だがこのままという訳にもいかないので、とりあえずの処置として、このお嬢様の性格と空気を読んで別の方向から攻めることにした。
「それではこうしましょう。私が明日、お嬢様のお兄様であるクレイ・ガルハート様のご病気を救う手段を、特別に、ええ本当に特別に教えますので、お嬢様は私のお手伝いをしてくださいませんか? そのためには今から英気を養い、就寝しないといけません」
「えっ!? あなたがお兄様の病気を治すの?」
「そうです、私はそのためにこの伯爵家に招かれたのです」
興味を持ったらしい伯爵家のご令嬢──未だ名前が分からない──はまじまじとこちらを見据え、不思議な存在を見るかのように顎に手を当て考え始めた。
どうやら、どうみても大人ではないこの十代の頃の俺の姿を見て、本当の事を言っているかどうか考えているらしい。
「分かったわ。では、私に証拠を見せなさい」
「……ん?」
やべ、あまりにも無茶ぶりすぎて素が出た。
まだ子供の頭だからしょうがないのだろうけど、考えた末に出た結論が無茶苦茶すぎる。
病気を治せる証拠を見せるということは、それすなわち今から病気を治す実演をしろという事である。
こちらの立場を考えていない発想は仕方がないとして、そもそもからして実行するのは明日だという俺の意見をまるまる無視した結論だ。
そしてたぶん、このお嬢様は自分が無茶ぶりをしているという事に気づいていない。
「証拠よ、証拠! あなたがお兄様を治せるというのなら、この目で確かめてあげるわ!」
「いやでも、それは明日に……」
「ダメよ! いままで我が伯爵家に来た人間は皆そう言っていたけど、結局お兄様を治せなかったわ! 私に嘘は通じないのよ!」
幼女はフンフンと鼻息荒く小さな手を握りしめ、どうだ参ったかと言わんばかりに俺を威嚇する。
逃がしてくれる気はないらしい。
これは困ったなぁ、どうやって
「うーん」
「さあ、そうと決まればお兄様のところへ行くわよ! 私について来なさい」
「あ、ちょっ……」
幼女は考える暇すらも与えず、懐中電灯を右手に、左手に俺の手を握って駆けだした。
彼女にとってこちらの事情はお構いなしの問答無用らしく、屋敷の中を縦横無尽に進み続ける。
不幸中の幸いな事に、この幼女は普段から親の目を盗んで抜け出す癖がついていたようで、人に見つからず動き回るのには慣れているようだ。
人がいない場所や通路を完全に把握していて、まるで見つかる気配がない。
なんて武闘派のお嬢様なんだよ、幼女のくせに握力も相当なものだ。
さすがに今の俺が子供の体格だとはいえ、【戦士】レベル3の補正を受けているのでパワーで負ける事はないが、それでも子どもとは思えない力で握りしめてくる。
異世界人こえー。
◇
「着いたわ! さあ、今すぐお兄様を治しなさい!」
「う、うーむ」
そして本当に誰にも見つからず、クレイ君の寝室まで到着してしまった。
すごい行動力だなこの子。
将来は最高の暗殺者にも、最強の戦士にも余裕でなれそうな才能を感じる。
しかしここまで来て逃げ出す訳にはいかないというか、逃げ道を完全に塞がれてしまったので、気は進まないが風邪薬でも飲ませる事にする。
たぶんこの幼女は俺が回復魔法を見せても、「今までと変わらないわ!」とか言って納得しなさそうだし、かといってここで無理やり逃げても親に告げ口して一緒にいる事がバレたりすると、俺の首が飛びかねない。
言い聞かせる手段を完全に失ったな……。
「さあ、はやく!」
「分かりました、分かりましたよお嬢様。はぁ……」
俺を逃がさないように扉への進路を塞ぎ、後ろから背中をバシバシと叩く幼女に急かされて風邪薬と天然水を取り出す。
あと、ついでにおにぎりも。
これでクレイ少年が騒ぎ出したらもうどうしようもないが、クレイ少年は俺と同い年くらいで分別がありそうなので、幼女よりはマシだろう。
きっと説得に応じてくれるに違いない。
そう思い、俺は少年を静かに起こす事にした。
