あとがき



 完結となります。

 当初の構想では主人公たちがじじばばになるまでねっとりじっくり書いてめっちゃひどいことになる予定でしたが、それ面白いか? となんとかかんとかという元編集者に止められたのでこれくらいに落ち着きました。まあ多分読んでいて面白くはないです、悲惨になるだけで。

 あと作中人物を小説家にするのは簡単ですが、どういう小説を書いているのかと伝えるのは難しいのでいっそ、作中小説を載せてみようかと気合い入れて書いてみましたがほぼ全ボツを食らいました。いらないらしいです。いらないんじゃないでしょうか。

 そういう修正の結果、後半はラブコメっぽくなったと思います。なっていませんか。なっているといいですね。いいです。あらすじにラブコメって書いてありますからね。あれは私が書いたわけではないので一切の責任は負いません。ご了承ください。

 あとこの話を書こうと思い立ったのはバナナアレルギーになったからです。なって数年がちますが、私は既にバナナの味を思い出せなくなりました。甘いのは分かりますが、細かく描写しろと言われたら無理です。バナナでそうなのだから、尊い思い出というのもきっかけがなければ継続することはできないだろうなぁと思いました。そんな感じの話ですこれは多分。

 しかしアレルギーというのは思った以上に辛いものですね。最初はその異常の原因に気づけなくて病院にまで行きましたが(ちょうど、胃腸風邪の流行はやっている時期でした)恐らく医者は首をひねったことでしょう。検査しても風邪の兆候なんてものはないからです。

 あの吐き気がするのに吐くこともできず、終わりがない気持ち悪さは今までに経験したことのない苦しみでした。胃が痛いのではなく、単純に気分が悪いだけなのです。何度、寝返りを打っても逃げることはできません。自分の身体と苦しみは、全部当たり前ですがひっついてくるものです。締め切りの危ない時期に食べなくてよかったなぁと心底思いました。

 そして次の週、なんの気なくバナナを食べてようやく、その体調不良の原因に行き着きました。昔は平気だったものが次第に耐えられなくなる。大人になるって悲しいことですね。けれどバナナの味を忘れるように、その苦しみもまた薄れていきます。今ならけっこう大丈夫じゃないかなー、なんてあの黄色い皮をスーパーで見たりすると誘惑に駆られそうになります。人は痛さを伴っても物覚えの悪い生き物なのですね。

 それと関係ないですが、外でせみが鳴いています。最近鳴き出して、本格的に夏が始まっていますね。この本が出る頃、せみはまだ鳴いているでしょうか。地球は滅びてないでしょうか。ペルソナとかFFが発売寸前でしょうか。楽しみですね。とか書いていたらFFは延期したらしいですよ。慌てて書き足しました。ペルソナはどうでしょう。

 早く二ヶ月後に飛んでいきたいです。

 前巻は短くて楽をしたので、今回は少し長めにしてみました。

 書くことないので非常に辛い。

『あうべぇええっぴぴぴぴっぴどぅーどぅうどぅどぅー』とか奇声を発してあとがきの行数を稼ぎたいくらいです。稼ぎました。うれしい。

 大体あとがきってなにを書けばいいんだ? 作者の近況? それがないから困るんだ。

 振り返ると作家になってから十年弱、私には変化というものがありません。小説書いて、合間にゲーム遊んで、たまにそれがひっくり返るくらい。実家暮らしですし、両親も元気ですし。けれどこの永遠に続くような生活もいつかは終わりがあるのなら、一体なにに甲斐がいいだしていけば幸せになれるんだ? とデッドマンズQを読みながら考えました。

 答えはまだ出ていません。

 出るまでに老いて死んでいくと思うので、考え続けて死んでいけたらいいですね。



 フライさんイラストありがとうございました。

 それから読んでくれた方もお買い上げありがとうございます。

 上下巻両方に付き合って頂けていたら幸いです。

 片方だけ読んだ方はぜひ、もう片方もお読み頂けると楽しめるかと思います。

 実は下巻だけしか読んだことのない本というのが私には一つだけあります。

 どの本かは内緒ですが、今でも時々、上巻の内容を想像するときがあります。

 多分思いっきり間違っていることでしょう。

 ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

 ありがとうにセンキュー。



いるひと