──六年前。

 ある娼婦が遺体で発見された。

 担当した取締官の見解では痴情のもつれと言う他なく、実際、その点については疑いようもない事実であろう。

 加害者の男については、後日、被害者遺族から依頼を受けた事件屋ランナーによって拘束され、現在はネオスガモ重犯罪刑務所に収監中。同様の殺人事件を繰り返していたために、釈放の見込みはないとされている。状態を鑑み、電脳制御による懲役への従事にも疑問が出る。


 特記事項としては一点。

 被害者の身体には重度の生体改造(注:事件性は確認できず)が施されており、そればかりではなく、驚くべきことに病院に搬送された際の彼女は、自分の本当の名前も──その家族すらも忘却していたという点だろう。

 数か月前にその家族の手により捜索依頼が届け出されていたこと、司法解剖により確認された補助電脳ニューロギアのシリアルナンバーによって故人の身元が特定された。

 被害者はどうやら「記憶の書き換え」を常習的に実行していたらしく、店舗への登録情報として査証されていた経歴と当人の記憶の中に矛盾は存在していなかった。

 本事件を受け、記憶領域に対する干渉は当人の同意の下であっても、企業共同統治都市なら企業連下の特定指定機関、企業単独統治都市においては企業行政認可の機関への届け出が必須となり、正当な理由なく記憶領域への干渉を可能とする設備を有することや技術を開発することは、所持だけで十年以下の指定懲役労働または十万ネオドル(共通通貨・時価)相当の補償懲役労働が科されることとなった。

 なお、後の調べでは、被害者は快楽失墜症候群パラダイス・ロストを発症していた可能性が高いとされる。


 被害者の第一子は義務教育最終年齢かつカルーセル私学園への入学を控えているため、報道には十分な規制を行い、その将来に配慮した継続的なカウンセリング受講を呼びかけるように指導を行うものとする。



  ◇ ◆ ◇  Goetia Shock  ◇ ◆ ◇



 虫の羽音のような甲高い振動音が上がる。

 服を脱ぎ捨てた浅黒い男の腰が動くにつれて、剥き出しの長く黒いペニスがその真っ白な太腿の間をこするにつれて、桃色の貝唇の頂点で起立したつぼみに被さった透明のカバーが押し付けられるにつれて、ぐちゅぐちゅっ♡と水音が鳴っていた。

 段々と粘り気が強くなってくるその音に次いで、子供のような細い腰が何度も震える。

 彼女は叫んでいた。何度も何度も、尾のようなその金髪を振り乱して叫んでいた。

「やめてっ、もうやっ、やめてっ、やだぁっ、やめぇっ、やめっ────ひっっっ♡♡」

 青い目が見開かれる。背筋が震えて、爪先がピン──と伸びた。涙が散ってよだれが舞う。

 荒い吐息。

 柔らかな白色の肌と凹凸ある浅黒色の肌が、遮るものなしに擦れ合っている。

 アリシアのちっちゃな生まれたての身体を、一糸まとわぬ筋肉質のジェイスの身体が背後から覆いかぶさるように抱え込み、汗と汗で湿った肌が隙間なく密着する。息を荒らげるアリシアの真っ白な肌は完全に上気して、滝のような汗を流して朱色に染まっていた。

 その首筋を、うなじを、ジェイスの赤い舌が這った。蛇のように──蛞蝓なめくじのように。

 それだけで背中がびくびくと震える。今のアリシアには、そんな刺激だけで十分すぎた。そして何より、つまりそれ以上が止められておらず、過剰すぎた────。

「ひぃぃぃぃっ♡ やめてっ、いまやだっ♡ 今やめてっ♡ やめっ、あっ、んっ、んん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ♡」

 涙目になったアリシアの青い目の懇願を、一切受け入れない容赦のないえっちな責め苦。

 その生意気な弾力を持つ白磁めいた乳房の中心には、桜色が色濃く充血していく可愛らしい乳輪の中心には、これまた可愛らしいタコさんウィンナーの如き器具がちょこんと鎮座して──しごいて擦って震えて、そのコードを赤髪の青年の手元まで伸ばしている。

 背筋を反らされて弓なりに仰け反ったアリシアの滑らかなおへその下には、鳥もちのように粘着頭を持つ器具が張り付いて離れない。青髪の男は、楽しそうにそのダイヤルを回している。