◇
俺はクレイ少年を驚かさないよう、そっと体を揺すり目を覚まさせる。
すると、当然体調の優れない彼は元気よく飛び起きるという訳にはいかなかったが、徐々に意識を覚醒させていった。
「お兄様、ご病気を治しに来てさしあげたわよ!」
「……ん、うう。……ミゼット? ミゼットがなぜここに? それと、君は?」
幼女が元気よく兄に語りかけると、クレイは寝室にいるミゼットお嬢さんと俺を交互に見て困惑の表情を浮かべた。
夕方に回復魔法をかけ一時的な処置を施した時には、クレイの容体が悪く寝ていたため、俺の事を覚えていないようだ。
致し方なし。
「どうもクレイ様、私はあなたの祖父であるウィルソン・ガルハート元伯爵に相談され、あなたの治療を施しに来た神官です。本当は明日の昼にでも治療しようと思っていたのですが、その……、ミゼットお嬢様にせかされてしまいまして……」
「なによ! 私のせいだっていうの?」
いきなり治療しますと言っても納得はしてくれないと思ったので、とりあえずミゼットを盾にして無理やり連れてこられた事情を語る。
たぶんこの幼女はいつもおてんばで、誰にも見つからずに寝室まで辿り着く道順を把握している辺り、どうせこうやって、たまに兄の様子を勝手に見に来ているのだろうと考えての発言だ。
もちろんそう頻繁に来る事はないんだろうけど、この幼女なら来たいと思えば実際にやりかねない。
「ああ、そういう事ですか……。また妹が皆さんに迷惑をかけているのですね」
「違うわお兄様、私は迷惑なんてかけてない。これは必要な事なのよ」
「はいはい、今日もミゼットはミゼットらしくて結構だよ」
クレイは諦めたように笑うが、どこか安心したように妹の頭を撫でる。
やはり予想は当たっていたらしく、こうやって強引な手段を取るのも今回が初めてではなかったようだ。
妹を引き合いに出した途端、クレイは俺の説明に納得した。
「まあ、という訳なので、ひとまずお嬢様を納得させるために簡単な治療をさせてもらいますね」
「宜しくお願いします。でも君は僕と同い年くらいに見えるのに、もう回復魔法を使えるんだね。すごいや。さすがはお爺様の連れて来た神官様だ」
どうやら彼は俺が回復魔法を使うのだと思っているようだが、それは違う。
そもそも回復魔法ではウィルス性の病気に対して有効打にならない事は確認済みだしな。
この時代の人たちからしてみれば、そういう知識がないために回復魔法をかけて体力を維持し、自然に病気が治るのを待つしかないのだろうが、俺には地球で買ってきた風邪薬がある。
どの程度異世界の人間に効き目があるかは分からないが、まあ症状を見る限りどうみても風邪なので薬飲んで寝てればすぐに治るだろう。
ついでなので、食欲が無くあまり食べていない弱った体に対し、おにぎりを食べさせる。
「これをどうぞ」
「……これは?」
「私の持つ携帯食料と、秘伝の薬です。神官である私が診たところ、クレイ様のご病気には回復魔法があまり有効的ではないようなのです。なので今回は別の方向から治療する事にしました」
「ああ、錬金術師たちが持つ回復薬みたいなものですか」
「その通りです」
全然違うが、詳しい内容を説明してもこの世界の人には分からないと思うので、とりあえずクレイが風邪薬をポーションか何かの親戚だと思っている勘違いを利用する。
俺は訳知り顔で頷くと、彼にビニールを剝いたおにぎりと天然水、そして風邪薬を手渡した。
「わぁ、美味しい! こ、こんな料理は初めて食べたよ!」
「それは良かった」
「え? そんなに美味しいの? ねぇ、ねぇ」
どうやらコンビニで買ったツナマヨ(税込み120円)は異世界人の口に合ったらしく、喜色満面になりながらクレイはおにぎりを完食する。
そういえば俺はまだこちらに来てこの屋敷の食事を一度しか経験していないが、確かに食事の質はおにぎりに軍配が上がるように思う。
ただそこまで驚く程かというとそうでもないのだが、はて?
