ぐいっと
「先生を見なさい!」
そして、グイッと良介の頭を下げて、自分を見させる。
「──!」
良介の目の前に、オッパイがあった。
その頭頂部にあるサクランボが──
「ホワチャァァァァァァァァァッ、ダメェェェェェ!」
伸びかけた右腕を、慌てて左手で掴む。手首をしっかりと掴むが、伸ばしたい
「ど、どうしたわけ?」
「腹痛ですっ。保健室で休みます!」
鼻血を垂らしながら、良介は天井を見上げて宣言した。
「そ、そう?」
「そうなんですっ」
許可を得る間もなく良介は保健室へ歩き出した。そう、天井を向いたままでだ。
ゴガンッ!
さっそく
「良介、連れて行って上げようか?」
リサラだった。
「リサラ、わ、悪いけど
天井を見上げながら保健室に向かうのは自殺
リサラが、保健室に向かうべく良介の手を取って歩き出した。
呆然とした空気が流れる教室を後にして……。
※ ※ ※
「平気なの、その頭……じゃない、お
保健室のベッドに
「うるせぇ。俺には俺の深い事情があるんだよ」
「ま、いいわ。保健の先生は留守みたいだけど、静かに
「子供
そもそも校内は裸の楽園──危険地帯だ。一時間目が終わるまで、出歩けるわけがなかった。
「じゃ、私は教室に
「だから子供扱いすんなって!」
「あはは、
軽く
「ったく、人を何だと思ってるんだ」
静かに閉められた
そう毒づいた時だった。
「ふわぁぁぁぁ、寝かしてもらうよ」
三年の
「ぬあぁぁぁぁっ!?」
モロに飛び込んでくる、男のシンボル。しかもそこは
「なんで下の毛を
良介の悲鳴にも近い
「初めての時は、生まれたままの僕を見て欲しいのさ。そう、
キラッと歯を光らせて笑う。
「って、加賀良介、なんでキミが僕の
ズカズカと近づいてくる。ブラブラと揺らしながらだ。
「ギャースッ、来るな寄るなっ、その
「まったく、
玉野が
「言うっ、言うからっ、お願い、そのポジションだけはヤメテ下さい!」
「ふむ、仕方ないな」
玉野が一歩下がり、
「さ、説明したまえ。なんで知っている?」
「知ってるんじゃなくて、見えたんですよ……今、まさに」
玉野とは逆側の
「今、見えたって、透視でも出来るのかい?」
「ええ、キュールの持ってきた
「キュールくんっ!?」
ギシッと玉野が腰を
「ふむ、あの子の胸は中々に将来性がありそうではあったな」
良介もだが、玉野もまためげない男の子だった……。
「しかし、キュールくんの名前が出るとなると、また死神、それも特異者関係かい」
「ええ、特異者を
「
「違うとか違わないのレベルじゃないっすよ。教室中がヌーディストビーチ状態で」
「なぁっ!?」
玉野が思わず腰を浮かせる。
「色んな意味で立つなぁっ、ブラブラさせるなぁ!」
「お……おお、すまない。つい、な」
ベッドに再び腰掛けた玉野をちらっと見て、はぁとため息を
リサラだけが霊力で生成された制服を着ているので平気なこと、効果時間……等々をだ。
一通りの説明が終わった時には、授業終了を知らせるチャイムが鳴り
「で、その錠剤ってのは?」
実物を見ない限り信用出来ない、そんな口調と共に玉野が立ち上がった。
「これがその錠剤です」
これ以上、近寄られたくないっ。そんな一心で、良介は
「頂いたよ、加賀良介」
ボクシング部部長の実力は見事だった。左腕が電光石火の
「玉野先輩っ!」
「フフフ、安心したまえ。無差別ノゾキなんて、そんな
「先輩、も、もしかしてリサラのことが──」
「そうっ、赤い
「おい─────っ!」
思わず
「くそっ、なんて
そう考えつつ同時に、あの玉野なら何をしでかすか分からないとも思う。
「ったく、仕方ない」
腰を上げて、保健室からそっと顔を出した。効果が一時間というのは、キュールにしては
「さてと、次の授業は体育か」
授業開始のチャイムを聞きながら、
「って、女子はグラウンドだったぁぁぁぁ!」
グラウンドでは、夏の
「はぁ、俺もあそこに混じりたい」
思わず見とれてしまい、良介はその光景を
「今はリサラと玉野先輩だ。ったく、どこに……」
「良介くん、どうしたの?」
キョロキョロとグラウンドを
「かなり
「今日は観賞しに来たんじゃないぞ」
「観賞って……」
美菜が苦笑いを浮かべる。
「リサラを探してるんだけど、知らないか?」
「リサラさんなら、さっき玉野先輩に間違って水を
良介の顔に疑問が浮かんだのを見て、美菜がさらに
「うん。なにしてたかは知らないけど、玉野先輩がホースで水をリサラさんに思いっきり掛けちゃったの。それでビショビショになったリサラさんは、着替えに行ってるところ」
「体操服でビショビショ……ずりぃぃっ、俺だってそれは見てみたいぞ!」
思わず欲求を口から出してしまってから、良介はふと思った。
「着替えって、先生から借りたのか?」
「うん。まだ始まったばかりだし、予備の体操服を着て授業に出なさいって先生が」
「そういうことか!」
良介が手を
そして、霊力で作られた衣服は透視出来ない。
ならば、
そのために玉野は
「クソッ、太陽の下で
「りょ、良介くん……暑いから、かなぁ」
走り出した良介の背中を美菜は、
※ ※ ※
女子
「フフ、
玉野が、手の平にのせた錠剤を口に運ぼうとする。
「玉野先輩っ、ズルイぞっ」
良介はその手首を
「加賀良介ぇ……」
女子更衣室の入り口から目を
「さすがだと言っておこう、加賀良介。この僕の綿密な作戦に気が付くとは、エロ
「綿密……か?」
「成功したからいいんだよっ。さ、その手を離すんだ。この僕が
そう言って、玉野が左手に
勝ち目なんてあるわけがない。
でも、だ。
(俺以外があいつの裸を見るのは、なんか腹が立つんだよ!)
そう心の中で
「ゴメンっ、俺の舌!」
「なぁぁぁぁぁ!?」
レロォォン。
錠剤がのった玉野の手の平を、思いっきり
「うわぁぁぁ、
すかさず玉野が良介を
「ごくん」
舐め取った錠剤を飲み込んでしまった。だが今は、そんなことが問題ではない。
「うぐっ、う、うゔ、ゴメンな俺の舌、あんなおかしなものを味わわせて……」
ただただ自分の舌に謝っていた。なんか、舌先に残る玉野の手の平の、汗の味が、もの
「何よ、
ガチャリと
そして
「良介?」
リサラが、足先に転がった良介を見下ろす。
「………………………………赤い」
「はい?」
「ダメだリサラくんっ、今の加賀良介は透視能力を持っているんだっ。キミの裸体が、僕が見るはずだった裸体が、丸見えなんだ!」
玉野が悲痛な叫びをあげた瞬間、声も立てずにリサラはしゃがみこんだ。
「…………見た、のね?」
顔を赤くし、
「い、いやその、ちょっとだけ……その赤い毛をちらっとだけ」
「赤い、やはり赤いのか!」
玉野が思いっきり反応してくる。その顔に、リサラがキッと強い視線を投げ、
「二人とも目をつむって!!」
金切り声を上げた。
「「はい!!」」
逆らえずに、良介も玉野もぎゅっと目を閉じた。
それを