 ジェイスの浅黒く金の指輪を嵌めた雄の指は、背後からアリシアの乳房をわしづかみにした。脇の下から乳房の下端に張り付いたラップの如きシートが、あたかも窓ガラスに乳を押し付けて性交するように肌の色を強め、それを張り付けた黄色髪の男は新しい玩具を吟味していた。

 ニプル性感。

 ポルチオ体外性感。

 スペンス乳腺性感。

 それらが、絶え間なくアリシアに与えられ続けた。どれがどれなのか分からない。いや、混ざり合って刺激されることで無理矢理に花開かされるのだ。今のアリシアは、その全身のどこをとっても男から与えられる快楽にいななく楽器だった。そのたびに背筋を反らして、おとがいを上げて悲鳴を上げる。初めは気丈にも唇を噛み締めて甲高い鼻声を漏らすことで耐えようとしていたが、それも今は昔だ。もう、その喉から涎と共に絶頂の声がまろびでる。

 そして何よりも忘れてはならないのが──愛液にべたべたに湿った太腿のその上の少女領域。透明カバーが毎秒震えながらその肉核を吸い上げ──最も敏感なクリトリス性感に与えられる窒息しそうなほどの激しい快感が、アリシアの他の性感帯を実用可能な領域に引き上げたのだ。

 さらに──その粘液に光沢を帯びた秘所には、熱く勃起した凶悪な黒色のジェイスのペニスが触れ合っていた。灼熱のような男根の存在感を、太腿を通じて、絶頂に朦朧とするアリシアの心に留め続けるのだ。雄のちんぽというものを、その固い強直を、絶頂と共にパブロフの犬のように覚え込ませる。

 今のアリシアは、男性器の固さを感じるだけでどの性感帯も励起されるほどに雄好みに育てられていた。

「なー、ジェイスーそろそろ代わってくれよー。おれもロリ巨乳キツマンちんぽケース探偵でちんぽ弄りてーよー」

「てめえ、これやったら射精すだろ。無駄撃ちなしの精液便所にしねえと、コイツへの罰になんねえよ。ちんぽイラつかせといてセックス未経験なんて、とんでもねえ罪人だ」



 赤髪の青年の声にジェイスが鼻を鳴らした。その最中もアリシアは「あっ、あっ、あっ、あっ、あっ♡」とびくびくと肩を揺らしていた。

 とはいえ──いささか退屈になってきたというのも、ジェイスの本音だった。

 ガキのように情けなく泣き叫んでいるアリシアを見るのは楽しいが、どこか反応がワンパターンになっていた。それでは、この先を想えば面白くない。

 そして、何かを思い付いたような笑みと共に、ジェイスは己のペニスに手をやり──

「へっ、動くんじゃねえぞ」

 ちゅくっ♡と。

 それは然るべき場所に、セットされた。

「────へ、ぇっ」

 呆然ととろけていたアリシアの青い瞳に意思が戻る。

 その音と感触に頭が真っ白になり、背筋が凍る。身体をどこまでもせり上がって満たされていた甘い痺れが、瞬く間に冷やされた。

 まさか──

「やっ、やめてっ、やめ──」

「動くなっつってんだろ。マジで処女喪失するか? あ?」

〜〜〜〜〜〜っ♡♡♡」

 にゅぷっ♡ちゅぷっ♡と股間が音を立てる。

 男の亀頭がアリシアの膣口に飲み込まれていた。幾度も幾度も、軽いキスをついばむように。柔らかく大きな薄桃色のヒダを掻き分けて、その奥のプリプリと新鮮で生意気なヒダに満ち溢れた中に侵入を始める。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ♡♡♡」

