第七章 「美少女留学生と聖夜」



 お昼の反省をかして少しだけ少なめになった晩御飯を食べた後、シャルは俺の膝に座って甘えてきていた。

 エマちゃんがいる時はエマちゃんの特等席になっているけど、いない時はシャルの特等席になるかもしれないレベルで、最近俺の膝に座るひんが増えている。

 シャルも膝の上を気に入っているようだ。

「そういえば、年末には同人誌即売会の大型イベントが東京であるらしいんだ。コスプレイヤーの人たちもたくさん来るらしいし、一緒に行かない? 東京なら、シャルが行きたがっていたアキバもあるし」

 前に教えてくれたことを思い出しながら、シャルを東京デートへと誘ってみる。

 シャルの大好きな同人誌も沢山売られているらしいし、コスプレイヤーさんにも会えるはずなので、シャルが喜んでくれると思った。

 しかし――。

「人が大勢いらっしゃるところにエマを連れていくわけにはいきませんし、東京ですと日帰りする場合はあまり見ることもできませんので……やめておきましょう……」

 意外にも、断られてしまった。

 絶対喜んでくれると思っていたのに。

「泊まりは嫌な感じかな……? さんは成人してるから、保護者でついてきてくれると思うけど……」

 その代わり、のんさんも一緒に行くことになるが。

 あの人の場合、東京にも友人が多いため、喜んで来てくれると思う。

「いえ、あーくんとお泊まりはとても嬉しいのですが……エマに、寂しい思いをさせるわけにはいきませんので……。その……あーくんと数日離れ離れになるのは、耐えられないでしょうから……」

 エマちゃんが俺に懐いてくれているのはわかるし、数日離れ離れとなれば確かに難しいかもしれない。

 東京に連れていくにしても、会場には連れていけないから、誰かに面倒を見てもらわないといけなくなり――それを花音さんや神楽耶さんに任せるのは、難しいだろう。

 ソフィアさんは仕事でついてこられないだろうし。

「でも、せっかくの機会だよ……?」

 この大型イベントは、夏と冬の年二回しかないらしい。

 今回を逃せば、次は半年以上先だ。

「私のために調べてくださったのに、すみません。ですが、動画の件で注目されている状況ですし……正直、危ないと思うのです。ですから私は……将来、二人きりでお泊まりできるようになった際に、行きたいです」

 確かにシャルの言う通り、悪い意味で注目をされている中行くのは、ぼうかもしれない。

 だからシャルは、急がなくてもいいと言ってくれている。

 オタク文化に詳しい彼女は当然このイベントのことを知っていただろうし、来年以降も行われるのも知っているのだ。

 これが最後というわけじゃないので、焦って行く必要はないということだろう。

「そうだね、どうせ泊まりなら、二人きりのほうがいいや」

「ふふ、ですよね」

 シャルは優しい笑みを浮かべると、俺の首に自分の顔を当ててくる。

「それよりも……そろそろ、お風呂に行きませんか……?」

 そして、先に誘われてしまった。

 一度先延ばしにしてしまったことで、どのタイミングで誘うか迷っていたのだけど、やっぱりシャルのほうが手が早い。

「二人一緒に……で、いいんだよね……?」

 俺はのどかわきそうになるくらい緊張しながら、念のため確認をしてみる。

「はい……」

 シャルは顔赤くしながら、コクリッとうなずいた。

 本当に、一緒に入るみたいだ。

「それじゃあ、着替えを持っていこうか……」

 俺は、寝室に置いているタンスに着替えを少し残していたので、そちらから下着や服を取り出す。

 そうしてリビングに戻ると――。

「あの、あーくんはどちらがお好きですか……?」

 右手にサンタの服、左手にナースの服を持った、シャルが待っていた。

 いや、うん……。

「それは……?」

「あーくんがお好きなほうを、着ようかと……」

 やはりシャルは、初めてだというのにコスプレでしようとしているようだ。

 どうしてこの子はこうも、俺の想像の斜め上を行くんだろうか……。

 それだけ、俺の知識が足りてないのか……?

