「……盛り上がっているところ悪いが、これから毎日、お前は客間で生活してくれ。それがオレからの条件だ。お前と同じ部屋にいると身の危険を感じるからな」

 というよりも、こんなわく的な女性と一緒に寝たりしたら、やはり色んな意味でオレがもたないと思う。だがそれを悟られぬよう言葉じりにジョークを乗せたところ、かおるんは小さく唇を尖らせてぷいっと背中を向け、自分が持参してきた旅行バッグに手を伸ばした。

「……わたくしはそろそろルナさん達にもあいさつをしてきますが、しのぶ様がそんないけずなことをおっしゃるのなら、もういになんて来てあげませんからね。あとで泣いても知りませんよ? エッチなサービスもなしです。ただ……」

 歩みを進めた先。扉の前でくるりと振り返り、かおるんは色っぽく投げキスをひとつ。

「もしわたくしのことが恋しくてたまらなくなってしまったら、いつでも部屋に遊びに来て下さい。そのときには……たくさんサービスしてあげてもいいですよ?」

 そう言われても返答に困ったので、とりあえず愛想笑いで誤魔化しておいた。けれどかおるんは特に気にした様子もなく、今度はセクシーにウインクをして部屋を出て行き、残されたオレは自室のベッドに腰を下ろし、小さく肩をすくめた。

 ぎよう家の変態メイドことかおるん。もちろん彼女のことは嫌いじゃない。しかし悪戯いたずら好きの彼女のことだ。またとんでもないことをしでかす可能性は高いだろうし、ひょっとしたらこれからさらに楽しく……いや、騒がしくなって大変かも知れない。

 と、嫌な予感を覚えつつも、オレは緩みそうになるほおを抑えることができなかった。