 ゾクゾクゾクゾクっ♡と、どうにもならない甘い痺れがアリシアの背筋を強烈に這い上がっていく。

 いや、這い上がるなどという生易しいものではない。完全に溶かされている。蕩かされている。骨抜きにされている。

 大事な入口をぬりゅ♡と擦って、にゅぷぷっ♡と広げて、頭一つ分だけの大人の体験がアリシアの女の子の中心を甘くイジメていた。

 そのゾワゾワとゾクゾクが腰の骨と背骨の間に満ちて、痺れて、広げられて──無理矢理に骨のその根の、その隙間を広げているかのようにアリシアから踏ん張る力を奪う。

 ぷちゅ♡、ぷちゅ♡と男の膨らんだ亀頭がヒダを掻き分けるたびに肉蜜があぶくを立てて弾ける。とろとろの粘液が、剥き出しの肌に滴っていく。

 そのまま、リズムよく──ぬぽぬぽ♡ちゅっちゅ♡が始まった。

「んっ、んっ、んっ♡ んっ、やっ、やめっ♡ やめなっ……あっ、やっ、あっ、あっあっあっ♡ イ──っ、や、あっ♡」

 危機感に取り戻された正気によって睨みつけようと青い眼差しを強めたアリシアだったが、そのすぼまりつつも綻んでしまった女の子の入口を亀頭が前後するたびに、どうしようもなく口から悲鳴が漏れてしまう。

 悲鳴、などというのは誤りだろう。

 甘さと切なさを帯びたそれは、彼女以外の誰もがとっくのとうに────いや、涙目を浮かべた彼女自身でさえ自覚しているかもしれない。

 気持ちいい。だからこそ、認められない。

「ひっ、あっ、ひにゃ♡ やっ、やぁっ、ひっ♡ やめっ、やめなさっ……いっ、ひぃっ♡♡♡」

 誰がそれを抗議の声と思うだろう。鈴を転がす若猫のような声は湿った吐息混じりに、甘い痺れのままに震えている。

 それでもアリシアは、まだ涙ながらに背後を睨みつけようとし──

「ん? 速さがもの足りねえってか? へっ、じゃあもっとしてやるよ!」

「ちっ、違────ひぃぃぃ!?♡ いっ、あ……あっ、ひっ、イ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ♡♡♡」

 ぐりぐり♡ ぬちゅぬちゅ♡ むりゅ♡ ぬちゅ♡ ぬぽっ♡ ぬぽっ♡ ぬぽっ♡

 薄桃色の穴にくわえられる赤黒い亀頭の動きが加速した。

 そんないんで間抜けな肉と肉の擦れ合う音、咥え込む音、行き来する音。

 それが背筋を伝ってアリシアの脳を犯す。

 ちっちゃな桜色のメス穴はみるみるうちに潤って、出し入れされる亀頭のその縁はぬらぬらと輝いていた。

「やめっ♡ あうっ、何してるのよぉ♡ ひぃぃぃっ♡ やめなっ、やめっ、やっ、あっ、あっあっあっあっ♡♡ あ、ゔうぅぅぅぅぅぅぅぅう〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ♡♡♡♡」

 きゅううぅっ♡と内股に力が入る。

 穴が窄まって、それが逆に男の亀頭との密着を強くして──快感を何倍にも何倍にも広げてアリシアのお腹の奥を痺れさせた。

 出て、入る。入って、出る。

 性行為と呼ぶにはささやかすぎる一個分の前後でも、アリシアの初心うぶな雌穴は、その真っ赤に充血したヒダヒダを刺激されてきゅうきゅう♡とお腹の奥を竦めさせた。

 せっくす。

 えっち。

 おちんちん。

 しつけられている。覚えさせられている。

 こんな、軽いキスを繰り返すみたいな動きで。ホントの本番には全然遠い、それでも男のヒトのモノをぬぽぬぽと、大事なあそこに頬張らせられるような動きで。

 たったそれだけで、これから何が起こるのか、女がどうすべきなのかを教えられている。躾けられている。こんなやつに。さいてー男に。

(さ……先っちょだけでこれならっ♡ あたしっ、あたし────────♡)

 この淫猥の初めに、ジェイスが言った言葉。

 予習、というその通りに。

 未来予知のように、知れてしまう。もしこのまま根本まで、大事なお肉の奥の奥まで男が入ってしまったそのときにアリシア・アークライトがどうなるか。

 勝てない。逆らえない。負けてしまう。

 やっつけられてしまう。おちんちん一つに抗えず、内側からどうしようもなく女の子にされてしまう。えっちですけべな、男を喜ばせる女の子にされてしまう。

 こんな卑劣で下劣で最低のクズ男なんかに。くやしくて仕方ないのに。

 今のこれだけでもさいてーで最悪なのに。

(おかしっ♡ おかしいっ♡ こんなの──こんにゃの、おかしいっ♡♡♡)