「猫ちゃんのコスプレも考えたのですが、三度目になるので、それよりは新しいほうがいいかと……。やっぱりクリスマスイヴですし、サンタさんがいいですかね?」

 俺が黙っていると、シャルは照れくさそうに再度聞いてきた。

 違う、そうじゃない。

 大切なのは、そこじゃないんだ。

「シャルは、着てしたいのかな?」

「えっ……!?

 尋ねると、とても意外そうにシャルは驚く。

 まるで、それが当然だと思っていたかのように。

「男の方はコスプレが大好きだと思っていたのですが……あーくんは、違うのですか……?」

 絶望するかのように顔色を青ざめながら、シャルはプルプルと体を震わせて尋ねてくる。

 涙目にもなっており、《やらかした》と思っているようだった。

「ち、違うんだ……! 俺はシャルのコスプレ姿が大好きだけど、初めてだから普通にしたいっていうか……!」

 これからムードを高めないといけないのに、むしろムードをぶち壊してしまった俺は、慌てて取りつくろう。

 しかし――。

「普通……。私は、普通じゃない……」

 余計なことを言っていたようで、シャルは更に落ち込んでしまった。

 これから、大一番が待っているということで俺も余裕がなく、頭がうまく回っていないようだ。

「あっ……えっと、その……! そ、そう、楽しみは先に取っておきたいっていうか、初めてで飛ばしすぎても良くないっていうか――今日はなしでしたいって思っただけなんだ……! シャルがコスプレでしたい気持ちもわかるから、安心して……!」

 自分でもとんでもないことを言っているのはわかるが、シャルを傷つけたくなくて全力でフォローする。

 その気持ちが伝わったのか、シャルの表情は明るくなった。

「では、二回戦をこちらで……」

「二回戦!?

 いったい何回やるつもりなんだ……!?

「そ、そうだね。ただ、焦らなくても大丈夫だから……」

 俺は引きつった笑みを浮かべながら、なんとか取り繕う。

 体育祭や球技大会で体力が落ちていることは自覚したため、正直あまり自信がないのだ。

「でも、普段は皆さんがいるので、難しいと思います……」

 普段家には、花音さんたちがいる。

 何より、エマちゃんがいるのだから、そういうことをするのは難しいだろう。

 しかし、俺たちにはこの部屋があるのだ。

「ここに来れば、大丈夫だと思うから……」

 とはいえ、普段エマちゃんの面倒を見ないといけないし、寝てから外出したら花音さんたちにバレバレなので、難しいことは変わりないんだけど。


「確かに、放課後一、二時間ほど遊びに行くということで、エマをお母さんに預ければ毎日だって……」


 シャルは口元に手を当てて、何やらブツブツとつぶやいている。

 一人で納得してくれようとしているなら、それでいいのだけど……。

「そうですね、焦る必要はないと思います」

 結論が出たようで、ニコニコとしたとても素敵な笑みを浮かべてくれた。

 俺はそのことにホッと胸をでおろし、シャルの手を取る。

「それじゃあ、行こっか……」

「あっ……はい……」

 手をつないだことで、シャルもその気になったらしく、俺たちはお風呂場へと向かう。

 もちろん、シャルはコスプレ衣装を部屋に置いてきてくれた。

 そして、脱衣所に着くと――。

「脱がして頂いたほうが、いいでしょうか……?」

 顔を真っ赤に染めているシャルが、胸に手を添えながら上目遣いに聞いてきた。

「えっ!?

