第四章 素直になれないお姫様


 ヘーシュム・リリア・デーウは叱られたことがない。

 リリアが魔界に生まれたばかりの頃、平定されたばかりのこの世界はいまだ不穏な空気に満ちていた。あちこちで、小競りあいや反乱が起きて、それを鎮めるために魔王アスモデウスは奔放していた。

 母親は、リリアを産んだ時に死んだ、らしい。

 父親の姿を数えるほどしか見たことがない、そんな幼少時代。

 強大な力を持つ、魔王の娘である彼女を、誰も彼もが畏れをもって扱った。

 何をしても許されて、何をしても怒られなかった。子ゴブリンの寝床に毒虫を潜ませたり、子ラミアの尻尾を固結びにしたりして、その子らと喧嘩になっても。

 出てくる被害者の親は、自分の子どもの頭を下げさせるのだ。

 卑屈な態度をあらわにする大人の魔族を向こうに、リリアは思った。

 わたくしは魔王の娘なのだから、それが当たり前なのだろう、と。

 だったらわたくしも、魔王の娘らしく振る舞わないといけないと。

 畏怖をもって扱え。敬い、従え。なぜならあなた方が、そうあれと教えたのだから。

 ──気がつけば、一人だった。

 いつも一人で歩いていた。

 リリアは誰にも叱られたことがないし、

 他人というものに、優しくされたこともなかった。




「うっっっっっわぁ~~~っ! か、わ、い、いっ!」

 ミイナがきらきらと、瞳を輝かせている。彼女の周りに集まっている、魔物の子どもたちも、床の上で転がっている小さな生き物に興味津々だ。

 彼女の前には一匹の猫。人間界から召還した猫である。

 茶色い毛並みの、雑種だ。

 ふてぶてしい顔をしていて、異形揃いの魔物を向こうにまるで動じた様子がない。

 情操教育の一環として、みんなに、動物に触れてもらおうと思い、用意したのだ。

「みんな、抱いてごらん。そぉっと、やさしく、ね」

 促すと、ミイナが猫を抱き上げた。だらぁんと、胴を伸ばして猫はなすがまま。

「あははっ。あったかい。可愛いなぁ……」

 その頭を優しく撫でて、隣の子へ差し出す。ゴーレムちゃんは岩石の手でその猫を恐る恐る抱き上げると、うなぁ、と鳴く愛らしい面貌を前にしてぶるっと一つ、震えた。喜んでいるのだろうか。スライム君はにゅと触手を伸ばして、猫の背中を撫でている。

 真っ白な、お腹側を上にして、猫はくあぁとあくびなどしていた。

 なんとも肝の太い猫である。

「きゃっ、あくびした、あくびっ」

「小さいなぁ、可愛いなぁ」

「なんだこりゃ? こんな小さな生き物が、どうして生きていけるの?」

「ニンゲンの世界はへいわなんだよ。だから、こんなに小さくても大丈夫なんだ……」

「へいわって、なに? へいわなら、この子とあそべるの?」

「ああ……平和。永い戦禍の終わった今を、大事にしないとな」

 しみじみと、猪のような顔の、ゴブリンの少年が呟いた。

 ……なんだか保志の考えとは別の方向で、教育の成果が上がっているようだ。

 小さな毛玉が、魔物の子らの間を次々に渡っていく。繊細なその小動物に危害を加えようという者はいない。クーフェイがひょいと猫を抱き上げて、口に指を突っ込んだ。

「お前のキバ、小さいぞ。そんなので獲物を捕まえられるのか?」

「人に慣れている猫は、あんまり狩りをしないんだ。捕ってもネズミとか、小鳥とか。あとは、ニンゲンの出した餌とか残飯とかで、生きているんだよ」

「へー。お前ら、あんな美味しいの、いつも食べてるのかー」

 いいな、と言ってクーフェイは猫の頭を撫でる。猫は少し迷惑そうに顔をしかめた。

 と。リリアが、子どもの輪から少し離れたところにいることに、保志は気づいた。

 腕組みをして、わたくし、そんなモノに興味ありませんわっ! という感じで横を向いている。けれど横目にチラチラと、未知の小動物へ向ける視線は好奇心に溢れていた。

 触りたいのだろう。触ればいいのに。

(ま、それを言い出せないから、リリアなんだよな)

