まえがき




 本書は、論理的思考力(注)の基礎トレーニングの本です。

 理詰めに考え続けることができるようになるための思考トレーニングの本です。


(注)本書の問題は、Law School Admission Test(LSAT) [米国でロースクールに入ろうとしている人が受けるテスト] の Analytical Reasoning のセクションの問題と同様に、すべてマッチング問題です。本書の問題は Analytical Reasoning の問題ですから、「分析思考」の問題ともいえます。これは、与えられた情報・資料から理詰めに結論を導き出す問題です。


 多くの人は、数秒しか理詰めに考えることができません。それで、理詰めに考え続けなければならない問題をほとんど解けず、解けるのは数秒で解ける問題だけです。そこで、理詰めに(少なくとも数分ほどは)考え続ける訓練をしよう、というのが本書の目的です。

 基礎トレーニングの本なので、(巻末のおまけセクションは別として)たいていの問題は5分以内に解ける程度の難易度にしてあります(が、気づくべき点に気づかないなどの理由で、5分では解けない問題もたまにはあることでしょう)。

 ただし、問題を解く際には、5分以内に解けるか否かの点にはこだわらず、答えを得るまでにかかる時間のことは、まったく気にしないでいてください。

 本書を読む際にあなたに必要なことは、どの問題も正確に解くことです。長時間かけて解いてもかまいません。そうして、理詰めに考える際の正確さ・慎重さ、および持久力を身につけてください。

「5分以内に解ける問題で持久力がつく?」とあなたはいま思ったかもしれませんが、多くの人は「瞬時に解ける問題」しか解けず、論理的な思考は数秒しか続きませんから、理詰めに数分ほど考えたら、論理的な思考の持久力は相当つきます。


 本書は理詰めに考える訓練用ドリルのようなものなのですが、単純な計算ドリルのような味気ない外見にしてしまうとトレーニングが苦痛になりかねないので、問題の外見に多少は娯楽色を加えています。気持ちを明るく保って、楽しくトレーニングしましょう!


◎単純な問題は何問も解いているうちに、どれも同じような問題に見えてくる欠点があります。そこで、解くのに飽きそうになった人のために、本書の終わりに「難問セクション」を置くことにしました。単純な問題に飽きそうになったら、「難問セクション」の問題を1つか2つ解いて気分転換をしてください(「難問セクション」とはいっても、実は難問ではなく、単に、解くのに時間がかかるだけの問題ですから、気楽にどうぞ)。


   実力判定!

 本書の問題の中には、《実力判定問題》と書いてある問題が全部で41 問あります。

 その実力判定問題に正しく答えることができたかを記録していってください(実力判定問題に対する正解数の合計だけを記録すれば十分です)。本書を解き終えたときに、全41 問の実力判定問題に対する正解率によって、巻末の実力判定表であなたの論理思考力が判定できます。

 これは、トレーニングをより楽しくするためのもの、いわば遊びのためのものです。どの問題もリラックスしている状態で解きましょう。


 ところで、かりに《実力判定問題》の正解率が不満足な出来であっても、あなたは落胆する必要はありません。その場合は、もう一度本書を最初から解きなおしてみましょう。2度目はきっと、大幅に正解率が、つまり実力が、アップしていることでしょう。


なお、本書で「特定できる」という表現を使っていますが、これは「1つに定めることができる」の意です。つまり、その場合、解のなかには「あるいは(or )」を含まないことを意味します。


   【各章の問題数について】

 分析思考の問題が初めての人には、慣れるまでが一苦労で、一旦慣れればあとはスイスイと解けるでしょうから、本書の始めのほうの章の問題数は少な目で、後ろにいくにしたがって量が多めになっています。各章の問題数が均一ではないことを変に思う読者がいるかもしれませんが、均一でないのはそういう理由なのです。


本書の問題はどれも新作問題ですが、単純な問題ばかりなので、私が他の本用に作って出題した問題とまったく同じものが数問以上あるかもしれません。



小野田博一