~独身死神のアンテナ能力~


「ほらねぇ。イリアってば、すんごく純真な女の子でしょぉ?」

 イリアが言うと、マルベックが重いため息をいた。

「どこがですか。室長ってば、おまじないを使ってリサラさんにいやがらせしただけでしょうが」

 マルベックがたたみかけるように質問して来る。

「ゔっ」

りようすけくんにちょっかいけたのだって、リサラさんが嫌がると思ってでしょう」

「ゔゔっ」

「そもそも名前書かれてれんあいじようじゆするなんて思ってないから良介くんに書かせても平気なんでしょ」

「ゔ、ゔゔっ」

「ホントに書かれて、良介くんと恋愛成就しちゃってたらどうすんですか」

 その質問にイリアは、ちょっとだけ考え込んだ。

 すぐに、くやしそうなリサラの顔が思いかぶ。

「うん、リサラが悔しがるならいいかも

「もしかして、室長にとって恋愛よりもリサラさんの方が大事なんじゃ……」

「し、失礼なこと言わないでよねっ」

「いやだって」

「そもそも、良介くんをイリアがうばっちゃった場合、悔しがるのはリサラだけじゃないじゃない。だからリサラ特定はよくないって思う!」

「いや、自分で言った気が」

「なによっ!」

「いえ、なんでもありません!」

 ガバッとマルベックが頭を下げる。そしておそる恐る、頭を上げる。

「ちなみに、悔しがるのってほかだれですか?」

 としとはいえ、マルベックもやはりいろこいの話には興味あるようだ。

「誰って、もしかしてマルベック気が付いてないの?」

「う~ん」

 うでを組んでマルベックがうなる。

「筋金入りね。三人、すぐにイリアは思いつくのになぁ」

「三人もっ!?

「まったく、ホントに無能なんだから……」

 イリアは冷たい視線をマルベックに向けながら、いくつかおくり起こした。

「そうね……うん、あの時の話がいいわ」

「あの時?」

「そうよ。てか、アンタだっていたはずなのに」

 やれやれとかぶりってから、イリアは話し始めた。