原則1
「5%社員」の98%が「目的」のことだけを考える
過程よりも結果を重視する
「5%社員」に対してアンケートやヒアリングを行い、その結果を4社のAⅠサービスを使って分析しました。すると、高い頻度で出現する名詞は「結果」や「目標」でした。そして「達成する」「成し遂げる」「認められる」という動詞が多く使用されていました。
これらの言葉は、95%の一般社員よりも3倍以上使用されていたのです。
この調査結果からも、「5%社員」は経緯よりも結果を重視していることがわかります。
突出した成果を残す彼らは、仕事の過程を評価していません。チェックポイントで進捗を確認しているものの、それはあくまで成果を出すための手段として捉えており、途中で達成を感じることがありません。
重要なプロジェクトに関わっている際に、手を抜かず、そして周囲とも協力して、万全の状態で仕事を進めていた時であっても、最終的にそのプロジェクトが失敗してしまった時に反応が分かれます。
一般社員の約7割は「失敗してしまったけど、頑張ったし、みんなとも協力できたからよかった」と考えます。しかし、「5%社員」は違います。
「確かにみんなで頑張ったし、やれることはやったつもりだったけれど、失敗したということは、どこかに失敗の原因があったのだ」と考えるのです。
プロセスを重視することは当然ですが、それを逃げ口上に使ってはいけないことを、彼らは知っています。ただし、失敗を失敗で終わらせることなく、失敗の発生原因をつきとめるチャンスだと考えて、次の行動で修正していきます。
時間を大切にする
「5%社員」は、時間をとても大切にします。
時計を見る時間は一般社員よりも1・7倍も多く、会議では期限や時間に関して2・3倍以上の発言をします。
1分1秒の大切さを心底理解できている人物がそのまま「5%社員」に当てはまると言っても良いでしょう。
会社員の生産性とは月給、年俸など時間軸が基準となってその報酬が決まりますので、時間単位でどれだけの仕事ができたか、あるいは生み出したかで決まると言えます。従って、「5%社員」にとって無駄にできる時間は1秒たりともないのです。
ただし、1秒たりとも無駄にできないからといって、ずっと走り続けるわけではありません。「5%社員」は、適度な休息がないと良い仕事ができないこともしっかり理解しています。だからこそ、オン・オフの両面で時間を大切に考えており、それが一般社員と比べて特徴的な考え方の違いです。
自分で目標を設定して達成を目指している
人一倍向上心があるというのも、「5%社員」の特徴です。
たとえば、営業の仕事をしていて、上司から売上目標を設定されたとします。
一般社員はその目標を達成するための努力をしますが、「5%社員」は設定された目標以上の高い目標を自ら設定し、それをクリアしようと努めるのです。
与えられたノルマをこなすだけで精一杯とか、そのノルマすらこなせないという一般社員は少なくありませんが、「5%社員」はそれよりもずっと上のレベルで努力を重ねています。
目標というものはそれを達成してこそ、意味があります。
「5%社員」はそのことをよく知っていますので、高い目標設定をしただけで満足してしまうことはありません。
背伸びをしてギリギリ届くような目標を自身で設定した上で、それを達成するための努力を自主的に行い、実際にクリアするのが「5%社員」なのです。
彼らが大切にしているのは達成感です。
達成のためには目標が必要です。この目標を自分で設定して、最短距離で達成しようとしています。
一方、一般社員は、目標を明確にしないで仕事をする人が少なくありません。
よって、達成に近づいていないにも関わらず、その作業時間で充実感を覚えてしまいます。この達成感と充実感、どちらを大切にするかで会社や上司からの評価が変わってくるのです。一緒に作り上げて約束した目標を達成すればもちろん評価はされます。
しかし、作業を終えることで充実感を得るだけでは、上司にとって必ずしも褒め讃えられるわけではないのです。なぜなら、目標達成から遠ざかっていることに気づかず、ただ前に進んでいること自体に満足している可能性があるからです。
目標達成に向けて前に進んでいるのであれば良いのですが、その方向を間違えるとむしろ後ろに下がっているのと同じことにもなり得ます。集中力を増して作業に勤しむのは良いことですが、それが目標達成に向かっていないのであれば無駄になってしまいます。例えば、登山をするとき、山頂が決まっているからこそ、到達に向けたルートや、自分の体力と折り合いをつけて休憩などをするわけです。もしこの山頂が決まってないまま登山に向かうと、違う山の頂上についたり、迷って帰れなくなったりします。
このように仕事では「どこに向かって作業を進めているのか」ということが重要であり、その作業の量だけで褒められるわけではないことを「5%社員」は心得ています。
仕事は量ではなく質
2019年4月から働き方改革関連法が施行され、歴史上はじめて長時間の上限が規制されました。残業を抑制しなくてはいけない上司や会社にとっては、終電間際まで仕事をして「残業なう」とつぶやいたり、最終電車に乗って苦労していることをアピールしてくる部下は厄介になってしまいます。
これは上司に対してというだけではなく、相手を主体に考え行動できるかということにかかっています。自分主体で考えると、自分が満足すれば終わりなわけですから、勝手に作業の充実感を得ていつまでも仕事をしていても良いわけです。
しかし、相手からの信頼を得て、「自由と責任」といった裁量権を手にしたいのであれば、自分の能力を最大限発揮して、どうしたら相手から承認されるかを考えたほうがスマートです。
テレワークを定着させるために、ジョブ型の成果主義を導入する企業が増えてきました。労働時間数ではなく、労働によって生み出した成果や価値の質に評価される時代にシフトしてきました。
昔と違い、生産量ではなく生み出した価値に対して顧客はお金を支払い、それが売上げや利益、社員の報酬につながるのですから、量ではなく質を目指すべきなのです。50枚のパワーポイントの資料を作ることに精を出すより、1枚の資料であっても相手の心を揺り動かし思い通りに動かすことのほうが大切であり、評価されるのです。
今回の調査で、一般社員が作成した資料のほうがページ数が32%多い傾向にありました。
資料の内容が薄いことを誤魔化すために、作成枚数を増やしたであろうケースが散見されました。一方、「5%社員」はそもそも資料作成時間が一般社員よりも20%ほど短かったのです。作り上げた資料の枚数は少なく、パワーポイントの1スライドの中に記載された文字数も少なかったのです。
彼らは伝えることよりも「伝わること」を目指しているので、相手の頭の中に入れるべき重要なことを見極め、それを資料の中で視覚を通して相手に「伝わる」ようにしているのです。
つまり、「5%社員」はパワーポイントの使い方が上手なわけではなく、資料に入れるストーリー作りが得意なのです。
どのように相手を説得・共感させて、こちらが望む行動をしてもらうかという戦略を手書きメモで作り込み、最後にシンプルなパワーポイント資料をさっさと作るのです。
正しい目的を理解し、目的に合わせて行動をして、最終的に成果に結びつけるのが「5%社員」の特徴です。