フィードバック・コミュニティを持つ



思考停止を避ける仕組み作り


「5%社員」が恐れているのは、何も考えずに言われたことだけやること、つまり思考停止することです。例えば、大企業に勤め、社内ルールの中で仕事をしていると、社会の常識がわからなくなってしまう、というようなことです。

「5%社員」はあくまでも社内と社外の価値を上げることを目標にしていますから、決して社内の大きなルールに完全に束縛されることなく、世の中の動きを敏感に感じ取ってそれに合わせて自分の考えや行動を変えることが正しいと思っています。

 外の目を持つという意味では、自らが外の世界に出ていて情報を吸収することももちろん必要です。同時に、外の目を持った人から意見を聞くというのも効果的です。

 このように社内の限られたエリアに目を向けるのではなく、社外の刺激を取り入れて思考停止を防ごうとしています。



人脈作りのために時間を作る


 人は行動するときに、「きっかけ」「動機付け」「能力」の3つの要素が組み合わさらないと行動をしません。

「5%社員」は行動しないで、気づいたら茹で蛙になっていることを最も嫌います。ですから彼らは社会で、きっかけと動機付けを探しているわけです。能力というのは頭の良さや能力だけでなく、時間も含まれます。社外の情報収集や人脈によってきっかけや動機付けをつかみ、そして社内では目的思考で徹底的に無駄を取り去り時間を確保して、行動を起こせるようにしています。



社外にリアル人脈を作る


 会社で働くにしても、副業(複業)するにしても、協力者・賛同者が必要なケースが増えています。実際、私も起業直後に、過去に仕事をしたことのある方や、セミナーや勉強会、講演を通じて共鳴した人、信頼のある知人からの紹介で仕事を受け、順調なスタートが切れました。

 こういった人脈は、決してTwitterのフォロワー数や、facebookの友達数、交換した名刺の数で表現されるものではなく、実際に腹を割って話ができ、同じ思いを持って何かを実現しようとする心のつながりから築かれます。

 階層や上下関係はなく、フラットに相談することができ、ビジョンや意識が合った時に、損得を考えずに協力し合える相互補完コミュニティです。

 実際に一緒に仕事ができ、「達成感」を共に味わうことができると、そのつながりは強固なものとなります。そういった人とのつながりを能動的に持つことにより、退職や起業という転機においても支え合う仲になるでしょう。

 特に定年退職後は、孤立化というリスクが付きまといますので、「60歳を過ぎたらどれくらいの人と関わりを持ち続けることができるか」ということを目標にして人脈を築くのも良いでしょう。


 では実際にどのように人脈を構築すべきか、以下の5つのステップに分けて説明します。

 新しい人に会う

 何かを提供する

 信頼を高める

 仕事で関わりをもつ

 人を紹介してもらう


 人脈を広げるためには、まず「新しい人と会う」機会を作りましょう。なるべく異なるバックグラウンドを持つ人とつながってください。

 異業種や変わった経歴を持つ人とつながれば、その人脈は後に大きく拡がります。どうしても、同業種の人や共通の知り合いがいる人とつながるほうが精神的な抵抗が少なく楽なのですが、狭い世界でのつながりだけだと考えが固定的になり情報も限定的ですから、イノベーション(新結合)が起きにくいのです。

 そのために、勉強会やセミナーに足を運んで、勇気を出して人とのつながりを作ってください。例えば、将来フリーランスと会社員を両立したいと考えているのでしたら、フリーランスの成功者の講演を聞きにいくのです。その講演会には同じ思いをもつ人が多いでしょうから、講演者ではなく参加者にも積極的に話しかけてみるのです。

 次に、つながった人に「何かを提供」しましょう。相手の課題や悩みを聞き出せたら、見返りを求めずに少しでもサポートできることを申し出るのです。この段階では十分な関係性が構築できていませんから深入りせずあまり時間を費やしてはいけません。ちょっとした情報提供や知見の共有をして、少しでも関係性を深めましょう。

 日本人は返報性の意識が強いので、何かサポートしてもらったら、お返しをしたいという観念が湧いてきます。デパ地下の試食コーナーはその返報性をうまく利用した販促です。

 そういった無償の支援により、あなたへの「信頼」を高めます。面会やSNSを通じて接点を持ち続けることで、親近感と共に信頼が高まります。SNSなどを通じて有効な情報を出すことによる権威づけをするのも良いでしょう。

 信頼が高まると、「仕事」で関わりを持つことができます。一緒に仕事をすることにより、お互いの能力を確認しあうことができ、達成感を共有することができますので、さらに関係性が深まります。

 一緒に仕事ができるくらいの関係性になったら、その人の推奨する知人に会っていきましょう。人が人を「紹介」することで、人脈を効率的に広げることができます。もちろん、あなたも良質な人脈を共有していかないといけません。



感情を共有する組織作り


 社内の人脈づくりを加速させるべく、人事制度とITを使いこなしているクライアント企業があります。その制度とは、「サンクスカード(感謝メッセージ)」制度です。

 自身の職務範囲を越えて自発的にサポートしてくれた際に、サポートを受けた人がサポートしてくれた人に「サンクスカード」を送れるITツールです。

 このメッセージは本人だけでなく、その直属上司にも届くので、社内で感謝されていることが伝わります。このサンクスカードは受け取る枚数が増えると表彰の対象になり、また360度評価の際にも参照されます。こういった認め合う仕組みがあると、困っている人を率先して助けてあげる企業文化が根付きます。

 さらに、「チャレンジコイン」制度をとっている企業もあります。これは、会社と働く個人の成長のために、勇気をもって新たな挑戦をしたら、その行動の賛同者からおもちゃコインがもらえる制度です。社員は1年に30枚のコインが支給され、自分の所属する部門以外の人が新たな挑戦をしていたらコインをあげることができます。こういった接点の中から、自分に対して真摯にフィードバックしてくれる仲間を増やしていきましょう。