 当然、不意を突かれた俺は驚いてしまう。

 てっきり、自分で脱ぐと思っていたのだ。

「あ、あの……! 男の方はこういう時、自分で脱がしたいって本に描いてありましたので、それで……!」

 俺が驚いてしまったせいで、シャルは目をグルグルと回しながら、手をワタワタとさせて説明をしてくれる。

 これはさすがに、俺が悪かった。

「ごめん、そうだね……シャルの言う通りだと思う。その、本当にいいの……?」

 シャルのことを肯定しつつ、実行していいのか尋ねてみた。

「あっ、はい……」

 自分は間違っていなかったと思ってくれたシャルは落ち着き、小さく頷いて俺を見てくる。

 俺はバックンバックンと破裂しそうなほどにうるさい鼓動を我慢しながら、シャルの上着のすそへと手を伸ばした。

「いくよ……?」

「はい……」

 再度確認をすると、シャルは恥ずかしそうに頷きながら、手を挙げてくれた。

 俺はゆっくりと服を持ち上げていく。

 持ち上げたところから順に、染み一つないれいな白い肌が顔を出し、すぐに小さくてかわいらしいおへそが見えた。

 そのまま持ち上げていくと、黒色のレースのブラジャーが見えてくる。

 てっきり白いのを身に着けていると思っていたのだけど、いわゆる勝負下着というやつなのかもしれない。

 純白の肌をしているシャルには良く似合っており、思わずこのまま見つめそうになってしまう。

 しかし、グッと我慢をして、シャルの顔から上へと持ち上げた。

「…………」

 上着を脱がし終えると、シャルはすぐに手でブラジャーを隠してしまう。

 やはり、恥ずかしいんだろう。

「次は、下……ですよね……?」

 だけど、積極的に進めようとする。

 じゆんしているようにも感じるが、恥ずかしさと先に進みたい気持ちの両方があるのだろう。

「スカートってどうやって脱ぐの……?」

 自分で身に着けたことがあるわけでもなく、脱がせたこともないので、どうやったらいいのかわからない。

「あっ、こちらにファスナーがあるので……」

 シャルは俺の手を優しくつかみ、ファスナーがある部分へと誘導してくれた。

 布や肌を挟まないように気を付けながら、慎重にファスナーを下ろす。

 すると、締め付けていた部分がゆるみ、スカートが下へとズレた。

「――っ」

 黒色のパンツが顔を出すと、シャルは息をみながらすぐに手で隠してしまう。

 またの間に手を入れているので、逆にエロく見えてしまった。

「…………」

 れていると、何を考えたのかシャルは両手を後ろで組み、足を肩幅サイズに開いた。

 それはまるで、下着姿を俺に見せつけているように見える。

「シャル……?」

「とんでもなく、お恥ずかしいですが……せっかく見て頂いているので……」

 恥ずかしいというのは噓ではないだろう。

 純白だった肌が、顔どころか全身が赤くなっている。

 目もギュッとつむっており、恥ずかしさを頑張って我慢しているようだ。

 本当なら、すぐ脱がせて風呂場に行かせてあげたほうがいいのに――せんじよう的な姿が、俺の手を止めてしまう。

 そのまま、時間も忘れて見惚れていると――。

「も、もう、いいでしょうか……?」

 震える声で、シャルが聞いてきた。

 我慢の限界だったようだ。

「ごめん、続きをするね……!」

「はい、お願いします……」

 俺が謝ると、シャルは背中を向けてきた。

 ブラジャーも触ったことがなかったけど、どこを外せばいいのかすぐにわかる作りだったので、俺はホックを外す。

 ブラジャーの肩紐を右手から順に外すと、先程までと同じようにシャルはすぐに胸を手で隠してしまった。

「下も、お願いします……」

「うん……」

 促され、シャルのパンツへと手をかける。

 そして、ゆっくりと下ろすと――ツゥッとシャルの股からパンツにかけて糸が伸びた。

 なんでそうなっているかは、考えるまでもない。

 シャルも興奮してくれているのだろう。

 小さめでかわいらしいお尻も見え、俺は興奮によって頭がクラクラとしてきた。

 まじで、頭がおかしくなりそうだ。

「終わ――」

「先に、失礼します……!」

 パンツを脱がし終えた直後、シャルは逃げるように風呂場へと行ってしまった。

 やはり、かなり無理していたようだ。

 俺も心臓が張り裂けそうなほど緊張していたので、一旦深呼吸をして落ち着かせる。

 手に持っていたパンツは、あまり見ると可哀かわいそうなので、ブラジャーと一緒にせんたくへと入れておいた。

「俺は自分で脱ぐか……」

