2006年1月 アダルト・アフィリエイトの奥義?

 

 

 以前プノンペンでお会いしたGさんがサイゴンにみえたので、テンを連れてお邪魔しながら、食事をご馳走になってしまいました。そのとき、

 

「井上さん、やっぱりアジアに戻って見えましたね」

 

 と言われたので、「僕の頭の中に、日本で暮らすという発想は無いです」と答えました。

 

 僕とテンは「もっと安定した生活を目指そう」と、今まで住んだアパートの契約が切れた先月、さらに家賃の安いエリアへ引っ越しました。

 昨年、テンと同棲を始めたことで「結婚もしないのに同居はダメだ!」と大家さんからたびたび説教を食らい、実はその頃から密かに転居を考えていたのです。

 新居のあるビンタン区は、これまで住んでいたレタントン通りにほど近く、東にまっすぐ15分ほど歩いた至近距離にあります。

 

 見つけた物件は、窓もないレタントンの部屋よりかなり広々としていて、3階の窓からは、以前テンが住んでいた長屋の町並みやサイゴン川を見下ろすことが出来ます。

 窓の正面に机を置くと、近所の話し声やバイクの騒音など、街の喧騒も心地よく耳に入ってきて、とりすました日本人街から、生活の匂いがする本当のベトナムに越してきた感動がありました。

 家賃は電気・水道料金コミで月100ドル。引越し前の半額以下です。インターネットも開通し、僕は仕事に集中しました。

 

 ふと手を休め、サイゴン川を行き交う遊覧船や貨物船を眺めながら、これまでのテンとの暮らしぶりを思い返しました。

 彼女ともいろいろありましたが、この部屋を見つけてきたのもテンですし、今まで無かった炊飯器を導入して、いつでも白飯が食べられるようにしてくれたのもテンでした。

 病的な虚言癖は治らず、今もタイニン省の実家に度々押しかけては「どういう育て方をしたんだ! 今度こそ別れてやる!」と、彼女の母親相手に啖呵を切りますが、実際に別れようとすると、そう簡単には行きません。

 ただ、せびられてもほとんどお金を渡さなくなったため、テンは渋々といった感じで以前働いていたクラブに戻りました。ですので今も同居中ですが、ルームメイトに近い存在かもしれません。

 

 話を戻して、ここへ引っ越した理由のひとつは、アフィリエイトのアクセスや収入が伸びず、行き詰ってるなぁと感じていたせいもありました。

 

 僕の仕事内容について、実はほとんどわかっていないテンですが、寝転んでテレビを見ながらも時々、起き上がっては僕のパソコンを覗き込みます。

 画面を覗き込んだとき、オネーチャンのエロ画像が映っていれば「感心、感心、しっかり稼ぎな!」と安心してベッドに戻りますが、たまに新聞なんか読んでいたりすると「なに遊んでんの! 真面目に働かないとダメじゃないの!」と怒ります。

 もしかして、オネーチャン映像の違法な部分にモザイクをいれるのが僕の仕事と考えているのかもしれません。

 

 学生の頃、僕はポルノ映画の検閲をする仕事に就きたいと考えていました。毎日オネーチャンの裸が見れてうらやましいなぁ……ずっとそう思っていました。

 ところが今、毎日何十人ものオネーチャンのアソコを見る仕事をしていますが、あまり楽しくありません。

 エロくないのがエロサイト管理人──と言う人がいますけど、確かにそういう部分もあるなぁ……と納得します。 皆さんが普段ご覧になっているモザイクも、入れるには面倒な作業が必要で、時間もかかるのです。日本も早く解禁すれば、こんな面倒な作業をしなくてよくなるのに……。

 

 大儲けできるかは別にして、インターネット環境さえあれば、そこそこ手堅く稼げるのがエロアフィリエイトです。フリーメール、フリーサーバー、フリーブログを使えば、元手もほとんど要りません。