 しかしいくらイヤイヤと首を振っても、他でもないアリシアの中のヒダヒダが──今なお与えられる刺激に叫んでいた。震えていた。

 もっと欲しいと──足りないと。届いてないと。満ちてないと。ちんぽくださいと。

 そのまま挿入されるのを待ち望んで、アリシアの中のえっちなヒダヒダは、ぷりっぷりに赤く充血していた。軽い動きの分だけ、その切なさが強くなる。どんどんと、高められる。

「おい、なあ、オレたちはさいてー男なんだよなあ! そう言ったよなあ、てめえは!」

「こっ、っっっ、こんなっ、ことして……さいっ、てー、以外のっ……なんなのよぉっ♡♡」

 まだ、青い目を尖らせて背後を睨み付ける。

 折れかけた──蕩け崩れかけた心を立たせて、アリシアは涙目ながらに睨み付けた。

 それに、ジェイスが満足げに頬を吊り上げ──

「んじゃ──そのさいてー男に真っ裸見られて何度もイカされてるてめえはなんだッ!」

「ひ、に、ぅぅぅぅぅぅぅぅう〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ♡♡♡」

 ばちゅばちゅと、ジェイスの腰が加速する。アリシアのおまんこに、最低おちんちんを食べさせるべく加速する。

「止まっ、止まりなさいよぉっ♡ 止まってっ♡ 止まってぇ♡ だめっ♡ やっ、もっ、やにゃあっ、止まれぇっ♡ 止まってぇぇぇ♡♡♡ 止まっ──やっ、ひっ、いいっ♡ あっ、やっ、やあっ♡ おねがいっ♡ おねがいしますっ♡ あやまりますっ♡ ごめっ、おちんちんにごめんなさいしますっ♡ もっ、あっ、やっ、やだぁっ、やだぁ!♡♡」

 亀頭一つ分のセックス。

 処女性交。

 バージン続行レイプ。

 処女膜を破らないように──それでもヒクヒクっ♡きゅんきゅんっ♡と窄まる肉口を、男性器に擦られて擦られて擦られる。

 ぽたぽたと、床に汁が溢れる。

「あっ♡ んっ、んぅっ♡ ごめにゃっ、ごめにゃさいっ♡ ちんちんいらいらっ♡ ごめんなさいぃぃいっ♡ いらいらさせてっ、ごめんなさいっ♡ だからっ、もっ、ゆるし──ああっ、やっ、イヤっ♡ あっ、やっ♡ んっ、あっ、あっあっ♡」

 涙と汗と涎が入り混じってぐちゃぐちゃになり、アリシアの表情は再び蕩かされていた。

 喉を漏れ出る声が止められない。ぬぽぬぽ♡と穴を広げられるそれだけで、えっちなえっちな弱音が出てしまう。ちんぽにイジメられてしまう。

 このままでは駄目だ。このままではさいてーのことになる。頭をブンブンと振って、背骨に込み上げてくるものから逃れようと──頭をなんとか冷やそうとする。

 だが──

「そろそろイっとけ。ナカイキだ……初心者向けだがな。ははっ、いや、こんなんでイくなんて逆に上級者かもな。オレに言ってたプロ意識ってのは、娼婦としてのプロ意識か?」

