「ふうむ、天狗火か……中々興味深いね」

 江戸城、北の丸の屋根に佇む男が花火を見終えながら呟いた。

 再び暗闇に染まっていく夜空にもくっきりと浮かび上がる、目が痛くなるほど真っ赤で歪な面を付けた、僧侶のような男であった。

 地獄に生える珊瑚めいた面から見える目は酷く虚ろである。

 その手には一振りの古刀が握られている。