16万人の働き方を見てきたなかで、評価されない人の共通点があります。

 徹夜・休日出勤して仕事すれば、どこかで認められるのではないと思い込んでいることです。

 クライアント企業の社員には定期的に自分の行った作業を振り返るようにしてもらっています。16万人を対象にしたアンケートやヒアリングでわかったのは、一般社員の97%は「緊急性が高い仕事」に手を出していること。

 緊急ということだけに目を奪われ、「緊急度は高いが重要度は低い仕事」にも時間を費やしていることに気づけないのです。



「5%社員」は、重要度を重視する


 それに対して、成果を出している「5%社員」は、緊急度と重要度の2つの評価軸を持って仕事の優先順位を決めています。もちろん緊急度が高くても重要度が低いものには手を出しません。

 しかし「5%社員」がとても特徴的なのは、緊急度は低いが重要度が高いことに時間を割いていることです。

 彼らは、緊急度よりも重要度の評価軸を意識しています。これは目標達成志向という心構えからきているものです。

 短い時間でより大きな成果を上げなくてはいけない現代の条件下では、重要度が低いものを見極め、勇気を出して手を出さないことが求められます。何とか時間を生み出して、緊急度は低いが重要度が高いものに時間を割り当てられることができるか、というのが成果を出し続ける上でポイントになってきます。

 重要度が高ければ緊急度にかかわらずやらなくてはいけないのです。


 メールチェックは、まさに重要度ではなく緊急度で処理されるケースが8割以上でした。もちろん来たメールを重要度にかかわらずどんどん返信できる卓越した処理能力と時間があれば良いのですが、一般社員にはその能力を持っている人が少ないのです。

 ですから、「5%社員」が仮に処理能力が高くてメールの返信をバシバシと行っていても、それを一般社員に水平展開しても効果は出ません。

 だから、重要度を意図的に意識することが重要になります。



脳を休めることで、本領を発揮できる


 脳の集中力には限界があり、休息なしで脳の過負荷状態が続くと、仕事だけでなく健康にも深刻な影響が出ます。平日にフル稼働で疲れている脳には休養が必要で、休まないと結果として本来のパフォーマンスを発揮できません。

 これまで関わった605社には、「休暇になっても、どうせやることがない。だから仕事する」と答える社員が23%いました。この23%の社員のうち、「思うような成果は残せていない。評価されていない」と答える人は63%いました。

 一方、トップ「5%社員」は、「休日はしっかり休養する」と答えた人が79%もいます。家族とゆっくり食事をとってリラックスしたり、有酸素運動をして爽快感を得たりしています。



「5%社員」の休み方


 個別アンケートで、トップ「5%社員」が休日にどのように過ごしているかを調査しました。同じ質問を95%の一般社員にも行いましたので、それと比較して「5%社員」の特徴的な過ごし方を紹介します。


1 好きなことを自分で選んで自分でする

 水泳、読書、買い物など、自分のテンションが上がるものを自分で選択して実践しています。自分で選ぶというのがポイントです。人は「自己選択権」に幸福を感じるので、「指示されるのではなく、自分で選択しているということが気分をアップさせる」と多くの方が答えていました。


2 適度に有酸素運動をする

 酸素を取り込み汗をかくことでストレスを発散している人もいます。

 例えば、「20分散歩に出る」「10分程度のストレッチをする」「30分程度軽く走る」ぐらいの運動をする人が多かったです。

 特に、定期的にランニングをして、マラソン大会に参加する人も多くいました。

「5%社員」で定期的にランニングしている人の比率は、95%の一般社員の3倍以上でした。さらに、そのランニングを通して、社外の人脈を広げている人も多くいました。「5%社員」のなかでも女性は、ヨガとピラティスしている人の比率が高かったです。男性ではボルダリングをしている人の比率が高かったです。定期的にゴルフをしている人の比率は、「5%社員」と一般社員で差がありませんでした。


3 読書

 本をよく読むのも「5%社員」の特徴です。

 28社のアンケートでは、平均で1年につき2・2冊の読書をしていました。

 一方、「5%社員」はその20倍の48・2冊を年間で読んでいました。

 この読書には、デジタルデトックスの効果もあります。「読書の時間にスマホを触らない」というだけで、リラックスでき自律神経を整えることができます。「5%社員」は夜寝る前にスマホを触ることなく読書している人が多かったのも特徴的でした。



金曜日は仕事効率が高い


 22社約9000人を対象に調査したところ、長期休暇や週末の休みが近づいていると思うだけで、仕事の効率が上がることがわかりました。

 週末の直前、つまり金曜日は業務効率が高くなる傾向にあります。特に「5%社員」は、金曜日に「やらない作業を決める」ことが多いと答える人が30%以上いました。迫りくる週末に向けて、できない作業を勇気を出してやめるのです。これは、「締め切り効果」ともいわれます。

 追加調査で、この金曜日にやめた作業は、「結果的に必要なかった。やらなくてよかった」と回答した人が83%もいましたから、「5%社員」の判断は正しかったのです。


 休日中は脳をしっかり休めてリフレッシュした状態で月曜をスタートし、休日を意識することで、金曜日にやめる業務を決めて効率を高めるのが「5%社員」の過ごし方です。