まあ、なにはともあれ美味しいなら良かった。
ちなみに兄の様子を見てミゼットが俺に熱い視線を送るが、無視。
美味しそうに食べる兄の様子を、指をくわえて見ているがいい。
これは俺に無茶苦茶な要求を突き付けた、幼女への復讐である。
……我ながらなんとも器が小さいことこの上ないな。
「なんだが体がポカポカしてきたよ」
「それは良かった。それでは、こちらの薬を水と一緒に流し込んでください」
「うん」
「ねぇ、わたしのは?」
だんだんと視線がキツくなり、次第に足を踏みつけてくるミゼットをスルーし、俺はクレイに薬を飲ませる。
しかし体がポカポカとはなんだろうか。
もちろん食べた事により新陳代謝が一時的に上がっている、とかなら分かるが、コンビニのおにぎりを食べたくらいで急に暖かくなったりはしないだろう。
解せぬ。
そして指示通り薬を飲み終えたクレイは、突然呆けたような表情をした。
「……えっ? ……す、すごい」
「どうしたのお兄様?」
「すごいよミゼット、体が軽いんだ! 喉も痛くないし、咳も出そうにない! 病気が治った!」
はぁ!?
そんな訳ねーだろ!
そ、そんな馬鹿な事があるわけ……!
いくら地球の風邪薬が優秀だからって、病気を秒殺できる訳がない。
薬ってそういう原理で動いてないからね、魔法とか言うファンタジーの不思議パワーと一緒にしてもらっては困るからね。
しかしいきなり元気になったクレイを訝しんだ俺は、とっさに彼の額に手を当てて熱を測った。
「マジで熱が下がってる……」
「え、うそ!? あなた私を騙そうとしているんじゃないでしょうね! もし嘘だったら牢獄行きよ、牢獄行き!」
俺に言うなよ。
本当に熱がないんだから仕方ないだろう。
パニックになる俺だが、結果は結果だ。
いったい何が起こったんだ?
「こらミゼット! 僕のために貴重な回復薬を出してくれた神官様に、なんて口の利き方をするんだ! 僕が治ったのはこの人のおかげなんだよ?」
「でもお兄様、もしこいつが嘘をついてたら……」
「どう嘘をつけるというんだい? 僕の病気が治ったのは僕が分かっているのに、騙す方法なんてあるのかな?」
「……うーん、確かに」
どうやらミゼットは兄のクレイの言うことは信用するらしく、突然元気を取り戻した兄を見て考えを改めたらしい。
だが不審に思う気持ちは分かる。
特に魔法を使ったわけでもないのに、先ほどまで苦しそうにしていた兄が急に元気になったのだ。
俺がミゼットの立場だったら、絶対に信用しない。
というか、マジでどうなってるんだ。
「まあいいわ! こいつが怪しくても、お兄様が元気になったのは事実よ! 私お母さまとお父様に知らせてくる!」
え!?
いや、それはまずいって!
