金曜の夜に幸せを感じる「5%社員」
クライアント企業の社員総計16万人に対して実施したアンケートで、「幸せを感じるのはいつですか?」と聞くと、一般社員の57%は「土曜日の朝」と答えていました。
この57%の一般社員は、「目の前の作業に追われて、あっと間に日々が過ぎていく」と感じており、徒労感にさいなまれていました。「5%社員」に比べると労働時間が長く、それが上司からの評価につながらないことも多く、稼働日は疲労感を持っています。
その状態で、土日の休日に入りますので、十分に睡眠をとれれば幸せを感じます。
平日とは違い、目覚まし時計のアラームをセットしないで済む「土曜の朝」に幸せを感じる一般社員が多いようです。
一方、トップ「5%社員」の回答を分析してみると、最も幸せを感じていたのは「金曜日の夜」でした。ストレスいっぱいの仕事から解放されて、休日が訪れる前の日はワクワクするものです。
しかし、「5%社員」が感じていたのは解放感ではなく達成感であることが追加ヒアリングによって判明しました。
彼らの62%が達成感をもったときに働きがいを感じています。仕事から解放される喜びではなく、達成と成長を目指し、それを感じられた時に幸せを感じているのです。
思うように成果が出せずに徒労感と疲労感をもつ一般社員は、それから解放された「土曜の朝」に幸せを感じ、「5%社員」はしっかりと目標を立ててそれを達成した「金曜の夜」に幸せを感じるのが特徴であることがわかりました。
目標があるから達成がある
「5%社員」に追加ヒアリングをすると、個々人が持つビジョンや方針が明確でした。
「同じミスを二度としない」「昨日の自分よりも今日の自分が成長していたい」というコメントが多く出てきました。
つまり彼らは、改善と成長を目指しており、それに向けて仕事をしているという感覚を持っているのです。仕事をすること自体が目的ではなく、その仕事によって生まれた成果を重視しています。ですから作業が終わった瞬間ではなく、その作業が成果になったときに目標に到達し、達成感を得るというメカニズムです。
このことを組織全体に浸透させるのであれば、自己実現という堅苦しい言葉を使うのではなく、シンプルに目的思考を徹底するのが効果的です。
その作業は何のためにやっているのか、何をもって成功とするのか。この2つの質問を問い続けてみてください。
クライアント企業8社でやった行動実験では、目的を明確にして作業したグループAと、目的を不明瞭にしたまま作業をスタートしたBでは、明らかに差が出ました。
実験をした4社とも目的を明確にしたグループAのほうが、作業時間が12%短く、アウトプットの質は高かったのです。
「5%社員」が目指すのは自己実現
さらに堀り下げると、目指している欲求レベルが違うこともわかりました。
アメリカの心理学者マズローの有名な学説では、欲求レベルは5段階あり、次の図のように下から順に欲求レベルが上がっていきます。