あとがき
このたびは、本書「私は敵になりません!」をお手に取って下さいましてありがとうございます。作者の佐槻奏多です。
初めて私の作品を読んで下さった皆様、そして何度か文庫本にてお付き合い下さっている方、そしてインターネット上で読んで下さっていた方々には、こちらでお目に書かれてとても嬉しく思っております。
さてこのお話は、インターネット上の『小説家になろう』さんのサイトにて連載させていただいている作品です(この本が出版されている頃も、まだ続いている予定です)。
気持ちの赴くまま、好き放題に書いていた作品だったので、こちらの出版社様の目に留まるという幸運に出会えるとは思いもよらず。連絡を頂いた時は結構びっくりしまして、動悸、息切れが落ち着くまで、五回ぐらいメールを見直したものでした。
紙の本にしていただける喜びを、今日も嚙みしめております。
作品を拾っていただくのは二度目なのですが、女性向けというには少々バイオレンスな方向に足先を突っ込んだ作品だったので、もっと可愛い作品を既に発刊していらっしゃったレーベルさんに、声を掛けていただけるとは思わなかったのです。
そうなんです。最後までお読みになった方はご存じかと思いますが、この話には戦闘シーンがあるといいますか、思いきりお話の中で戦争をしております。
そのためインターネット上でも「残酷な描写あります」と表示しておりました。直接的な描写をあまりしないようにして、かなりマイルドにしているつもりではありますが、どこまでがセーフゾーンかは人によって違いますので、悩みつつ書いております。
実を言うと、本当はもっと可愛いお話を書こうかと思っておりました。
最初の頃は、異世界に転生っていいなぁとか、ゲーム世界にっていうのも面白そうだから自分も書いてみたいと考えて、恋愛主体の話の素案をメモしたりしておりました。
その時は、王宮なんてきらびやかな場所が舞台で……と思っていましたが、どうせならもっと書いたことがないものを、好きに書こうと思ったのが、全ての発端だったのかもしれません。
自分のゲーム遍歴を思い浮かべた末、勢いで戦略系シミュレーションゲームの世界に飛び込んだら、を書こう! なんて決めてしまったものの、今まで挑戦したことがなかった戦争物です。今も書き進めるたびに四苦八苦しておりますが、自業自得としか言いようがありません。
さて、このお話は主人公キアラが、自分が日本で生きていた前世を思い出した上、今生きている世界が、好きだったゲームに似ていることに気付くというものです。しかもゲームの主人公の仲間でもなく、途中で戦う敵キャラ中ボスの位置。そんなのは嫌だ! と人生を変えようとしたら、思いがけずゲームの主人公達の仲間になっちゃった……というお話です。
そんな主人公キアラは、完璧少女ではありません。前世の記憶を持っているというアドバンテージはあるものの、人に誇れるほど器用なわけでもなく、記憶力がすごいというわけでもなく、剣を持たせても戦えない、わりと平凡な女の子です。
おかげで一つ一つ、何とか次の対策を考え、実行していくしかありません。
この一冊でなんとか魔術師にはなりましたが、その魔術も色々と制限があり、気の向くまま使うというわけにもいかなかったりします。
それでも彼女には、いつも気に掛けてくれる王子様や、強いゲームの主人公、護衛をしてくれる騎士、そして死後不思議な物体になってしまった師匠と、支えてくれる人がいます。
時には彼らに反発したり、意見がすれ違うこともありますが、それぞれに必要な時には力を合わせて協力してくれることでしょう。
最終的には、彼女なりの勝利を手にする話にしたいと思っております。
その途上では、キアラの恋愛についても決着がつく予定です。
正直に告白すると、お話を書き始めた当初は、この一巻分のお話とその後のラストしか構想がありませんでした。なにせ好きに書こうと思って始めたので、もし意欲が衰えてしまったら、そこで終わろうかとまで考えていたせいでした。
そんな、やや根性に欠けた作者ですが、現在も書き続けていられるのは、感想や励ましを下さった読者の方々がいたからです。本当にありがとうございます。
今後はインターネット上で応援してくださった方に加え、本を家に連れて帰って読んで下さる方々の存在も想像しながら、自分を「書け、書くんだ!」と叱咤することにしようと思います。
実はこれを書いている現在、まだ作業が残っている状態です。本にするために必要な作業にご尽力いただいております担当編集様、ありがとうございます。
また、この作品を美麗な絵で飾って下さったイラストレーターの藤 未都也様に感謝を。お忙しい中、引き受けて下さってありがとうございます。笑顔の素敵なキアラはもちろん、レジーやアラン達もみんな、とても魅力的に描いて下さって本当に嬉しいです。何より土偶なんて描かせることになってすみません。どうしても師匠がいる風景を絵で見たかったのです。
最後に、この本を出版するにあたりご尽力頂きました主婦と生活社の編集部の方々や校正様、印刷所の方々等、たくさんの方の手を借りて出版させて頂けたことを有り難く感じております。
そして何よりも、この本を選んで下さった皆様に感謝申し上げます。
二○十五年九月吉日 佐槻奏多