「だ、誰が────」

「うるせえ! おら、逃さねえぞ。散々ちんぽとオレをイラつかせやがって……頭振って誤魔化せるなんて思うんじゃねえっ! おらっ!」

「やっ、」

 ぐしゃりと、男の浅黒い手のひらがアリシアの美しい金髪の二つくくりを掴む。手綱のように、乱暴に掴み止める。

 頭を振れない。冷やせない。

 逃げられない。

 もう、駄目だ。

 そして、もう一度アリシアの濃いピンクのお肉の中に、男の人の茶色のモノが割り込んできて──ちゅぷっ♡と。

 えっちなえっちなキスだった。

 男の子の鈴の口が、オンナノコの口にするえっちなキスだった。それだけで、

「ひっ、イっ、ぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ♡♡♡」

 決定打が、与えられた。

 きゅううううぅぅぅぅ♡と入口が強烈に窄まる。ピンと足が伸びて、ガクガクと腰が震える。

 手錠の鎖がガシャガシャと音を立てた。

 今までの人生での一人遊びがあんまりにも初心者マークの刺激のような、甘く切ない刺激が喉をこみ上げて──だが、まだ止まらない。

 男は、それで、許してくれなかった。

 ちっちゃなアリシアの大事な大事な穴に野太い亀頭を痛いほど締め付けられながらも、ぬちゅっ♡とその亀頭が動き出し、そして、

「やめっ♡ しょれやめっ♡ やめへっ♡ やりゃっ♡ 動かにゃいでっ♡ やりゃっ♡ 今やめっ、やりゃっ、やめへっ♡ ゆるひてっ♡ やめっ、やっ、あ──」

 冷めないのに。

 今終わってないのに。

 ビクビクしてるのに。ゾクゾクしてるのに。きゅうきゅうしてるのに。

「ひにゃっ♡ やめっ♡ やめにゃ♡ やめにゃさ、いっ、あっ、ひっ────イっ、いぃぃぃい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ♡♡♡」

 亀頭レイプ膣口えっちが、収まってくれない。

 ぬぽぬぽっ♡ぬぽぬぽっ♡と、止まってくれない。

 アリシアのおまんこを、許してくれない。

 おちんちん裁判官が、おまんこ探偵を許してくれない。

 腰がガクガクガクガク震えた。ビクビク背中を反って、ぶるぶるおっぱいを揺らした。

 そして、

「やっ♡ あにゃっ♡ ひにゃっ♡ ひ……っ♡ いっ♡ あっ、あっ、あっ、あっ、あっ……ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ♡♡♡」

 何度も何度も、ぷしゅっ♡ぷしゅっ♡と音がする。

 ぱたたっ♡と液体が飛び、ぽたぽたっ♡と汚い床に垂れる。とろぉっ♡と太腿をヌメついた粘液が伝わり、足の付け根はどうしようもないぐらいに光沢を得ていた。

 最早誰の目にも明らかに、言い逃れも叶わないくらいに、アリシア・アークライトの中のオンナノコは花開かされてしまっていた。おちんちんの味を一口知っていた。

 こんな、恥ずべきたちに。

 そしてそれは──────まだ終わらないのだ。

「っ、──っ!?♡ っ、ん、ふ、やぁ……やめっ、これいじょっ、むりっ♡ あっ、ああああっ、あっ、やっ、ああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!?♡♡♡」

 収まってくれない。何度も何度も擦られて、何度も何度も出し入れされる。

 こみ上げてくる。

 ゾクゾクっ♡ゾクゾクっ♡と。

 最早、喉を張り裂けさせるような辛さになるほどの灼熱の痺れを伴った悲鳴を尻目に、ちんぽの前後は何一つ容赦なく繰り返され──部屋中にアリシアの嬌声は響き渡り続けた。

「わかったっ♡ わかったからぁっ♡ んにゃっ、ひっ、かてにゃいって♡ もっ、かてにゃいってっ♡ わかったのっ、んひっ、わかりましたぁぁぁあっっっ♡」

 何度も何度も。

 何度でも、何度でも。

「やめてぇぇっ♡ ゆるしてぇっ♡ えっちゆるしてぇっ♡ もうっ、これっ、やめてぇぇっ♡ やらっ、やっ、あっ、ひっ、ぃぃぃい〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ♡♡♡」

 アリシア・アークライトは、自分が雌であることを思い知らされたのだ。

「んゔゔぅぅぅぅっ♡♡ んひぅ、あなっ、あにゃっ、あにゃいりゃないっ♡ もっ、おんにゃのこのあなっ、いらにゃいっ♡ こんにゃのいりゃにゃいぃぃい♡ ずるいっ、ずるいぃぃぃい〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ♡」

 存分に。

 爪先から唇まで。

 完膚なきまでに。最低の下衆たちに。

 お腹の奥から、頭の中まで。

 自分が女の子に生まれてしまったということを、引き摺り出されてしまっていた。


 責め苦を解放されたのは、一体、何回目だったろう。

「────ぁ、あ……ひっ、イ───……あっ、あひっ、あ……─────……♡♡」

 何十回と出し入れされたと思うし、ひょっとしたら何百回だったかもしれない。感じさせられたのは、それよりもっともっと多かったかもしれない。

 ぐったりと手錠に吊り下げられるままに、額の汗に金色の前髪を貼り付けさせたアリシアはボンヤリと床を眺めた。

 よりにもよって、こんな、最低の男たちに。

 裸を見られて、達する顔を余すところなく目撃されて、大事な穴の入口を何度も何度も躾けられて、ぬぽぬぽ♡ぬぽぬぽ♡と好き勝手にイジメられた。

 おっぱいも、お尻も、あそこも、大事なところも全部見られた。

 それでも、

(ぁ──────、あた、し──────……?)

