文庫版あとがき
どうも、アサウラです。例によってあとがきは2頁しかないそうなので詰めていきます。
ある日のことです。携帯が鳴り、それを耳に当てると「お前……ぶっ殺すぞ」と唐突な殺人予告。続けて浴びせられる罵倒の数々。そして同時に聞こえる「ゥワッハッハッ」とダンディズム溢れる笑い声。どこの悪魔儀式だろうかと思いましたね、いやマジで。あと数秒で邪神とか降臨するんじゃないのかと思うほどの呪わしさですよ。むしろもう頭とか出てるんじゃないかと。ただ気になったのは笑い声が編集長に、呪文を詠唱しているのが担当様にどことなく似ている気がしたんですが――えぇ、編集部からでした。
何でこんな悪夢のような事態になったかと言いますと原因は原稿でして、どうにもこれがよろしくない、と。まぁ、そういうわけらしいです。
「コンクリートで固めて(東京)湾に沈めるぞ!」
ついにその具体的な手口まで明らかになった段階になって怖くなった私は生け贄に選ばれた少女のように命乞いを口にするのですが、それでも怒りの鎮まらぬ担当様、一体何に対して延々笑い続けているのかわからない編集長。まさに人外魔境。そろそろ邪神降臨かと思われた時にタイミング良く私の携帯のバッテリーが切れましてですね、悪魔儀式からの奇跡の生還ですよ。神に感謝しました。しかしAMENと唱えるより先にFAXの方が動き出しまして、案の定、担当様から大きな文字で……逃げるな、と。さすがは集英社の入社面接試験の際に持ち時間十五分を競馬の話だけをし続けて力業で内定を勝ち取った男です、時折常識が通じません。
ともかく丸ごと一本ボツを喰らい、その後何とか現在の形に辿り着きました。まぁプロットがなかなか決まらずに延々と時間ばかり消費されていったり、誤字脱字の誇らしくない(恐らく)世界記録を塗り替えてみたりといろいろあるのですがそれはまた別の機会にでも。
……ただ気になるのはあの時、編集長が何に対して笑っていたのか。何がそんなに面白かったのか……それは今でもわからないままです。
ではそろそろ謝辞の方を。お仕事が詰まっているにもかかわらず大変美麗なイラストを描いてくださった高山さん、曽我部さん。もう神様かと思いました。優しい優しい担当様をはじめ多大なご迷惑をおかけした集英社の皆様には北海道から謝意を送ります。レタスとか。
また今作を書くに当たって協力してくださった友人各位、特に「ここは俺に任せてお前は原稿をやれぇ!」と死亡フラグを立てるような真似をしてまで助けていただいたフジタ氏、そして今この文章を読んでいただいている皆様、この度は本当にありがとうございました!
ではでは、次があることを祈りつつこの辺で。それではまた!
アサウラ