兄のクレイは子供で大人しい性格だから説得できたけど、彼の父や祖父がこの状況をどう判断するかは分からない。
なにせ明日の昼に治療を行うと言ってしまったし、そう言っていた人間がこんなところでこそこそと何やってやがるとか思うだろうし、なによりお嬢様が告げ口すると部屋にいなかった事がバレる。
なんとしても止めなければ。
「え、いや待ってくださいお嬢様」
「お母様ぁああー! お父様さまぁああー! お兄様の病気が治ったぁあー!!!」
止めようとするが、俺の制止を振り切り……、というか最初から耳に入れず爆走していく幼女。
声をかけようとした時には既に遥か先まで走り去っていた。
しかも大声を出して。
あ、終わった。
走り去っていったミゼットを成す術なく見送り、俺は放心する。
これは詰んだな。
さて、戦闘不能になった後はどこでニューゲームを始めようか。
できれば俺を町の処刑場とかで殺してくれると、深夜にこっそりと復活してすぐ逃げ出せるんだが。
今後の作戦を考え練っていると、クレイ少年から声がかかった。
「すみません神官様、ミゼットはいつもああなんです……」
「いえ、お気になさらず。やってしまった事はどうにもできませんし、しょうがありません。それと私の事はサイトウか、もしくはケンジとお呼びください」
「ははは、変わった名前ですね」
この惑星の人からすると変わった名前らしい。
しかし本当になぜ急に元気になったんだろう。
そういえば彼はおにぎりを食べた時にも体がポカポカすると言っていたが……。
チラリとクレイを覗き見ると、病気が治っただけでなく栄養不足でこけていた頬にも、若干のふくらみが感じられる。
まさか……。
いや、まさかな……。
「それにしても、ずいぶんと顔色が良くなりましたね」
「そうなんですよ。なんだか体中に力がみなぎる感じがして、病気になる前よりも調子がいいくらいなんです。ケンジさん、本当にありがとうございます」
うん、ここまでくれば流石に俺でも分かる。
病気になる前よりも調子がいいとか言っている時点で、だいたい察した。
たぶんこれ、おにぎりが原因だ。
それもおにぎりだけじゃなくて、薬もそうだし、水もそうだろう。
たぶんだが、異世界人にとって地球産の食料はなんらかの要因で、魔法的な効果があるドーピングアイテムになっているのだ。
そうでなければ説明がつかない。
風邪薬は病気への特効薬で、おにぎりは瞬間的な体力回復の効果が付与されている。
なぜそうなったのかは分からないが、異世界人にはそういった反応があるというのは事実のようだ。
「ケンジと呼び捨てにしていただいて結構ですよ、クレイ様」
「そうかな? じゃあ、ケンジも僕の事を呼び捨てにしてよ。その方が僕は嬉しいかな」
いや、こちら側が呼び捨てにする訳にはいかないだろ。
表向きギルド長は俺を孫として庇護下にいれるみたいな事を言っていたが、それを
表向きにはそういう事にしておいて、実際には使用人とかになるんじゃないかと思っている。
まあそれもこれも、この後生き残れたらの話なんだけどね。
俺がクレイの提案を苦笑いで受け流しながら、その後もちまちまと伯爵家の事や貴族社会の事なんかを聞いていると、廊下からドタバタと複数の足音が近づいてきた。
ミゼットが両親を連れてきたらしい。
「クレイ! クレイはどこだ!? 病気が治ったと聞いたが本当か!」
「本当ですよ父さん。もうどこにも不調はありません、むしろ身体に力が満ちるようです」
現れたガレリア・ガルハート伯爵が部屋に魔法で光を灯し、元気になったクレイに詰め寄る。
そこに伯爵夫人やミゼット、そして幾名かの使用人も続きてんやわんやとなった。
俺はテンションが振り切れている彼らの眼中にないのか、完全に
ここでいきなり、「こやつ、こんな所で何をしていた!」とか言って攻撃されても困るので、これはこれでありがたい。
たぶんあの幼女の事だから誰が病気を治療したとか言わずに、兄が元気になった事実しか伝えていないだろうからな。