 シャルは既に風呂場に行っているし、脱がしたいなどの要望も言っていなかったので、自分で服を脱いでいった。

 そうしてタオルを腰に巻き付け、風呂場へと入ると――。

「…………」

 隅で、シャルがしゃがみ込んでいた。

 胸とかんを頑張って隠しているようだ。

「タオル、ずるいです……」

 顔を上げたシャルは、俺の姿を見るとねた目を向けてきた。

 自分は丸裸なのに、俺はタオルを巻き付けているので納得いかないようだ。

「シャルが逃げちゃうから……」

「だって、恥ずかしかったんですもん……」

 困ったように笑いながら返すと、シャルは唇を尖らせた。

 まるで子供のような態度に、思わずほおが緩みそうになる。

 とはいえ、いつまでもこうしているわけにはいかないので……。

「体、どっちから洗う……?」

「次は、私が先です……」

 シャルはそう言うと、俺のタオルに手を伸ばしてきた。

 てっきりシャルの体を先に洗うのかと思ったけど、俺の体を先にシャルが洗うようだ。

 自分と同じように、さっさと脱がせたいんだろう。

「いいけど、頭から先に――」

 そう言っていると、シャルはタオルを取ってしまった。

「――っ!?

 そして、かなりビックリしている。

 というか、血の気が引いているように見えるんだけど……?

「う、噓……本当に、こんな大きいのが、入るものなの……?」

 かわいい彼女の裸によって、既に興奮は最高潮なわけで……つまり、シャルが今見ている部分には、血が集まって大きくなっているわけだ。

 初めて見るシャルは、想像したものじゃなくて固まっているらしい。

 おかしいな、これに関しての知識も当然あるはずなのに……?

「シャル……?」

「あっ、えっと……その、頭から洗いますので、バスチェアに座ってください……」

 シャルは視線を彷徨さまよわせながら、俺に座るよう言ってきた。

 すごどうようしているようなのだけど、大丈夫だろうか……?

 心配になるが、シャルに言われた通りに座る。

 すると、俺の後ろに回ったシャルの姿が、鏡に写し出されていることに気が付いた。

 鏡は普段からそうしていて、曇り止めの処理もしていたので、ちゃんと役割を果たしているのだ。

 まぁ当然シャルもそのことには気が付いていて、うまく俺の体で自分の体を隠しているのだけど。

かゆいところはありませんか……?」

「うん、大丈夫……」

 シャルはていねいに、頭を洗ってくれる。

 普段エマちゃんを洗っているだけあって、手慣れている感じだ。

 そのまま、頭を洗い終えると――。

「…………」

 何やら、俺の背中をジッと見つめて考え始めた。

「なんか変……?」

 あまりにも見つめられるから、つい声をかけてしまう。

「あっ、いえ……少し、考えごとをしていまして……」

「えっ、いったい何を?」

「その……こういう時の、男の方に喜んで頂ける洗い方があるのですが……それをしてしまうと、あーくんにまた引かれてしまうんじゃないかと……」

 俺がエッチな子でも大丈夫と言ったためか、知識があることをえんりよなく言ってきた。

 おそらく、また漫画か何かで得た知識なのだろう。

 凄く興味はあるが、あまり刺激的なことをされると、本番を迎える前に果ててしまう可能性がある。

 だから、ここはグッと我慢して――。

「引いてはないんだけど、それは次回披露してもらうってことで……」

 安全策を選ぶことにした。

「わかりました……」

 シャルは少し残念そうにしながらタオルにせつけんを付け、優しく洗ってくれる。

 俺は特に抵抗せず、彼女に身を任せた。

「背中は洗い終わりましたので、こちらを向いてください……」

 背中が終わると、シャルのほうに向くよう言われた。

 言う通りにすると――シャルは、もう体を手で隠すのをやめており、大切な部分が見えてしまった。

「よかったの……?」

 先程まで、頑張って大切な部分は隠していたというのに。

「一度見られていますし、この後も見られるものですから……。それに、お互い様です……」

 どうやら、体を洗っている間に割り切ったようだ。

 当然、俺の視線は彼女の大切な部分へと釘付けになってしまう。

「消えてなくなりたいくらいに、お恥ずかしいですけど……安心、しました……」

「何が……?」

「あーくん、全然私に手を出してくれなかったので……私の体なんて、興味がないのかと心配していたんです……。でも、こうしてちゃんと興味を持ってくださっているので、安心しました……」

