ブルセラミャンマータワー(東京・高田馬場)

 

 

 学生の街、高田馬場駅前にそそり立つ商業ビル「タックイレブン高田馬場」。

 その起源は九尾の狐かヤマタノオロチほども古く、ブルセラショップからヤマギシズム案内所まで、魑魅魍魎のテナントが勢揃い。界隈きっての怪奇ビルとして知られている。

 

 ミャンマーの軍政を逃れ、高田馬場周辺に住み着いた難民が、大小様々な食堂をオープンし、界隈が「リトルヤンゴン」と呼ばれるようになったのは10数年前。

 駅前の一等地にありながら家賃の安いタックイレブンにも、レストラン、雑貨店、貿易商はじめ、ミャンマーに繋がる様々なビジネスが花咲いた。

 ところが2011年、50年続いた軍政があっけなく終了し、念願の民主化が実現。経済封鎖が解かれ、ミャンマーバブルが到来すると、高田馬場のミャンマー人も多くが帰国してしまった。

 

 在りし日の活気こそもうないが、日本におけるミャンマーコミュニティの「本丸」は今も健在。ビル内には未だ大勢のミャンマー人が住み着いている。

 くたびれたスナックが連なる一階には、日本に数軒しかないシャン料理の専門店もある。タイ東北部と接するシャン州の料理は、イサーンナイズされた野性味溢れるスパイシーな味わいが特徴だ。

 裏手のエレベーターに乗れば、ミャンマー雑貨店が商店街のように連なる謎のフロア、謎の商社、そして元祖ブルセラショップ「ロペ」に行くことも可能だ。

 

 9階の「ロペ」は「ブルセラ」という単語を考案したこの道の始祖。80年代半ばからかれこれ30年、使用済み制服・下着の売買を続ける老舗中の老舗である。

 自分も26年前、好奇心からこの店の扉を叩き、顔を真っ赤にしながら店内を一周した恥じらいの記憶がある。それが今も変わらず同じ場所で営業中とは、にわかに信じられない……。

 タックイレブン高田馬場: 東京都新宿区高田馬場2ー19ー7