メンターへのアウトプット習慣
メンターとコーチング+アウトプット
言葉の力が心に及ぼす影響は大きいといわれています。
ストレスを感じている時や悩んだときの言葉の力は絶大です。私自身、悩み苦しむ時がたくさんありました。そんな状況も回数を重ねるごとに過度な不安を避けられるようになったものの、解決できない課題はたくさんあります。
そんな時に励ましやアドバイスをくれたのがメンターです。
このメンターというのは、上司ではなく、ざっくばらんに相談できる先輩のような存在です。私には5人のメンターがいます。謝罪に走り回っていた時も、そういったメンターたちに何度も助けられました。
ただ単に不平や不満をいうのではなく、自分がとった行動や自分が今考えていることを客観的に見つめ、忖度のないアドバイスをくれるのです。自分が思ってもなかったようなアイデアや、ちょっとしたことを評価してもらえたりすると、自分自身を客観的に見ることができ、左脳を使って自分を落ち着かせることができるのです。海外にも2人のメンターがおり、Skypeを使って定期的に話を聞いてもらったり、出張先で時間を作って相談してもらったりしています。そして、話を聞いてもらい共感してもらうことでストレスや怖さがなくなっていきました。
もちろん、上司からは絶対的なサポートを受けていましたが、なかなかストレートに伝えづらいこともあり、このようにメンターに相談することで自分をうまく解放して自分の余裕のなかった心にゆとりを与えてもらっていました。
メンターに求めるのは、ティーチングではなくてコーチングです。
単に答えを教えてもらうのではなく、答えの出し方を指導してもらうのです。ですから自分が何か課題や質問内容を持ってメンターと接しないといけません。メンターが一方的に何かを提示してくれることはないからです。それをメンターに強制するのは失礼です。
では何を用意していけばいいかというと、インプットで学んだ知見や経験を言葉に出すアウトプットです。
「5%社員」の約7割が社内外にメンターを持っています。彼らにヒアリングしたところ、メンターとの時間の前にはしっかりと何を話すかを決めて臨んでいます。自分の時間を大切にする「5%社員」は、尊敬するメンターの時間を奪わないようにしっかりと配慮しているわけです。
どういった学びや知見を持っていくかというと、インプットで得られた情報をもとにそこから何が起きるか、なぜそのようなことが起きたのかという考察や仮説をメンターにアウトプットし、そのフィードバックを得るようにしています。
このコーチングでは、各要素である情報を点で捉えると、点と点を結んで線にして、今後何が起きるかということを予測させる能力を鍛えます。
また点と点を線で結び、その線を増やして面にしたときにどのような未来が待っているのか、それに向けて今自分が何をすべきかを止まって考えるのです。
自分でインプットして学んだことをまずは言葉に出します。そしてそのアウトプットが論理的であるか、そして相手に伝わるかどうかをメンターからフィードバックを受けます。
基本的に、メンターは評価に関係がある人ではありませんから、腹を割って何でも話すことができます。気を遣って萎縮しながら言葉を選ぶのではなく、自分がインプットで学んだことをストレートに、そして素直にメンターにぶつけてみてください。
メンターは客観的で的を射たフィードバックをしてくれるでしょうから、それを参考に本来目指すアウトプットに活かしていくのです。
ただ、あくまでもメンターは神様ではありませんので、全てを参考にすることはなく、まず自分で受け止めて、自分の価値観でそれを本番のアウトプットに再評価するかどうかを決めてください。
この「自分で決める」、そして「自分で選ぶ」という行為が自発的に行動する源泉であり、自分の幸福度を高める方法でもあります。この方法を教えるのがティーチングではなくコーチングなわけです。自分が必要だと思うことを自分で見つけ出し、自分の判断でやってみることが内発的動機になり、自分のやる気スイッチにつながるわけです。メンターはこのやる気スイッチ探しと、やる気スイッチの押し方を教えてくれるのです。
利害関係がないメンターといえども、相手も貴重な時間をあなたのために割いているわけですから、本番でアウトプットした後の結果は必ず共有してください。
そして、そのアウトプットが成功しメンターのアドバイスが役立ったのであれば、必ず相手に感謝を伝えてください。ここでもなあなあの関係でいくのではなく、信頼し合える、感謝し合える関係性を維持することで、メンターもメンティーも成長していくのです。
メンターの探し方
メンターを探しているのなら、まずは社内で、メンターになってほしいと思う人にお願いしてみてはどうでしょうか。同じ会社のメンバーなら「話を聞かせてほしい」「ランチをとりながら相談に乗ってほしい」と言われて嫌がる人は意外と少ないはずです。
また、正式なメンターではなくても仕事のロールモデル・師匠としてのマスターメンターを決め、じっくり観察して真似することが成長への近道になります。
通常メンターは、自分より人生経験の豊富な年上を選ぶのですが、全く異なる環境で生活し視点が異なるという点で、あえて若手をメンター(リバースメンター)にすることもあります。
20代、30代は流行に敏感で、新しい情報が入って来やすい環境にありますから、違う視点で相談に応じてくれることがあります。若い人のほうが市場環境の変化を敏感に感じ取るでしょうから、情報収集手段としても役立ちます。私が大学で授業を行っているのは、そういった若者から刺激をもらうためでもあります。
刻々と変化する状況に対応するためにも、「我慢する」から「感情やストレス、それによるリスクをコントロールしていく」という考え方にスイッチしていったほうがいいです。
その意味で、普段から抱えている感情をいったん吐き出し、今後向かうべきことについて建設的な話ができるメンターとの関わりはとても有効です。