「《グラム》よ、《折れた
「ちょ、吸い取るのはやめっ、やめてー!」
良介の叫びも
徐々に、なんだかもう全てのやる気が失われていく。
魂がシオシオと
そんな
「我が前の男に問おう、知識を
リサラが術式を一気に組み上げ、叫んだ。それは霊力によって生み出された物の効果を奪い去る術式だ。
「今ので、
玉野が良介をのぞき込んだ。
「ええ、そうよ。ほら良介、いつまでひっくり返ってるのよ」
「いや、なんかもー、どうでもよくてさ」
どーにも虚しくて、起き上がるのが
「仕方ない、僕が手を貸してやろう」
玉野が手を差し
──時だった。
玉野の手が良介の手を
「
「ヤメテくれっ。僕はね、これが目的だったのさ」
良介の胸ポケットから、玉野が残りの錠剤の全てを取り出した。
「それ……もしかして、死神界の」
「そうさ。これを飲むとね、
錠剤を掴んだ拳を
「《
リサラが静かに死神姿へと変身を
「え……?」
「これで、それを飲んでも透視は出来ないってことよね。だって死神装束は霊力の
「ひ、
「さ、その錠剤を返しなさい」
立ち上がったリサラが、玉野を
「あ、パンツ丸見え」
当然、
「コンビニ下着か……はぁ、下着に色気がない
「人のパンツ見ておいて、何よその言いぐさ!」
「あのな、不用意に見せたのはお前だし、俺が見ても興奮しないようにしたのもお前だぞ」
「う、それは……」
「ちなみにリサラ」
「何よ?」
「玉野
「あ──────────────!」
大声と共にリサラが走り出した。死神装束によって運動能力も上がっているリサラなら、すぐに玉野に追いつくはずだ。
「うーん、まぁ、俺が
よっこらせと良介は立ち上がり、玉野とリサラが
「ああぁぁぁぁぁぁ!?」
玉野の悲痛な声が耳に入った。
「僕の、僕の夢と希望と裸がぁぁぁぁぁ」
給水
「どうしたんだ、あれ?」
「落としちゃったのよ、あの
やれやれとリサラが
「落としたって、あの錠剤を、給水塔の中にか?」
「ええ、給水塔に逃げ込んで……ぽちゃんと」
「平気……なのか?」
「まぁ、たったあれだけなら問題ないと思うわよ」
リサラが軽く言い、
「はぁ、おかげで体育の授業サボりになっちゃったじゃないの。サッカー楽しかったのに」
グラウンドを
体育館やグラウンド脇にある水飲み場では、
※ ※ ※
「さてと、そろそろ特異者が見つかった頃かしらね。キュールも、ちょっと学校に顔を出してみますわね。カエサル、お留守番をよろしく」
キュールは桃園学園に向かうべく、立ち上がった。
自分の計画が順調に進んでいることを、
「ふふふ、リサラお姉様にどう恩に着せてあげようかしら。あは、楽しみですわ!」
※ ※ ※
三時間目の授業中、一番後ろに座っている
「なになに……『俺は
良介の目には
「もし……かして、これ、さっきの錠剤か?」
もしももなにも、
「何よ、良介」
一分ほどして、リサラが
「ここだと話し
「ちょっと、どういうことよ」
慌てて後を付いてきたリサラに良介は、大平のメモの内容と生徒達の様子を歩きながら、ため息混じりに伝えた。
リサラの顔がみるみる青ざめていく……。
「で、でもそんなこと」
空き教室で、リサラが
「思うにだ。体育で疲れて、みんな水飲んだから、錠剤の効果が出てるんじゃないか?」
「で、でもでも、たったあれだけの錠剤なのよ?」
「俺に聞くなよ。そもそも効果だって変わってるんだし、
「そんなぁ~」
リサラが情けない声を上げた。
「あのさ、お前が俺の効果を消したじゃないか。あれを、みんなに
