「キアラ!」

 ちょうどカインさんが、私を抱え直してくれたところだった。

 声と共に、前方の門が大きく開かれて、雪崩れるように兵士達が飛び出してくる。槍を構えて突進してくる兵士に、アラン配下の騎士達と戦っていた敵兵が、次々と葬られた。

 アラン達と共に、私は吸い込まれるように門の中へと移動していた。

 閉じられた門に、鉄の柵が下りた。

 喧騒が一気に遠ざかり、私は自分が助かったことを知る。

 私の意識を保つのは、そこまでが限界だった。堪えきれずに瞼が閉じる。すっと首の後ろを引かれるように、意識が遠のいていくのを止められない。

 その時、誰かが私の頰に触れた。

「君はバカだ……」

 カインさんから奪うように抱きしめられる感覚。その腕の力と匂いに、私はぼんやりと思う。

 まだレジーは生きてる。

 ほっとしたとたん、私の意識は暗転した。