とりあえず、キュールが持ってきてくれた缶コーヒー(HOT)を口にする。体の中から温まってきて、すごく幸せだ。キュールの問い
そんな良介をキュールが
「ちゃんと考えてますの?」
「あー、うん」
「まったくもう。いいですか、簡単なことなんですわよ?」
「ほう」
適当に相づちを打ちながら、良介はちびちび缶コーヒー(HOT)を飲む。
「
「ブッホォォォォォォッ……げふっ、げほっ、げほっげほっ」
キュールの回答に、良介は思いっきりむせた。HOTなコーヒーが気管支に入ってしまい、かなり
「りょ、良介くん平気?」
「げほっ、げほっ……い、生きてはいるぞ」
美菜に
「なんですの、その視線は?」
キュールは
「あのなっ、自分が何を言ったか分かってるのかよ」
「あら、キュールは『抱いて』って言っただけですわよ。体温が下がってる時に抱きしめられたら温かいでしょう? それとも、なんですの? もしかして『エッチ』してってキュールに言われたって思ったんですの?」
キュールが視線だけを良介に送ってくる。
「え……あ……いや」
「少なくとも、こんな場所で、しかも美菜さんもいるのに初体験をお願いしたりはしませんわよ」
フンッとキュールが
「まぁそりゃそうだよなぁ……」
うんうんと良介は頷いた。そんな良介に、
「ホント
「口が
キュールまでため息だ。
「ええと、なんだよ?」
「なんでもありませんわよ」
「さてと、美菜さん。そろそろ帰りましょうか」
「え、もう帰るの?」
美菜がキョトンとキュールを見上げた。
「ええ。そうしないと、このまま
「?」
さらに美菜がキョトンとした。
「それに明日の準備もありますわ。リサラお姉様は、
「うん、そうね。でも、リサラはもう準備しちゃったんだ。だったら、キュールちゃんが
美菜の言葉を受けたキュールが、
「キュールとしては、誘って欲しかった……そう言っておきますわ」
「え、ええと?」
「ま、こっちの話ですわ。では良介さん、明日まで
ぺこりと頭を下げ、キュールは美菜とカエサルを引き連れて去っていったのだった。
※ ※ ※
「ようやく帰るのね……。ううん、でも今さら夜食を持って行っても間抜けなだけだし、やっぱり私も、もう帰ろうかしら」
茂みの中で、リサラは
美菜が持ってきたおにぎりを食べ、キュールの缶コーヒーを飲んだ良介、今さら自分の夜食が必要とは思えない。
というか、すっごく間抜けだ。
最初に来て、最初に食べてもらえたはずなのに、こんな所に身を
「よし、帰ろう」
リサラがそう呟いた時だ。
「もうばれてますわよ、キュールとカエサルには」
横の通りから、呟きが
「………………」
完全に固まってしまったリサラだった。
※ ※ ※
「キュールちゃん、どうしたの? 何か呟いてたみたいだけど」
何か聞こえた気がして、美菜は
「なんでもありませんわ。あんまりにも
呆れた口調でキュールが言うと、カエサルもまたやれやれと頭を
※ ※ ※
「はっ……」
キュールに声を掛けられてから一分ほどだろうか。リサラは、ようやく
「ま、まさかばれてたなんて」
茂みの中で頭を
もの
「ああもうっ」
リサラは立ち上がった。
お手製のBLTサンドイッチが入ったバスケットを片手に、茂みから
「食べる食べないは良介の勝手だし、押し付けて、それで家に帰ればいいのよっ」
自分に言い聞かせながらノシノシと進む。
「…………すぅぅぅ、はぁぁぁぁ」
良介の背中が間近に
「りょ──」
「あ、リサラも来てくれたのか?」
「──げほっ、げほんげほん」
「どうしたんだよ?」
「な、なんでもないわよ!」
照れ
(え、ちょ、なんで私ってば座ってるのよっ。押し付けて帰る予定がぁぁぁ)
今から立ち上がって夜食を押し付ける。
