俺とディさんは一緒に冒険者ギルドへ向かっている。よく寝たから元気いっぱいだ。

 今日はディさんと二人だ。ポシェットではチロが眠っているけど。爽やかな風が少しだけ俺のほっぺを撫でていく。良い陽気だね。前世だと湿気が多かったり、春は花粉や黄砂に悩まされたり。今はそんなこと、全然ないし、空気が違う。

 家を出て、畑の中の小道を行き街道に出て街に向かう。ディさんと手を繫いで歩く。大きな手だ。でも、スベッスベなのだ。この手で剣を持つのか。そんな風には見えないのに。

「でぃしゃんは、けんもちゅよいね」

「ああ、この前リアの稽古をしていた時のことかな?」

「うん、ちゅよかった」

「剣よりは弓の方が得意だけどね。僕は森人のエルフだから」

「えるふってしゅごいなぁ~」

「そうかい?」

「うん。きれーらし、ちゅよいし、やさしい」

「アハハハ、有難う」

 そんな話をしながら歩いていた。お天気も良くて、俺はご機嫌だ。ちょっと俺の得意技、スキップでも披露しようかと思っていた時だ。

「おや? ロロ、ちょっと待って」

 ディさんが、道端に生えていた草に目を留めた。みずみずしいお野菜の葉っぱのようにも見える。とっても綺麗でピカピカしているのだ。明らかに他の雑草とは違って、青々として見える。

 でも葉っぱの下に、白いぷっくりとした根が少しだけ見えている。まるで大根みたいだ。まだ畑の近くだ。そんなに家から離れていない。種が飛んできたのかな?

「どうしてこれが、こんな場所に生えているんだ?」

 その瑞々しい立派な葉っぱ。とっても緑が綺麗だ。どう? 美味しそうでしょう? 抜いてみない? なんて言われていそうな気がして、俺が思わず手を出しそうになった時だ。

 ディさんがその葉っぱの根本を狙って、思い切りバシコーンと殴ったかと思ったら、葉っぱを摑みズボッと引き抜いた。

 葉っぱの先には、白くてでっぷりとした大根のようなお野菜なのか? その美味しそうにでっぷりと太った体には、翁のようなお顔があった。体の先っぽは二股に分かれていて、クネリと交差されたセクシーポーズをとっている。しかもムッチリとした御み足だ。

 お顔や足があるのだから、普通のお野菜ではないのだろう。ディさんが殴ったから、気絶しているのだろうか。目を閉じてダラリとお口を開けている。え? お野菜なのか? 植物なのか? お顔があるのだ。『いやぁ~ん!』と体をくねらせて喋り出しそうだ。

 ディさんはいきなり、そのでっぷりとした体を短剣でぶっ刺した。ザクッと躊躇なく突き刺したのだ。俺はそれを、訳も分からず見ていてちょっぴり驚いた。

 セクシーポーズは置いといて、このでっぷり加減のつるりとした感じは、煮込んだら美味しそうなのだとか思っていたところだった。