砂防ダムを占拠する集落

 

 

 続いて紹介するのは、同じく京都府は北区衣笠開キ町にあるコリアンスラムである。『キ町』って地名からしてヤバイに違いない……。

 

 このスラムは、紙屋川に作られた砂防ダム(小さな川に設置される土砂災害防止用ダム)の中にひろがっている。地面をコンクリートで固め、その上に数十棟の家が並んでいるのだ。

 不法占拠というと、ホームレスが作った掘っ立て小屋みたいなものを想像するかもしれないが、そこにあるのはしっかりとした足場のちゃんとした家だ。

 ダムなので当然川が流れているが、そこにDIY丸出しのボロい橋がかけられていたり、大量の突っ張り棒を足場にして、川にせり出した形で物置が無理やり建っていたりもする。なかなか凄まじいマッドマックス的な景色だ。

 そんな全ての家に、張り紙が貼ってある。

 

 この工作物は必要な許可を得ておらず、河川管理上、支障があるので、所有者は平成28年3月25日までに連絡の上、工作物を撤去し、現状に回復してください。なお所有者がいない場合は、京都府が河川管理者として河川法に基づき処分します。

 

 ごらんの通り、キ町スラムも撤去の方向にある。しかし、散々ゴネてゴネまくったウトロとは雰囲気が異なり「仕方ない」と諦める住民が多いようだ。

 雨量の増加とともに洪水も増え、家屋が流される事故も起きている。安全的にヤバイということで、渋々ではあるが「立ち退くしかない」というムードになりつつある。

 そりゃ、ダムの中に家なんか建てたら、流れるに決まってるじゃん! と思うのだが、実際に流されるまでは危機感を感じないものらしい。

 すでに取り壊された家も少なくなく、そうした部分はフェンスで囲まれている。しばらく経ったら、何もないただのダムになってしまうんだろうな~。残念な気持ちでいっぱいだ。