──さて。


彼らの願いは実際には叶わなかったことではあるが。


 結局のところ、物語を大きく変えるようなものではない。


 機会があれば九子も農作業の手伝いを体験してみただろうし、浅右衛門と出かけるときもあるかもしれない。

 ボロボロな晃之介の道場に口出しはいかにもやりそうで、影兵衛が膝枕をねだって呆れられることもあるだろう。


 彼らが別に、願いを叶えられなくても似たようなことは日常の合間に起こっている。

 

 これはそういった、ありふれた事柄の一幕であった……





《外伝・完》