 今はただ恍惚と、お股の真ん中を伝わるその解放感に呑まれて、ビクビクと背筋を震わせることしかできなかった。

 女の子に、なってしまったのだ。

 探偵をしている、その時に。

「ったく、これでブチ込めねえってのは逆に毒だぜ。……なあ、もうブチ込んじゃ駄目か? 別にいいんじゃねえのか? 正直いるか、記録?」

 ジェイスの言葉に、残る三人の視線が集中する。

 既に飽き始めていたのか、それともこれからに備えて温存していたのか。テーブルに腰掛けた黄色の髪の男はアリシアが入管で取り上げられた拳銃を──アリシアの口に何度も挿入した後に弄び、青髪の青年はその剥き出しの短小極太ペニスを真空パックのストロベリーフレーバーのフレッシュミルクに何度も浸して味付けをしていた。

 アリシアの乳房の前に立つ赤髪の青年は、溜め息と共に露骨に肩を竦めた。

「自分で言ったんでしょ? ちゃんと守りなよ。一度しか撮れないし、どうせこの先たっぷりできるんだから我慢だよ我慢」

「ってもよぉ……ったく、カントクの野郎はどこで何してやがる。待たせすぎなんだよ。……あと二分で来なかったら予定変更な?」

「自分だけズルくない? おれらにはあんなでさぁ……」

「オレが連れて来たんだからいいだろ。このオナホ女には、随分とてこずらされたんだぜ?」

 下衆な笑みを浮かべるジェイスがアリシアの汗まみれの小ぶりな尻をぺちんと叩いた。

「お?」

 そして、彼はふと思いついたように──その浅黒い顔を上げた。

「……なあ。いいこと考えたぜ。どうせ後でこっちもなきゃ穴が足りなくなるよなぁ? 今のうちに覚えさせてやってもいいし、なんならこっちはもう卒業でもいいよなぁ?」

「え? あ、そうだね。やっちゃおっか。……じゃあ、下準備しとこっか」

 赤髪の青年が、勢いよく乳首に取り付けられたおもちゃを引き抜く。それだけでアリシアの背筋はこわり、太腿を液体が濡らした。

「やめっ」

「どっちも卒業するんだ。嬉しいだろ? さーて、どれを使ってやろうかね」

 ニヤついたジェイスの視線。それに笑い返した男たちが、テーブルの器具を取る。

 うぃんうぃんと、不気味な振動音を立ててオモチャが動く。おちんちんを模したオモチャだ。他には卵がいくつも並んだものとか、全方位に吸盤が張り付いた棒とか、半ゲル状のブラジャーとか……テーブルの上には様々なものが拷問道具のように置かれていた。

 拷問ではない。勉強だ。アリシアに、えっちの勉強をさせるためのオモチャなのだ。アリシアを玩具に変えるためのオモチャなのだ。

 おっぱいも、おしりも、全部女の子にされる。

 逃げ場がないまま、ここで女の子にされる。女の子の部分を全部使われる。

 カタカタと、奥歯が鳴る。

 そのうちにも、自動で動く器械ちんちんが迫ってくる。アリシアを躾けるために。

 赤髪の親指がスイッチを切り替えると、激しく振動した。自動調教オモチャ。あんなの、絶対に無理だ。人と違う動きで、人と違う形で、人が使うのに最高にアリシアを調律するのだ。

 これで、終わってしまう。

 路地裏で倒れていたママのように、壊されてしまう。

 そう思った──────電動?──────瞬間だった。

「────!」

 青い目を見開く。青い仮想量子線ストレイラインが──奔る。

 電脳魔導師ニューロマンシーは、スタンドアロン端末にさえクラックを仕掛けられる。つまり──

「なんだ!?