不自然だ。一度座った意味が完全にない。
(……そうだ。夜食を押し付けてから、風邪引かないようにとか忠告して、それから立ち上がれば……うん、すごくスムーズな気がするわね)
「あれ、その持ってるのって……もしかして俺への差し入れか?」
良介に先を
「あの、ええと、その……」
「
「違わないわよっ!」
良介にバスケットを押し付ける。
「ま、
そう言いつつ、何故か良介の顔をリサラはまともに見ることが出来ない。
「お、気が
「当然でしょ。でもほら、おにぎりとか食べてお
「ん? おにぎり
バスケットを開けながら良介が
「え……」
リサラは自分の顔が真っ青になっていくのを感じた。
これでは、茂みの中からこっそり
「ああ、そこにゴミ置いたままだもんな」
良介の視線の先には、コンビニおにぎり特有の包装ビニールがある。
「そ、そうそう、それよ、それを見て思ったのよ」
声が
「おっ!」
いきなり良介が叫ぶ。
「今度はなによ!」
「……いや、その、リサラ
「怒ってなんかないわよっ。で、何なのよ、今度は」
「あ、いや、サンドイッチを手作りしてくれたんだなぁって思ってさ」
「え……あ、ほら、その別にそんなに時間
なぜか身振り手振りでリサラは、いかに自分が苦労しなかったかを力説した。自分でも、なんでそんなことを説明しないといけないか、さっぱり分からないのだが。
「短時間でも、これだけのものが作れるんだなぁ」
良介が、サラダとローストビーフを
「ロ、ローストビーフもお手製だから」
自然と主張してしまうリサラだ。
「……すごい
「え、いや、その明日持って行く中から使ったから、別にその、良介のために作ったわけじゃないわよ……ごめん」
「……いや、謝られても」
「え……つ、ついよ、つい。でもでも、そのドレッシングは、このサンドイッチ向けに作ったヤツだから」
喜色満面でリサラが、ドレッシングを指差し、固まり、星空に視線を泳がして、
「って、ああっと、その、うん。なんでもない」
「へ、変なヤツだな」
「悪かったわね。そもそも、お腹いっぱいじゃないの?」
「いや、まだまだ入るし、それにリサラが持ってきてくれた差し入れを、俺が食べないわけないじゃないか」
「──っ」
俯いたまま、リサラは
隣では良介がもぐもぐとサンドイッチを食べ始める。
(ええ、嬉しいわよっ、嬉しいですともっ、くぅぅぅぅぅ)
顔が赤いのが分かって、食べている姿を見ることが出来ないのが、なんでこんなに
「ああもうっ!」
なんだか調子が
「リ、リサラ?」
「
手近にあった
「あ、おい、待てっ、それって!」
「うるさい!」
飲んだことのない味だ。
ちょっと喉が熱く、いや、体全体が熱くなってくる。
「…………あ、あのリサラ、それは」
「にゃによ」
「マルベックさんが持ち込んだお酒というか、なんというか……
「うるひゃい!」
「ぷはぁぁっ、おいひぃ!」
「うわぁ、もう顔が真っ赤だよ」
「……悪いか──っ、顔が赤くなって、ひっく、どっこがわりゅいのよぉぉ!」
叫び、リサラはいきなり服を
「ちょ、ちょっと待て───!」
「にゃによっ、
「いやその、着替えるって、何に?」
「ぱじゃま」
「いやいやいや、ここにそんな着替えないから!」
良介の言葉に、リサラは周囲を見回した。確かにパジャマはなさそうだ。
「よろしい」
「な、何をしてるんだ?」
「何って、
「まぁ、形を保つ必要性はない大きさだしなぁ……って、寝るのかよ!」
良介の
「良介!」
「は、はいっ」
「私が、ひっくっ、
「え、ええと、え?」
「寒いでひょ!」
「ええと、まぁ、うん、まだ夜は寒いよな」
リサラがいきなり良介の
「お、おい?」
「ふわぁぁぁ、あったかいわねぇ……」
「え、あ、おい、ちょっと」
抱き枕が
「うっさい……《
