具体的な額を言うとシャルがえんりよすると思い、あいまいな言葉でしておいた。

「他のプレゼントのほうがよかったかな?」

「そんなわけありません……。だって、私……嬉しすぎて、涙が出てしまうくらいなんですから……」

 そう言うシャルの目からは、本当に涙が流れてきている。

 俺のからまわりで終わらなくて、心からホッとした。

「喜んでもらえてよかったよ」

「婚約指輪を頂けて、喜ばないはずがないですよ……。こんなにも素敵すぎるプレゼントを頂き、ありがとうございます……。私の、一生の宝物にします……」

 シャルは大切そうに、指輪を手で撫でる。

 その表情は、幸せに満ちているようだった。

「あーくん……」

 シャルは、俺の後ろに回り込んできて、首元に抱き着いてきた。

 柔らかくて温かい感触が、直に背中を襲う。

「ん?」

「私、今日の誕生日が……生まれてきてから、一番幸せな日です……。本当に、ありがとうございます……」

 よほどプレゼントを気に入ってくれたようで、シャルはほおをスリスリと擦りつけてきた。

「それは俺もだよ。今、凄く幸せな気分だ」

 大好きな子とつながれたのだから、それも当然だ。

 一生の思い出になっただろう。

「あーくんと、出会えて……そして、恋人になれて……心の底から、よかったと思っています……。私と、一生一緒にいてください……。私の全てを、あなたに捧げますので……」

「俺のほうこそ、お願いしたいよ。これからも一緒にいようね」

 俺はシャルの左手に、自分の左手を重ねる。

 それで気持ちが伝わったのか、シャルは《えへへ……》と幸せそうな笑い声をらし――

「はい、一生一緒です。あーくんが嫌って言っても、放してあげませんから」

 ――ギュッと、抱きしめてくるのだった。


 なお、その後は気持ちが高まったシャルに押し倒されてしまい、結局二回戦が始まることに……。