 机の上の電動玩具が一斉に音を立てた。そのあまりの異様な光景に、全員の注目がそちらに集まる。

 ここしか──なかった。

(痛覚オフ、感覚オフ、筋力制限オフ────)

 爪先立ちから、飛んだ。両手を吊られるままに振り子めいて勢いをつけたアリシアの体が、その鋭い膝が赤髪の青年の顎に真横から突き刺さる。

 怒号が飛ぶ。だが、待たない。反動のままに身を捻って、青髪の肩に素足をかけた。そのまま、鼻っ面に膝を一発。鼻血が飛ぶ。てらてらと愛液でぬめった太腿を、男の鮮血が彩った。

 その反動で、アリシアのかせと鎖が外れた。天井から垂れ下がった鎖は、アリシアの手錠をフックで絡める形で吊るしていたのだ。

 着地と共に、何一つとどめるもののない白く大きな乳房が弾んだ。汗が舞う。

「てめえ、ただで帰れると思うんじゃねえ!」

 ジェイスが、床に置いた電磁警棒を片手に叫んだ。

 距離、二メートル弱。一足で飛び込める距離だ。

 アリシアの両手はまだ手錠に繋がれている。

 何とか──呼吸を回す。肺の空気をすべて吐き切り、強制的に意識を切り替えた。腰を沈めて、サイバー・アイキの構えをとる。

「てめえは自分がオナホだってことも思い出せねえみてえだな……もう容赦はしねえ。脳みその中がちんぽ汁でいっぱいになるまでハメ倒してやるぜ。薬も使ってぶっ壊してやる! ただじゃあ済ませねえぞ!」

 男の怒声に、体がビクリと震えた。

 散々受けた責め苦で、その筋肉質で女とは異なる獣性を秘めた肉体を見るだけで敗北を想わされる。あれだけの狂いそうな快楽という苦痛を紐づけされる。

 一息に、飛び込めない。

 それを見たジェイスは満足そうにどうもうな笑みを浮かべ──残る一人の男を怒鳴りつけた。

「何してやがる! このロリータダッチワイフにてめえも思い知らせるんだよ! 全部終わってからちんぽを出すなんて許さねえぞ! さっさと来い! 二人がかりだ!」

 アリシアの口腔へと何度も何度も出し入れした、アリシアから没収した銃をしゃぶっていた男が腰を上げる。

 二対一。

 勝利を確信したジェイスが、おもむろに一歩を踏み出し──

「そうね。ただで済ませるわけないでしょ。鉛弾をくれてやるわ!」

「何──!?

 同時、響く銃声。アリシアの拳銃を弄んでいた男が、ジェイスの膝を撃ち抜いていた。

 仲間の信じられない凶行に、ジェイスの顔が驚愕に包まれる。

 その瞬間、アリシアは弾かれたように跳んだ。片膝をついたジェイスに突進しつつ、その肩に手を置きながらあたかもラリアットを極めるが如き動きのままに──その背後に回り込む。

 あとは、流れるような早業だった。

 背後から首をめ、ジェイスのその胴に真っ白な足を回す。裸体と裸体。浅黒い肌と抜けるように白い肌。それは先ほどの性的行為の続きめいていたが、違うのは二人の態勢だ。今度はアリシアが背後から男を責め立てている。

 折り重なって崩れた。のたうつ二つの身体。

 どんどんと、ジェイスの顔が赤黒く染まる。バックチョーク。熱烈なセックスに腰へと足を絡めるかの如き強さで、胴を後ろから挟んだアリシアの小柄は揺るがない。

 まさしく、文字通りの裸締めだ。

 必死にアリシアの腕を掴むジェイスは、未だに混乱の中だった。

 何故、自分が撃たれたのか。

 何故、助けが入らないのか。

 何故──……何故────……。

「こんな状態でも、一人二人ならクラックするのも訳ないのよ。……アンタらは、数を減らした時点で終わりってこと。それじゃあ、寝てなさい。とびっきりの悪夢とセットで」

 冷たい青い目線と共に、視界に強烈なノイズが走る。

 残る一人と合わせて──……ジェイスの意識は闇に落ちた。



◇ ◆ ◇


 よたよたと……かろうじてスピードローダーと拳銃だけを回収したアリシアのその歩みは、小鹿よりも遅かった。

 足を伝った愛液まみれの靴跡を残しながら這うような速さでしか動かないそれは、むしろ、惨めな蛞蝓と呼んだ方が正しいかもしれない。

 叫び続けた喉はカラカラになっていたし、体はジンジンと甘ったるい。

 石造りを模した壁に体重をかけて、歩く。それはどこか貯水槽から脱出したばかりのクローン人間を思わせる姿だ。ただ──無垢なる新生児と呼ぶには、あまりに性の匂いにけがれていた。

