あとがき


 はじめまして、またはお久しぶりです。羽は場ば楽らく人とです。

 このたびは『わたし以外とのラブコメは許さないんだからね』六巻をお読みいただきありがとうございます。

 ついに最終巻です。

 文化祭での公開プロポーズを経て、恋こい人びと同士として楽しい日々を過ごす希き墨すみとヨルカ。

 だが、現実はふたりの愛を試ためす。

 ヨルカの両親がアメリカへの引ひっ越こしの提案をしてきたことで、最大の危機を迎むかえる。両親の愛情に負けないくらい、希き墨すみとヨルカの両りよう想おもいもまた人生を賭かけていた。

 他の人では代わりにならない。お互たがいにとって、そんな特別な相手であることを証明できたふたりは末長く幸せに暮らしました。

 完全無欠のハッピーエンド。文句なしの大団円。期待以上のエンディング。

 わたラブ高校生編、これにてひとまずの幕引きです。

 キャラクター達の人生の一区切りをこうして満足いく形でお届けできたのは、ひとえに読者の皆みな様さまの応おう援えんあってこそです。

 心より御お礼れいを申し上げます。


 シリーズを長く続けられたからこそ作品は育ち、作者が執しつ筆ぴつ当初に予想していたものを遥はるかに超こえた内容で世に送り出すことができました。

 劇中で成長していくキャラクター達を書けることは、私にとって本当に楽しい時間でした。

 特に四巻以降はもはや自分の頭で考えて書いているというより、希き墨すみやヨルカが話している言葉を原げん稿こうにしているような状態でした。

 ふたりともビックリするほど真まっ直すぐに恋れん愛あいをしていて、その思春期特有の眩まぶしいくらいの一いち途ずさで相手を想おもい合う姿には感動すら覚えました。

 また物語を彩いろどった他のヒロイン達の失しつ恋れんも書いていて切なかったです。

 作者の親心としては、全員にそれぞれのハッピーエンドを用意してあげたかった。

 今から書いていいよ、と言われれば余よ裕ゆうで全員分を書けます。

 それくらい他のヒロイン達への思い入れも深いです。

 ただ、本作はヨルカのようなヒロインを書きたいという情熱から企き画かくがスタートしました。

 男の理想を詰つめこんだヒロインですが、特に大切にしたのは「どんな時でも絶対に離はなれない女性」というパートナーとしての在り方です。

 作中で繰くり返かえし語られた通り、現実では学生時代の恋こい人びとと添そい遂とげるのは非常に稀まれです。

 ほとんどの恋こいは、やがて思い出になります。

 わたラブを書く上で、担当編集と常に話していたのは「現実ではこうだよね」という反論にどう創作として乗のり越こえていくかでした。

 安易なご都合主義や流行に乗っただけのテンプレ展開を書いていたら、こんなにシリーズが長く続くことはなかったでしょう。

 個人的には五巻での希き墨すみの主人公としての人間的な成長があったからこそ、六巻における誰だれが悪いわけでもないという難しい状じよう況きようを切り拓ひらくことができたのだと思います。

 きっとヨルカひとりだけでは、両親を説得できなかったでしょう。

 希き墨すみと一いつ緒しよだったからこそ現実に抗あらがうことができました。

 ふたりは学生時代の思い出にはならず、一いつ緒しよにこれからも生きていきます。

 そういう若き日の無む垢くな願いを叶かなえるような美しい作品になりました。

 わたラブを書いて、本当に良かったです。

 そして、あなたの思い出に残る物語になれれば作家としてこの上ない幸せです。


 ここからは謝辞とお知らせを。

 担当編集の阿あ南なん様。まずは無事にシリーズを最後まで書き切れたことにホッとしています。これからも引き続きよろしくお願いします。

 イラストのイコモチ様。新しいイラストが届くたびにいつも感動するような喜びを感じて、最高に楽しい時間でした。素す晴ばらしいイラストの数々を本当にありがとうございました。

 本作の出版にお力ちから添ぞえいただいた関係者様、家族友人知人、いつもありがとうございます。

 最後にお知らせが二点。

①電子書しよ籍せきでわたラブの短編集の刊行を予定しています。

 終わりだけど実はまだ終わりじゃありませんよ。電でん撃げきノベコミで連れん載さいしていた一年生編や、らのすぽ! の公式記念本に掲けい載さいされた短編に、新規書き下ろしを加えたものが収録予定です。本編の内容を補完し、より深く味わえる珠しゆ玉ぎよくのエピソードの数々はわたラブ読者にとって必読の一冊となりますので、どうぞお楽しみに。

②電でん撃げき文庫での新シリーズを準備中です。

 次作は、担任と生徒が紡つむぐ学園青春もの! 一風変わった関係性のエモい物語は2023年にお届けできると思います。ぜひ新シリーズもわたラブ同様に応おう援えんしてください。

 新情報は羽場のTwitter(@habarakuto)で逐ちく一いちお知らせしますので、フォローしていただけると嬉うれしいです。

 それでは羽場楽人でした。また次の作品でお会いしましょう。



BGM:宇多田ヒカル『あなた』