「ああ、クレイ、私の可愛いクレイ。ミゼットから元気になったと聞いたわ、……本当に良かった」
「大げさですよ母さん。ただ少し、苦しむ期間が長かっただけです。心配には及びません」
伯爵夫人は元気になった息子に涙し、父親である伯爵もつられて目頭を熱くする。
うんうん、まあ元気になったという点については本当に良かったと思うよ。
半ば幼女に無理やりやらされたが、結果的には治療して良かった。
その後、俺がどうなるかは分からないけどな。
「しかしクレイ、どうして急に具合が良くなったんだ? ミゼットから詳しい話を聞こうにも、この子の言っている事は要領を得ないのだ……」
「お父様、私は嘘は言っていないわ! そこにいる変なやつがお兄様を治したのよ! なんか変な回復薬とか渡してたわ」
「……むっ?」
こちらに気づき振り向く伯爵、そして風前の灯火となるキャラの命。
このまま気づかないでくれるかなとか思ってたけど、どうやらお嬢様は俺を見逃す気が無いらしい。
使用人たちも隅で空気になっていた俺に気づき、伯爵を守るためにこちらを囲い込んだ。
ミゼットに悪気は一切ないのだろうけど、もうちょっとこう、変なやつが変な事したみたいな言い方じゃなくて、ちゃんと治療した空気をにじませてほしい。
言い方でだいぶ印象が変わると思うんだよね。
「ど、どうも伯爵、夕方はお世話になりました」
「なぜ君がここにいる?」
当然の質問だ。
だがそう言われても困る。
だってここにいるのは完全に不可抗力だし。
「いや、それはミゼットお嬢様に……」
「そうよお父様! こいつがお兄様の治療をできるっていうから、本当かどうか確かめるために部屋まで連行してきたの! 私がこいつを見つけて問い詰めたのよ? どう、すごいでしょ? ふふん」
ふふん、って……。
さりげなく全ての手柄を自分のものにしようとしている。
なんて幼女だ、これが貴族の血というやつだろうか。
そして褒めて褒めてと胸を張るミゼットを余所に、伯爵や伯爵夫人、使用人たちの雰囲気は穏やかなものになっていく。
どうやら今のミゼットの証言で、俺が不可抗力でここに連れてこられた事を認識したようだ。
ナイスだ幼女!
めちゃくちゃ迷惑な事をするけど、めちゃくちゃ有能!
「はぁ~…………、そういう事か……。すまないね君、娘は元気が良いのが取り柄なのだが、よく元気が良すぎて暴走するのだ……。どうか許してやってほしい」
伯爵はそう言った後パンパンと手を叩き、使用人たちを下がらせる。
誤解は完全に解けたらしい。
良かった、これでキャラの修復のためにログアウトせずに済む。
しばらくはこっちで隠居してレベル上げをする予定だったから。あまり式神の追跡に引っかかる日本には戻りたくなかったのだ。
未だ褒めてくれと言わんばかりのミゼットを優しく抱きしめた伯爵は、続けてこう言う。
「いくら父ウィルソンの紹介とはいえ、最初は本当にこんな子供が息子の病を治療できるものかと半信半疑だったが、それは私の目が節穴であっただけのようだ。……息子を助けてくれてありがとう、感謝する。もし何か報酬に希望があれば、なんなりと言い給え。できる限り希望を叶えよう」
そういって伯爵は感謝を述べ、報酬を約束してくれた。
……といっても、特に要望はないんだよね。
うーん、そうだなぁ。
俺が悩んでいると、父親に撫でられてご満悦のミゼットと視線が合った。
あ、やべ。
嫌な予感しかしない。
「お父様に願いを叶えてもらえるというのに、何も要望が無いのね。ふふん、気に入ったわあなた!」
「いや、あの」
ちょっとまて。
「お父様、私こいつが欲しいわ! お兄様を治療した報酬に私の専属にしてほしいの!」
「ふむ……。いや、ふむ。なるほど……」
「ふふふ、それは面白そうねミゼットちゃん。良い考えだわ」
それは俺の報酬じゃなくて、この幼女の報酬ではなかろうか?
そんな事を思うが、意外と乗り気になっている伯爵夫妻の前で無粋な事は言えず、事の成り行きを見守るのであった。