 手を出さないように我慢していたことが、かえって彼女を不安にさせていたようだ。

 大切にしていたつもりが、逆に傷つけているなんて皮肉なものだ。

 やっぱり、恋愛は難しい。

「ごめん、我慢してただけなんだ……」

「我慢、しないでください……。私は、求めて頂けたほうが嬉しいので……」

 シャルはそう言いながら、俺の前側をタオルで洗い始める。

 胸やお腹、腕に足を洗うと、シャルは俺の股間に手を伸ばしてきた。

「こちらはせんさいだと思いますので、手で洗いますね……」

 優しく大切そうに触れてきているのに、他人の手だからか刺激を強く感じてしまう。

 だけど、みっともないところは見せられないので、頑張って耐えた。

「――ありがとう。それじゃあ、交代だね……」

 俺が洗い終わったので、今度はシャルを洗う番だ。

 シャルは恥ずかしそうに小さくうなずきながら、シャワーを渡してくる。

「立ったままでもいいかな?」

「……あーくん、エッチです……」

 シャルの後ろに回ってお願いすると、何を考えているかバレてしまったようだ。

 仕方がないじゃないか。

 こんなシチュエーション初めてなんだから、鏡に写る彼女を見ながら洗いたくもなる。

「嫌?」

「いえ、大丈夫です……。あーくんが喜んでくださるなら、私はなんでも受け入れます……」

 なんてけなでかわいい彼女なのだろう。

 おかげで、俺は興奮を抑えるのにいっぱいいっぱいだ。

「かけていくね」

 俺はシャルの頭からシャワーをかけていく。

「んっ……」

 頭からスライドさせるようにシャワーを動かしていると、水が直に胸へと当たったところでシャルの口から小さく息がれた。

 耳が敏感なのは知っていたけど、胸も敏感なのかもしれない。

 そうして、スライドさせていくと――。

「あっ……!」

 またの間にシャワーをかけたところで、シャルの口から大きなかんだかい声が漏れた。

「ごめん、痛かった……?」

 俺は慌ててシャワーを離す。

「い、いえ……そういうわけでは……」

 シャルは口元に手を当てながら、目をらして小さく首を左右に振る。

 痛かったわけではないのか……?

 とりあえず、またシャワーをシャルの体にかけていく。

 ひとしきり水をかけ終えて頭も洗うと、俺はタオルにではなく手に石鹼をつけた。

「タオル、使わないのですか……?」

 シャルは熱っぽい瞳で、意味深な目を向けてくる。

 期待しているように見えるのは、俺が自分に都合よく捉えすぎているのだろうか?

「うん、駄目かな……?」

「いえ、大丈夫です……」

 許可をもらい、俺はシャルの首に手を添える。

「ふっ……んっ……これ、くすぐったいです……」

 手を滑らせるようにして首から洗っていると、シャルは身をよじらせながら言ってきた。

 その行動が、俺の興奮をき立てるということを自覚しているのかどうか……。

「――ひゃっ!?

 シャルの胸へと滑らせると、乳首を擦ってしまい、体がビクッと跳ねた。

 やはり、こちらも敏感のようだ。

「ごめん、丁寧に洗うから」

「は、はい……んんっ……」

 シャルは声を出したくないようで、口元を手で一生懸命押さえてしまう。

「ひっ……んっ……ふっん……はぁ……はぁ……んぅんっ……」

 しかし、声は我慢しきれないようだ。

 息遣いもいつの間にか荒くなっており、感じてくれているのがわかる。

 俺もそちらのほうが嬉しいので、つい調子に乗ってシャルの胸ばかり洗ってしまう。

 同じ人間の体とは思えないくらいに柔らかいのに、弾力もすごい。

 胸の先っぽはれいなピンク色だし、これを今自由にできているという優越感がやばかった。

「あ、あーくん……はぁはぁ……目的が変わってます……」

 だけど、シャルに注意されて我に返る。

 確かに今は洗うための時間で、フライングは駄目だ。

「ごめん、ちゃんと洗うよ」

 そう言って、今度はシャルのかわいいお腹を丁寧に洗う。

 それだけなのに、シャルはビクビクと体を震わせていた。

 もしかしなくても、全身が敏感なのだろうか?