 愛玩動物に構うなど、魔王の娘としての威厳に関わるとか、そんなことを考えているのだろう。保志は苦笑すると、リリアが輪の中へ入れるように、誘おうとする。と。

「り……リリア、さん? 猫、触ってみませんか?」

 ミイナが控えめな声で、そう言っていた。

「わたくしに、獣に触れろとおっしゃいますの?」

 話しかけられてびっくりしたのだろう、少しだけ上擦った、リリアの声だった。

「う、うん。とっても小さくて、温かくて、可愛いよ」

 ミイナは、クーフェイから猫を受け取ると、リリアの前へ連れてゆく。

「あう……」何かたじろぐように、リリアは半歩後ずさる。

 にゃあぉ、と猫が鳴く。

「……た、確かに、可愛いですわ、ね……」

「でしょ?」嬉しそうにミイナが、猫を抱えた両手を差し出す。

 おずおずと、リリアの繊細な指が、猫の額に伸びて──。

「撫でてやるんだぞ。撫でられるのって、すっげー気持ちいいんだぜ。私もせんせにいっぱいしてもらったからわかるんだっ」

「──────────っ!」

 刹那。リリアの手が、ミイナの手を払っていた。

 猫が宙を舞って、くるり、と一回転。床の上に柔らかく着地する。

 ミイナが、吃驚きっきょうと固まっている。

「あ……」とリリアの唇が、確かな悔恨に歪んだ。だがそれも一瞬。少女の唇は元どおり、小生意気に吊り上がって、上から見下ろすようにミイナに言う。

「わ、わたくしに、こんな獣を近づけるんじゃありませんわ。汚らしい。だいたい、なんですの、あなた。魔王の血族に、馴れ馴れしいんですのよ。何が目的なのかしら。さすがはサキュバスですわね。媚びを売るのがお上手ですこと」