「あのね、給水塔の水は学校中で使われてるのよ? 学校全体に掛けるって……」
「なら、この学校がヌーディスト学校になってもいいってのかよ」
「ゔっ」
「しかも、玉野のドジを止められなかったのに」
「う、うゔ……はぁぁ、分かったわよ」
がっくりとリサラが肩を落とした。
「でもね、良介。貴方にまた協力してもらうわよ?」
顔を赤らめてリサラが良介を見つめてくる。
「さっき《
「俺の生きる力をまた吸い取るのかよ」
「そ、そうよ……そして、今の良介じゃ、そんな霊力ないから、そ、その……しなきゃ、いけない、のよ……」
「え?」
良介が小首を
「だ、だからっ、良介のエッチな心を満足させて、霊力を復活させる必要があるって言ってるのよ!」
「………………俺にエッチなことしろってのか!」
ようやく思いついて、良介がリサラをまじまじと見た。
「お前、よくもまぁそんな
「
声を
「ば、ばか、声が大きいって」
「だってだって!」
「悪かったって。まーでも、うん、他に方法ないなら仕方ないか」
「他に方法あれば、当然そっちにしてるわよぉぉぉ」
「し、仕方ないよな……うん。それで、こ、ここで?」
「あ、空き教室だし、授業中だし……時間、な、なさそうだから、ここ、かしら」
そうお
そんな時だ。
「あれ、誰かいますかぁ?」
廊下から担任教師
「やべっ……
「え、あ、うん!」
先生に
「おかしいなぁ~。話し声が聞こえたんだけど……。まぁいいやぁ。ここなら
乱橋が
良介とリサラの気も知らず、そして学園に
「リ、リサラ、どうする?」
「う、うう、乱橋ちゃん、漫画に思いっきり集中してるし、お、お願い、ここで、あの、そっと、ね?」
消え入りそうな声でリサラが言った。
「マジかよ……」
「だって、急がないとダメ、だし。もし大事になったら
「そっか、それもそうだよな……なら、そ、その……」
「う、うん……」
ゆっくりと手を
※ ※ ※
ロッカーに閉じこもって十分は過ぎていた。
「だ、だからぁ、だ、だめっ、
リサラが、熱い
その汗が
「ねぇ、だからぁ……んっ、お、お尻をなでても、い、いいからぁ。汗、汗でびしょびしょでしょ、あんっ、背中は……お願い、恥ずかしいのよぉ」
背筋を指先でそっとなぞり、
「はぁ……はぁ、はぁ……」
それら
鼻息が荒くなり、目が血走り、人間の男が本来持つ、野性的な
「良介、
「リ、リサラっ、制服の中に手を入れて直接背中を──」
興奮のあまりそう言った時だ。
リサラの手が良介の胸に当てられた。
「サービスタイムは
「え……そ、そんなぁぁぁぁぁ?」
一気に生きる力を吸い取られていく。それはもう
「じゃぁ、唱えるわよ、良介」
「はぁ~、どーでもいいぞぉ~、好きにしてくれぇ。俺は早く、ここから出たい」
「……あ、あはは、良介ごめんネ」
両手を合わせて軽く謝ると、リサラは術式を唱え始めた。
「我が
その
学校中に、解呪の術式が広がっていく。
「ふぅ、これで
リサラが制服の
(うう、
そう
「うわぁ、校庭に
乱橋が
「おい、解呪したんじゃないのかよ?」
「そ、そのはずよ!」
そこには人だかりが出来ていた。
「おい、裸だよっ」
「
「いいや、救世主だっ、俺達の救世主だよ!」
「
男子生徒達が思い思いの声を上げ、
その中心には
「なんでですのぉぉ、どうしていきなりっ、キュールの服が消し飛んだんですのよぉぉぉぉぉぉぉ!!」
キュールがしゃがみこんでいたのだった。
そう、霊力で作った衣服を全て解呪されちゃって……。
