週に1回、15分間の内省タイムを持つ



内省タイムが行動改善につながる


「5%社員」は内省が必要だと言っています。生活の中に、他人と交わらない1人だけの時間を作って、自分の行動や世の中のできごとを振り返るのです。頭の中だけではなく、ノートなどに書き出す「5%社員」が多かったです。

 こうすることで、「自分はなぜこういう判断をして、なぜこの結果を招いたのだろう。次はどうすればいいんだろう」と客観的に検証ができます。

「5%社員」は成功しても内省をします。単に成功した、失敗した、で終わっていては何も教訓が得られないので、いつまでたっても自信が持てません。

「5%社員」は内省によって、自分なりの判断基準や、「こういう考え方でいいんだ」という自信を作り出しているのです。この「内省」を定期的に繰り返していけば、自分なりの価値観、判断軸ができて、意見を主張できるようになります。



オフサイト+内省


 内省を習慣化できれば、自らの経験を振り返り続けることにつながり、新しい発想に至る可能性があります。それまで気づかなかった仕事の進め方やコツをつかむことで、仕事の改善や効率化が行われます。

 また、組織単位の行動をメンバー全員で内省する会社もあります。この流通企業は、四半期に一度、オフサイトという合宿形式の内省の場を作り、直近の3か月の振り返りを全メンバーで行い、次の3か月に活かす機会を作っています。

 実際にこの「オフサイト+内省」を取り入れたことで、全体の業務改善が図れて1人当たりの作業時間は9%減りました。またオフサイトに参加したメンバー同士の仲間意識が高まり、心理的安全性も確保できました。この会社はその後リモートワーク制度を取り入れ、問題なくビジネスを成長させています。



週にたった15分の内省で世界が変わる


「5%社員」は、自分の行動を振り返る習慣を持っています。少なくとも2週間に1回は自分の仕事内容とその結果を内省しており、95%の一般社員よりも9倍以上の頻度で振り返る時間を設けていました。

 その振り返り時間は15分程度で、そこから得た反省と学びを次からの行動に活かそうとしているのです。特に、社内会議や資料作成、メール処理といった時間を奪う3大作業は、振り返らないとそれが成功かどうかがわからないものです。なぜ失敗したのか、その発生原因は何か、どうすれば最短距離で成果を残せるようになるか、ということを考えながら行動を修正していかないと改善していきません。



16万人が内省し、労働時間が8%減った


 ハイパフォーマーが実践している振り返り時間を、「内省タイム」としてクライアント2816万人に浸透させました。1週間に15分だけ「内省タイム」を作り、その時間は会議を入れず、作業を止めるのです。この時間はコーヒーを飲んでもタバコを吸っても構いません。でも、しっかり自分の仕事を強制的に振り返らせるのです。

 最初は抵抗する社員もいましたが、2度、3度と続けていくと、「あれは意外と良かった」という感想が出てきます。

 これは、行動変容のサインです。何かしら試してみたら思っていた以上に良かったのでしょう。この感覚を大切にすれば、改善行動を定着させていくことができます。

 実際に、この振り返りによる修正で、会議と資料作成の時間は減りました。振り返ったら成果の出ない会議や、必要以上に凝った資料を作ることが減っていったのです。2か月実施したところ、平均で8%以上の労働時間が減りました。



1on1で内省を促す


 クライアント企業6社で上司・部下の定例ミーティングである「1on1(1対1)」を実施しています。これは、業務の進捗確認や日頃の悩みを聞くプライベート会議で、2~4週間に1回程度の頻度で行うものです。この1on1では、上司が部下の本心を聞き出すことが極めて重要です。

 そのために管理職の人に伝えているのは「自分が腹を割らないと、相手も腹を割らない」ということです。

 一方的に聞くのではなく、自分の本心をまず率直に伝えて部下との距離感を縮めてから、聞き出すのです。聞く時の姿勢も重要です。眉間にしわを寄せて腕を組んでいたら、相手は話しかけづらくなります。特に年配の男性社員は、普通の表情が他の人にとっては怒っているように見えてしまうのです。怒っていると捉えられると、気軽に相談もできないですし、会議では発言しにくくなります。



1on1でPDCAサイクルを回す


 目標に対する進捗報告をしてもらうことで、上司は状況を把握し、部下へ具体的なアドバイスができます。その時に重要になるのがPDCAサイクルを回すことです。Plan(計画)・Do(成果)・Check(振り返り)・Action(改善行動)という流れを作ることで、部下の仕事の精度は上がります。

 部下がPDCAサイクルを回せるよう、アドバイスという名のヒントを与えるのが上司の仕事であり、週報はその手助けとなってくれます。


 1on1での定期的な振り返りで「なんでこの結果になったのか? 理由は何だろう? 次回はもっとこうすればいいのではないか?」と部下は自問をします。

 すると、何度も同じような原因が登場することに気づきます。

 そしていつの間にか、「あっ、これだな……」とすぐに原因に辿り着くことができるようになります。このように結果分析を続けていけば、いずれ自分で問題点がわかるようになってくるのです。こうして、部下自身が「考える癖」がつき課題解決ができるようになります。