仕事を振り返る時間を取っている


「5%社員」は、「振り返りの時間」をとっています。

 社内のエースである彼らの元には多くの仕事や相談がやってきます。働き方改革が進むと、彼らのような活躍している社員に仕事が集中してしまう企業もあります。その多忙なスケジュールの中で、彼らは2週間に一度は止まって考える時間をとっていました。

 5%社員は、そうでない社員よりも、振り返りの時間をとる人が8倍もいるのです。

 5%社員の中で振り返りの時間を取っている人は48%、95%の一般社員の中で振り返りの時間を取っている人は6%しかいませんでした。

 なぜ忙しいのか、何かやめるべきことはないか、何に無駄な時間を費やしてしまったのか、などの内なる反省(=内省)を定期的に行い、その気づきや学びを次の行動に活かしているのです。振り返る時間はほんの15分程度、長くても30分程度です。

 金曜夕方や、水曜朝、通勤時間や出張の移動中に振り返っているのです。学びや反省をもとに、同じ間違いをしないように行動を変えていけば、おのずと成果が改善していき、自分のモチベーションも他者からの評価も高まるのです。



セルフPDCAを実践する


 過ぎ去った時間を振り返れば、良かった点を評価し、そこからどんな結果が生まれてきたかを明らかにすることができます。また、同じ過ちを避けるために、過去の事象から学びとることができます。

 私は前職のマイクロソフトで最高品質責任者を務め、500件以上の謝罪訪問をしました。この苦しい時に学んだのは、内省という「自分で振り返る時間を持つことの大切さ」です。飛行機で10時間かけて米国シアトルの本社に向かう時は、たいてい大きな課題を抱えて大きなプレッシャーを感じながら、きたるべき本社との交渉に向けていっぱいいっぱいでした。ただシアトルから日本に帰国する便では問題が解決しており、帰りは落ち着いた気分で搭乗することが多かったです。それは逆にトラブルが解決しないと帰国できなかったからでもありますが、帰りの日本に向かう便の中が私はとても充実して幸せな気分でした。

 精神的にも落ち着いていましたから、対応した問題の解決方法、顧客の声や厳しい指摘などをリラックスした気持ちで振り返る時間を持つことができました。

 この帰りの時間は、時差ボケに弱い私にとって、寝てはいけない時間でもあったので、たっぷりとスターバックスのコーヒーを飲んで本を読んだり、サッカーの録画番組などを見たりしてリラックスしていました。そして必ず一連の問題解決のプロセスを振り返っていました。

 この内省タイムは必ずメモを取り、次の行動に活かしていました。

「5%社員」も同じように、自分の創意工夫によって目的を達成し、それが承認されています。

 ですから、自分の活動が達成されたのかどうかを確認するためにこの内省が必要なのです。

 他人からの承認ではなく、自分の価値観で自分を承認するのです。二度と同じ間違いをしないように振り返って反省し、次の行動に活かしていました。「5%社員」は臆病です。だからこそ、しっかり「失敗しない対策」をします。

 ヒアリングをしたときに、「なぜ他の社員は振り返っていないのか」と聞かれたほどです。

 会社から、もしくは上司から指示されたのではなく、自身が成長するために必要だと感じ、率先してセルフPDCAを実践していたのです。


 時間の使い方、人との付き合い方、アイディアの発想の仕方……こうしたところに、「5%社員」の特徴は表れています。そのどれもが、決して特別なことではありません。少し行動を変えることを意識すれば、できないことはない、いたってシンプルなことなのです。