「あ、あの……! そこはやっぱり自分で洗います……!」

 お腹から下へと手が近付いていくと、突然シャルに手をつかまれてしまった。

 直前に迫って、再び恥ずかしさが込み上げてきたんだろう。

「駄目だよ、俺だって洗ってもらったんだから」

「ひゃっ!? み、耳元でしやべったら、だめです……!」

 ささやくように言ったのだけど、耳が弱点のシャルには駄目だったようだ。

 だけどこの状況だと、その反応が更に俺へ拍車をかけてしまう。

 シャルが耳を手で押さえているうちに、俺はシャルの股へと手を伸ばす。

 何やら突起部分に手が当たり、ヌルッと滑ってしまうと――

「んんんっ!?

 ――シャルの体が、大きく跳ねた。

 やってしまったかもしれない。

「シャル……?」

 あまりにも反応が大きかったので、俺は恐る恐るシャルの顔を見る。

「あーくん、いじわるすぎます……。そこは、敏感なんですよ……?」

 顔を真っ赤にした涙目で、ねた目を向けられてしまった。

 わざとやったと思われたようだ。

 そうか、この突起部分が、いわゆるクリトリスというやつなのか……。

 勉強しようにも、シャルやエマちゃんがいつも一緒にいるし、本を買うことはできず、ネットで変なのに引っかかるのも怖かったので、俺はほとんど知識を得ることはできなかった。

 だから、男子たちが下ネタで騒いでいるレベルのことしか知らないのだ。

「ごめん、わざとじゃないから……」

「本当ですか……?」

「うん、優しく洗うから……」

 そう謝って、シャルの敏感な部分に再度手を当てる。

 ここは一段と体温が高いのか、かなりの熱を持っており、そして何やらニュルニュルとしていた。

 一応手で優しく擦ってみるけど、全然取れない。

 シャルから出ているようなので、それも当然かもしれないけど。

 大切な部分だし、入念に洗ってみる。

 すると――。

「んんっ……はぁ……はぁ……やっぱり……はぁ……わざとしてます……」

 シャルが、急にもたれかかってきた。

「大丈夫……?」

「あーくんが……そこばかり、触るから……ふっんん……足に力が……入らなく……なりました……」

 ビクビクと体を震わせているので、感じているのはわかっていたけど……刺激を与えすぎると、力が入らなくなるのか……。

 一つ、勉強になった。

「俺にもたれてくれてていいから……」

「いえ……もうそこは、大丈夫ですので……座らせてください……」

 さすがにこれ以上は駄目なようで、シャルはに座ってしまう。

 だから俺ももう股の部分は触らずに、シャルの足を洗い始めた。

 足の裏や指の間を洗うと、シャルが足に力を入れて逃がそうとしていたので、足も弱いようだ。

 なんというか……耳だけじゃなくて、全身の至るところにシャルの弱点があることはわかった。

 そうして、全身をくまなく手で洗った後は、シャワーでせつけんを流すのだけど――。

「ところでシャル、さっき股の部分を洗った時痛くはないって言ってたけど、じゃあなんで駄目だったの?」

 石鹼をちゃんと落とす必要があるため、そこも当然シャワーを当てないといけない。

 だから、先に確認をしておいた。

「そ、それは、その……刺激が、強すぎるんです……」

 シャルは恥ずかしそうに俺から目を逸らしながら、口元を手で隠して答えてくれた。

 なるほど、そういうことか。

「石鹼を洗い落とさないといけないから、また立ってくれる?」

「えっ……? あっ、はい……」

 俺の言うことに疑問を抱きながらも、シャルは素直に立ち上がってくれた。

 俺は、ていねいにシャルの体にシャワーをかけていく。

 そして、股の部分にも再びシャワーをかけると――。

「だ、だめ……! あーくん、そこはだめですって……!」

 またシャルが慌て始めた。

 滑ってこけたら危ないので俺は後ろから優しく抱きしめるが、シャワーの水を当てるのはやめなかった。

「なん、で……!?

