~報告書の存在を忘れる死神達……~
「そんなことありましたっけ?」
イリアの話を聞き終わったマルベックが、思いっきり考え込んだ。
「私は全然記憶がないんですけど」
「そ、そう?」
「ええ。室長、夢でも見たんじゃないですか?」
「なんだか、そうはっきり言われると……じ、自信無くなってくるんだけどぉ」
「だって、私にはホントに全然記憶にないし」
自信たっぷりにマルベックが言い切る。そんな態度をされると、イリアもどんどん記憶が
「でもでも、とにかくっ、キュールちゃんとライファンが、
イリアが力説すると、マルベックが少し考え込んだ。
「ライファンって、《
「そうよ。人間と
「そこの幹部が、良介くんに
「
「でもでも、二人は知ってるんですか?」
「何を?」
「リサラさんも、良介くんのことが……たぶん好きってことを」
「ふ~ん、その程度は気が付いてたのねぇ」
「まぁ、
マルベックが、報告書をぱらぱらとめくった。
「まぁ、キュールちゃんもライファンも気が付いてるとは思うわよ」
「じゃぁ、リサラさんと良介くん
「さあ、それはどうかしらね」
イリアは二人の顔ではなく、良介を
「ええと、私にはさっぱりなんですけど……」
「そうね。これは……カエサルに聞いたエピソードなんだけど」
イリアの言葉をメモしつつ、マルベックが顔を上げた。
「カエサルって、良介くんの家で飼っている……あのシェパード犬の?」
「そうよ。犬の中の特異者ってほど
イリアは目を閉じた。
美菜の顔が浮かぶ。
良介を