 僕はアフィリエイトを始めた時期が早く、早期にまとまった収入を得たラッキーな側にいたと思いますが、それでも最初の数ヶ月は収入ゼロ。

 儲かってからは有料サーバを借りていますが、最初は無料のFC2からスタート。本当にこれで喰えるのだろうか……と疑心暗鬼にかられながら、しこしことエロいページを作っていたものです。

 

 人脈も才能もスキルも無い僕は、面倒くさいのでランキングサイト登録や相互リンクなどしたことがなく、訪問者の大半が検索経由でした。

 皮肉なことに、一番儲かっていたのはベトナムに移住したばかりで準備に忙しく、ほとんど仕事ができなかった頃です。

 最初はとても儲かっていましたが、自分のサイトがグーグルから突然排除されたせいで、何をやっても効果なく、収入は激減。ある掲示板に「月10万円台の収入? お前、アフィの才能ゼロだからさっさと辞めろ」とありましたが、現在の僕の収入も似たり寄ったりです。

 「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいなエロアフィリエイトの世界は、必死に努力したことが仇になってアクセスが激減するなど、予想できない部分だらけです。

 グーグルに切られて以来、ページビューはガタ落ち、収入は月10万円台とふるいません。僕に必要な生活費は月5万円ほどで、10万あれば残りを借金返済に回せますが、できれば貯金もしたいのが人情。それでもアフィリエイトでサイゴンに住めるだけ、幸運だったなぁと思います。

 

 あるとき、実は行き詰ってる……みたいな話をテンにしたら「別のサイトを作ったら?」と言われました。

 それもそうだ! どんなエロサイトがいいんだろう……と考え、FC2ブログのランキングページを開き、第一位の「本気で稼ぐ一歩先行くアフィリエイト」というブログを読んでみると──。

 

 成果がでるまでの時間は人それぞれ。早い時期から月数万円の成果が出る人もいれば、1年以上収入が無かったのに、急に月何十万も稼ぐようになったケースもある。

 大半の人がなぜ儲かるのか「本人もわからない」というのが実情で、成果をあげるには「続けること」が何より重要。そのうち視野が広がれば、大いなる謎が解けるかも?

 

 実は自分も、毎月10万円以上のお金が振り込まれる理由が未だにわかりません。

 わかっているのは僕が毎日エロサイトを更新して、それを毎日何千人もの人が見に来るということだけ。

 先日、知り合いから「俺もアフィリエイトしたいんだけど、何をどうすればいいの?」と訊かれ、口ごもってしまいましたが、

 

「当たるも八卦、当たらぬも八卦と言いますから、取り合えずブログを100個作って適当にバナーを貼り付けて置いたら、1個くらい当たるんじゃないですか?」

 

 割りとマジでそう答えました。

 ハッタリではなく、至る所で鬼のようにブログを作った経験がありますし、今も作っています。

 先日作った「セックス・ストーリー」というコピペブログは、1日数PVのアクセスしかなく、もちろん収入は0円。

 内容は「一本道」のエッチ体験談をそのままコピペしただけで、さすがにこのブログが化けることは無いと思いますが、これがきっかけで何か素晴らしいアイデアを思いつく可能性はありますし、僕はこういうムダな努力こそが「アフィリエイトの肝」じゃないかと考えるのです。

 

 時間と労力をたっぷりかければ収入にはなる。しかしそれでは割が合わず元が取れない。だから、時間をかけずお金の回る仕組みを考えないといけません。

 これがアフェリエイトの核心で、稼いでいるアフィリエーターは皆、独自のノウハウを持っています。もちろん、苦労の結果ですので容易に明かしては貰えません。

 僕はまだその域まで達しておらず、時間と労力をたっぷりかけて頑張るという、非常に効率の悪い方法で稼いでいますが、幸い、そんな効率の悪い収入でも、物価の安い国なので割が合っているというか、普通に暮らせているわけです。

 もしかして「物価の安い国に住む」というのが、僕の編み出した最強のノウハウかも知れません。

(つづく)