 俺がやめないのが意外だったようで、シャルは体を震わせながら聞いてくる。

「駄目だよ、シャル? ちゃんと石鹼を洗い落とさないと」

「ひぃっ……! 当たってる……! 敏感な部分に……んんっんっ……当たってますからぁ……! あぁああ! あーくんが触ってたから……ぅっっ……さっきよりも敏感になってるんです……!」

 どうやら、最初当てた時よりも刺激を強く感じるらしい。

 でも、痛いわけじゃなさそうだ。

 必死になっているシャルがかわいすぎて、つい俺は継続してしまう。

 シャルはどうにか水が当たる位置をずらそうと腰を動かすが、体は俺が固定しているので限度がある。

 その上、ずれた分は俺が手を動かして調整できてしまうので、シャルはシャワーの刺激から逃げられなかった。

 やがて――。

「だ、だめ、きちゃう……!」

 シャルの暴れっぷりが一層激しくなった。

 来ちゃうって、何が来るんだろう?

 興味をかれ、俺はジッと観察する。

「やだやだ……! はじめてがこれは、やだんんんっ……!」

 シャルは顔をイヤイヤと一生懸命横に振り始める。

「あーくん、おねがい……! はじめてが、これはやだぁ……!」

 もう敬語を使う余裕もないようで、泣きそうな子供のようにお願いをしてきた。

 そして、そこまでシャルが乱れているのを見て、やっとやりすぎたことに気が付く。

「あぁああ! だめだめだめ! きちゃう、ほんとうにきちゃ――!」

「――ごめん、シャル……!」

 シャルが身を縮めるようにグッと体に力を込めた瞬間、俺は慌ててシャワーを離した。

「……っ」

 刺激がなくなったせいか、シャルはまたをモジモジと擦り合わせる。

 彼女は、肩で息をして放心状態になっているようだった。

「大丈夫……?」

 やりすぎた俺は、顔色をうかがうようにシャルの顔をのぞき込んでみる。

「はぁ……はぁ……あーくんの、ばかぁ……いじわるぅ……」

 涙目のシャルが、幼子のように怒りながら拗ねた目を向けてきた。

 普段見ない彼女の様子に、胸がドキドキと高鳴ってしまう。

「ごめん……。えっと、大丈夫だった……?」

「うぅ……大丈夫です……大丈夫ですけど……これはこれで、つらいです……」

 いったい何が辛いんだろう……?

 経験がなさすぎて、全然わからない。

「…………」

 シャルは無言でくっついてくる。

 何かを求めているのだろうか?

「えっと、湯船に浸かる……?」

 お湯は既に入れてあり、体を洗ったのだからこのまま入るのが普通だろう。

 しかし――シャルの考えは、違うようだ。

「こんな生殺しのようなことをしてるのに……まだ、私を追い詰めるんですか……?」

 いったいどう捉えられたのか、不満そうな顔で見てきた。

 俺はせんたくを間違えてしまったらしい。

「ごめん、それじゃあ体を拭いて、ベッドに行こうか……?」

 お風呂に入らないなら、もう出るしかない。

 だからそう声をかけると、シャルは小さくうなずいたので、今度は合っていたようだ。

 シャルは自分で体を拭き、バスタオルを体に巻いて先に行ってしまう。

 これは……怒らせてしまったのだろうか……?

「シャル、怒ってる……?」

 寝室に向かうと、布団の上にバスタオル一枚でシャルが座っていたので、尋ねてみる。

 やりすぎたのは間違いないのだし、怒らせたのならちゃんと謝らないといけない。

 だけど、シャルは首を左右に振った。

「あーくんにいたずらされる前に、こちらに移っただけです……。初めては、彼氏さんのお布団がいいので……」

 どうやら、体を俺に拭かせるとそのまま似たことをしそうだから、逃げただけのようだ。

「電気、消してくださいますか……?」

 シャルは明かりがついた状態でするのは嫌らしい。

「完全に消しちゃうと何も見えなくなるから、薄明かりでいいかな……?」

「大丈夫です……」

 シャルが頷いたのを確認し、俺は電気を薄明かりのものへと変える。

「こちらに来てください……」

 薄っすらとお互いが見える程度にまで暗くなると、シャルは自分の後ろをポンポンッと叩いた。