は、薔薇色に染まった頬へ愛しげに吸いつき、動けない体をひょいと担ぎ上げる。

 洗面所の棚から大判のバスタオルを取り出し、器用に明日香の体をふきながらベッドへ向かう。大切な体を裸のまま横たえ、まだ残る水分をふき取ってから自分の体もぬぐい、チェストから小さな箱を取り出してベッドへ乗り上げる。

 仰向けの明日香の脇下に膝をついて、見下ろす愛らしい恋人へ覚醒を促した。 

「明日香、俺を見て」

「ん……」

 何度か瞬きをして、朦朧とする意識を正気に戻そうとする。背中が柔らかくて気持ちいいクッションに包まれていると気がついたとき、いつの間にかバスルームからベッドへ移動していると悟った。

 ぼやける視界が鮮明になると、膝立ちをして自分を見下ろす宮園と目が合い──

「ひゃあっ!」

 互いの視線に間に、力強く勃ち上がる剛直がこれでもかと存在を主張していた。

「なななっなんで跨いで……っ!」

 反射的に逃げようと上へずり上がると、「頭を打つぞ」と言われて咄嗟に視線を頭上へ向ける。確かに頭頂部のすぐ上にヘッドボードがあった。

 しかも脇を彼の両膝でホールドされているため、下方向にも左右にも逃げられない。

 彼のモノはいいかげん見慣れてきたとはいえ、このどこにも逃げられない状況で極太の一物を見せつけられる構図は、精神的にかなりクるものがあった。内心でヒィヒィと悲鳴を上げてパニクってしまう。羞恥と驚愕と混乱で目が回るどころか世界がグルグル回る。

 ──っていうかこのひと、いろいろな意味でアウトだ!

 社交的で穏やかな仮面と、凶悪な本性の二面性の落差が激しすぎる。いやそれよりも単純に中身が変質的というか残念というか、アクが強すぎるのだ。

 そこで唐突に北川の台詞を思い出した。以前、宮園が酔い潰れたときに呼び出されたワインバーで、『こいつに特定の女なんてここ数年は誰もいないぞ』と彼は話していた。

 そのときは思い至らなかったが、これほど条件のいい優良物件に恋人がいないなんて、おかしな話である。もちろん自分を落とす役目があるから、付き合っていた女性と別れたのかもしれないけど、それでも〝ここ数年〟とは空白期間が長すぎる。

 その理由がなんとなくわかったような気がした。

 ──これじゃあ、普通の女の子は逃げちゃうでしょ。

 自分は前の営業職で様々な顧客に揉まれたせいか、「どんな人間でも一皮むいてしまえばドロドロしている」と達観したところがあるため、この見た目は素晴らしい腹黒ドS御曹司でも、「優しいところもいっぱいあるから大丈夫」と思うことができる。

 が、白馬の王子様を求める夢見る乙女には難しいだろう。人によっては事故物件だ。……などと酷いことを考えつつ剛直から視線を逸らした。

 宮園の口元がさらに吊り上がる。

「今、君がなにを考えているか俺にはわかる気がするよ」

 彼は手に持った小箱の包装フィルムを破り、ことさらゆっくり避妊具を取り出して自身に装着する。「ものすごく俺を罵っていそうな顔だ」と言いながら。

「うっ、……いや、そうでも、ない、かな……」

 しどろもどろの返事では嘘がバレバレである。

 すると超イケメンが凶悪な薄笑いを浮かべて、見せつけるように舌なめずりをするではないか。その表情といい雰囲気といい、とてもじゃないが育ちのいい御曹司とは思えない。

 明日香は笑って誤魔化そうとしたが、表情筋が引きつって笑みが浮かばなかった。

 動揺する彼女へ、ずり下がった宮園が覆い被さってくる。いきなり胸の先端を甘噛みされて、背筋を駆け抜ける刺激に身をくねらせた。

 よほど胸が気に入ったのか、宮園は執拗に乳房を揉みしだいては吸いついている。おかげでさらに無数のキスマークが散らばって、しばらく温泉の類には入れないと頭の片隅で思う。

