◇
…………。
………………。
………………、……!?
「はっ!? 俺は一体なにを!?」
目が覚めた。
目が覚めるとそこはいつもの自宅で、俺の片手には『異世界創造のすゝめ』を起動中のスマホが握られている。
あれ?
今確か、異世界に行っていたような……。
そこまで考えた俺は先ほどの夢で見たワイバーンのアギトを思い出し、全身に緊張から汗をにじませる。
「い、嫌な夢を見たものだな……。というか、何がどうなってる?」
するとスマホがブルブルと振動した。
とりあえず夢は夢ということで置いておき、ゲーム画面を確認する。
【キャラクターが戦闘不能になったため、ストーリーモードが解除されました。現在キャラクターを修復しています。損傷の修復完了まで、残り1時間】
……なるほどね。
うん、なるほど。
どうやら先ほどまでの出来事は、やはり夢ではなく現実だったらしい。
実際に俺のキャラは頭をワイバーンに食われ、戦闘不能に陥った。
そしてそれを判断したアプリが【ストーリーモード】を解除し、現在は頭部を修復中と。
「……って、納得できるかぁ!?」
という事はあれか?
俺のキャラって不死身なのか!?
いや、論点はそこじゃない、冷静になれ。
まず現実にこんな事が起こりうるのか?
異世界だぞ?
いや、起こりうるのだろう、だって今まさに体験した訳だし。
だが理性では分かっていても、動揺はする。
訳が分からない。
とはいえ、現実は現実だ。
何度も深呼吸をし、気持ちを整える。
よし、クールだ、クールになれ。
うん、クールになった。
オレ、イマ、レイセイ。
「それにしても異世界か、とんでもない体験をしちまったもんだな」
しばらくして少しだけ落ち着いたので、改めてゲーム画面を見る。
画面にはキャラが戦闘不能になった地点で、唐突に消えたキャラの肉体を探しキョロキョロと探そうとするワイバーンの姿が見える。
さきほどまでは恐ろしい存在だったが、こうして見るとただの野生動物だな。
なんか愛着出てきた。
だがレベル2かぁ……、あっさり退場したものだ。
自分の創造した世界とはいえ、異世界がどれだけ危険なのかというのをまだ認識できていなかったらしい。
俺の作った人間たちはよくこんな化け物が
そんな事を思いながら適当にポチポチと画面を操作していると、ふと先ほど収納したホーンラビットの死体の事が気になった。
そういえば次元収納をしたままだったが、あいつはどうなったのだろうか。
あれはキャラの能力ではなくアプリの能力で収納した訳だから、もしかしたら失われずに残ってるのかもしれない。
そこまで考えた俺は再び【ストーリーモード】のキャラクター画面を確認する。
するとそこには予想通り戦利品が格納されいた。
【ストーリーモードで獲得した戦利品があります、取り出しますか?】
ホーンラビットの死体×1
石ころ×1
「……え? 取り出せるの?」
なんか、取り出せるらしい。