 淫気が湯気として立ち上りそうなアリシアの裸体。

 太腿は愛液で汚れ切って、その粘液が銀の筋を作って恥丘から廊下に垂れる。陰唇は何もしなくても痙攣するようにヒクついていて、もしここに増援や援軍がいたのなら、なすすべもなく押し倒された挙句に、遠慮なく突き込まれる男性器へと瞬く間に媚び始めて射精を促すべく律動するだろう。

 今のアリシアは、かろうじて歩くだけの愛玩人形だ。

 文字通りの、彼らの言葉通りのオナホ少女だ。

 男の腕力を前に即座に抵抗を奪われ、その体臭に強制的な発情と興奮を引き出され、あとはお腹の奥の赤ちゃんの部屋をいっぱいに満たしてもらうまで、首を振って嫌がりながらも男性器を締め付け続ける。それだけの状態にされてしまった。

 幾度とはなすすり、泣きそうになりながら意地だけで体を動かした。

 いや、もう意地なのかも分からなかった。ただ逃げようとしていた。おちんちんから。その敗北から。

 出会ってしまったら、せっくす恋人にされてしまう。その恐怖を想像するたびに嬉しそうに口を窄めるお腹の奥の小部屋が余計に怖い。一度足を止めたら、そのまま奴隷にされるまでうずくまって待ち続けてしまいそうな自分が怖い。

 ────快楽失墜症候群パラダイス・ロスト

 母のようなその現象が、憎らしい。

 そして本当のそれはこんな程度では済まされないのだ──という恐怖と、これ以上ならどんなのだろうという興味がまとわりついてくる。最悪なのは、それにある程度の遺伝的な相関関係が見られるということだ。つまりアリシアも、母のように、おちんちんが大好きで大好きで堪らなくなってしまう素質があるのだ。だから──怖かった。それがお互いに気持ちを交わし合って結ばれた末の恋人ならいい。好きな人に、いっぱい喜んでもらえる自分になれるかもしれない。だけどそれ以外は、駄目だ。本当は恋人相手ですらも怖いのだ。それ以外の相手としたら、完全に、人としての終わりが訪れる。

 よろよろと、唯一の着衣となったブーツで歩を進める。

 そんな、何もかもから逃げようとしていた。逃げるために逃げようとしていた。止まった瞬間に訪れる、これまで背負ってきた苦労から何から全部を捨てて逃げ出そうとしてしまう己の意思そのものから逃げるために逃げていた。何もかも怖かった。悪意が。人が。

 やがて──

「ええと、その……もしかして、あなたが、探偵さん……?」

 通りがかった鉄格子の牢のあちらで。

 監獄と言うにはあまりにも物に溢れて、可愛らしい少女性に彩られた小部屋と言うべきそこで、勉強机に向かう黒髪の少女がいた。

 綺麗な金色の瞳。

 物静かで、控えめな。いつか優しい王子様に巡り合いそうなひそやかな美貌。

 あの──夢で混ざり合った記憶の中で見た少女。アカネ・アンリエッタ・西さいごう──記憶のそれより僅かに成長した少女が、その手の本を畳んで立ち上がった。

 咄嗟に、アリシアは腰を落とした。心も体も蕩け切っているのに、積み重ねたサイバー・アイキがアリシアにそうさせた。

 拳銃を──構えるか否か。大きく鼻から息を吐く。すると、少女は慌ただしく手を振った。

「えっと、その……ち、違うの。その……えっと、あ、あの……そのっ、服……よろしければ服など必要ではありませんか──って。あの、そう、思って……」

 銀行強盗にそうされるように、硬直気味に両手を上げた少女がチラチラと花柄のカバーをかけられたベッドを見た。

 その枕元に折りたたまれたワイシャツ。

 他に──道具はない。あの、狂ったサイバネ義肢も。何もかも。その狂気すらも。

 少女の補助電脳ニューロギアの駆動電波は、何故かあのサイボーグと一致しない。

 一体、何故──……。

 自分の脳が、正常に稼働し始めているのを感じた。

 あれだけの目に遭って、まだ、探偵を続けようとしていた。

 吐息を一つ。目尻を拭う。

「……あなた、身長いくつ?」

 口を尖らせ──その自分よりも長身な年下の少女に、アリシアは問いかけた。