 でも少しだけ残っていた余裕も、大きく開かれた脚の付け根へ熱くて硬いモノを押し付けられたときにかき消えた。

 あ、と思ったときには下腹を一息で刺し貫かれた。

「ふあああぁっ!」

 バスルームで散々攻められたせいか、それとも角度が合ったのか、すんなりと屹立を奥まで飲み込んだ。しかし質量があまりにも大きすぎて、体を守ろうとする意識が彼を排除せんと媚肉を動かす。みっちりと絡みついて吐き出そうと圧迫する動きは、男へ最高の快楽を与えたらしい。

 歯を食いしばる宮園が仰け反って呻く。

「すご、い……ハッ、締まる……!」

「うあぁ……」

 宮園の形がくっきりわかるほど押し広げられているため、抽挿をせずとも彼が姿勢を変えるたびにエラが肉襞を抉る。そういえば彼の分身はやけにくびれが深かったと、快楽によって混乱する頭で思い出す。

 明日香にとって久しぶりの行為セックスであるせいか、れただけで軽くイったような気がした。おかげで脳からおかしな物質が分泌されているらしく、思考がうまく働かない。喘ぎながら下腹を震わせて延々と彼をしゃぶる。恐ろしいほど執拗に精を飲み込もうとしている。淫猥な肉のぜんどうを自分の意思で止められない。

 宮園が実に気持ちよさそうに呟いた。

「はぁ……、凄いな。どうなってるんだ、ここ」

 額に汗を浮かべる彼が、こちらの下腹部を手のひらで撫でてくる。うっすらと盛り上がる皮膚を指先でなぞり、己の形はこうなのだと教えてくる。その刺激だけで腰がビクビクと揺れた。

「うはあぁっ、それヤダァ……」

「ん? 撫でるのが?」

 訊いておきながら、彼は手のひら全体で己の肉竿の形を確かめている。下腹に収めたモノは相変わらず動いていないのに、お腹の上からの刺激だけで、快感を求める秘筒が貪欲に彼を味わう。

「やああぁ……」

「凄い、気持ちいいっ。……熱い」

 感極まったように宮園が恍惚の溜め息をこぼす。陰茎から伝わる快楽をじっくり満喫したらしい彼は、温かな膣孔の中で律動を始めた。やや慎重に、女を抉る腰使いで相手の快楽を積み上げていく。

 宮園のモノが大きすぎて、少し動くだけでも媚肉の摩擦が強く、凄まじい快感を両者に生み出す。

 彼の思うがままに翻弄される明日香は、ますます息を荒らげて止めどなく湧き上がる快感に耐えるが、そのような抵抗などすぐに崩れた。

 己のすべてを満たす彼の熱い分身に、容赦なく官能の泉へと突き落とされて泣き叫ぶ。

「ああぁん! うはぁっ! あっ、……アアァ!」

 内側から揺さぶられる衝撃で、再び頂点へと向かう熱量が蓄積されていく。それは快楽と同じぐらい強い恐怖心も生み出すため、叩きつけられる彼の腰を止めようと啼きながらもがく。

 宮園が両手で腰をつかんで押さえつけた。

「こら、大人しくしろ」

「いやあぁんっ! ヤッ、激しぃ……!」

「そのうち慣れるから。素直に感じているといい」

「ああぁ……っ」

 幾度も激しくぶつかり合う肉体に五感のすべてが乱されて、明日香の意識が飽和する。彼に注がれる快楽も、彼への愛しさも、悲鳴のような嬌声も濁ってわからなくなってきた。

 しかも宮園がこちらの片脚をすくい上げて肩に引っかけるから、蜜口が引き伸ばされて陽物を絞る肉襞も奇妙にねじれる。まるで雑巾絞りのように彼を締め付けると、快楽の呻きを上げる宮園がますます激しく腰を振った。