 しんらつな言葉が、ミイナに降り注ぐ。

「あ……あの、わたし……」

「お、おいリリア。言いすぎだ」

 さすがに見かねて、リリアに言う。その保志の袖を、怯えたミイナがぎゅっと握った。

「……っ! う、うるさいですわっ! ニンゲンごときがっ!」

 ミイナの様子を目にした少女の怒りが勢いを増した。

「なんなんですのあなたっ! 誰にでも、そんなにっ……! そ、んな、にっ!」

 リリアは、涙目だった。小さな身体が、震えている。

「わたくしに、だってっ、もっとっ……!」

「リリ──」

 保志の言葉を振りきって、リリアは外へと飛び出した。

 その背中に真っ黒な、カラスのような羽が顕現する。

 それが一つ、空気を叩くと──。

 矮躯は空へと飛翔した。お城の方へ飛んでいって、あっというまに見えなくなる。

「……まったく、あいつは」

 それを見送って、嘆息する。

「なんだよ、あいつ」「気分わっりーのっ」「えらっそーに」「ほっとけほっとけ」

 クラスの中には、身勝手な振る舞いを見せたリリアに対してどこか白けた空気が漂っていた。これでは、威厳も何もあるまいに。

「せ、せんせい……。わたし、よけいなこと、しちゃったかな」

「いいや。そんなことはないよ」

 罪悪感を感じているのだろう、表情を曇らせているミイナの頭を撫でてやる。

「でも……」

「大丈夫。先生に、まかせておきなさい。それよりもみんな。今日はこれから、この猫っていう生き物のことについて、勉強しようか」

 と、子どもたちに声をかける。

 すぐにでも、リリアを追いかけたいところだが、子どもたちを放っておくわけにはいかない。

 空へと消えた魔王の娘の、涙に濡れた瞳を思い出すと、胸が締めつけられるようだった。


 童園の一日が終わり、帰城する。

「ずっと部屋に籠もっております。お食事もなされておりません」

 リリアはどうしているという、保志の問いに、単眼触手メイドはそう答えた。

「入っても?」訊くと、メイドは頷く。

 扉をノックしても、返事がない。入るな、とも言わない。だから扉を開いて中へ入った。

 リリアは、ベッドの上に俯せだった。金色の髪が、花開くように広がっている。

 ベッドに飛び込んで、ずっとそのままなのだろう。

 リリアは首をこちらへ向けると、責めるように言った。

「……何を勝手に入ってきてますの」

「あれ? おかしいな。どうぞって聞こえた気がするんだが」

 とぼけたような保志の答えに、リリアがむくりと身体を起こした。

「ミイナに、謝ろうよ。リリア」

「……わたくしは悪くありませんわよ」

 ふて腐れたようなその物言いがすでに、己の非を自覚している。だが、それを認めることを、自尊心が許さないのだろう。引っ込みがつかない、というやつである。

「……もう少し、素直になったらどうかな、リリア」

「わたくしは十分に、自分に素直ですわよ」

「いやまあ確かにそうなんだろうけど」

 苦笑しながら、リリアのそばへ行く。紅眼が保志を映し出す。

「魔王様も言っていたよ。リリアには、もっとみんなと仲良くしてほしいって」

「別に、そんな必要はありませんわ。お父様も、大きなお世話ですわ」

 リリアは林檎のように頬を膨らませて、ぷいと顔を背けた。

「わたくしは魔王の娘として、覇道を貫く覚悟がありますの。なれあいなんてまっぴらですわ」

 そう言うリリアの指は、けれど何かに耐えるように、ぎゅっとシーツを掴んでいる。

「そうかな? 魔王の娘だからって、みんなと仲良くしちゃいけないってことはないよ」

「しちゃいけないんですの。……それに、わたくしと仲良くできる魔族なんて、おりませんわ」

 保志を見上げるリリアの目は、どこか切なげで。どきりとした。

「ミイナだって、ほら。仲良くしたがってそうだったじゃないか」

「あの子も、わたくしが魔王の娘だから近づいてきているだけですわ。そうに決まっています」

「いや。あの子はいい子だよ。優しくて、思いやりがある。だから、そんなことは」

「……ずいぶんと、あの娘の肩を持つのですわね」

 と、じっとりとした赤い瞳が、保志を睨みつけてくる。

「それはそうですわよね。サキュバスの、魅惑に抗える男性なんていませんものね。ずいぶんと気持ちよさそうにしてましたわね、あなた?」

「うっ!? ……知ってたのっ!」

 愕然と、仰け反る。サキュバスの──ミイナの能力に、理性が負けたのは確かである。

 だが手を出してしまったことには、言い訳の余地もない。

「ふん。それにしても。許せませんわね。お父様の童園で、あのようなことをするなんて」

 ふと、リリアの目が──妖しく輝いた。

「……へ」

 刹那、紅の双眸に、二つの小さな魔法陣が浮かび上がる。

「うっ……! リ、リアっ……!?

 ──身体が、動かない。

 まるで石になってしまったように。

 胸をぽんと押される。抵抗することもできずに、床の上に仰向けになった。

「リリア? 何を、するんだっ……」

 なんとか、声は出せた。リリアはベッドの端に腰掛けて、くすくすと笑っている。あどけない顔に浮かぶのは、高慢で、嗜虐的な笑みであった。

「お仕置きですわ」

 と、真っ白なソックスに包まれた右足で、保志のお腹をツンツンとつついてくる。

 少女の可憐なつま先が、下腹をつうと伝って股間へ至る。リリアは唇を吊り上げたまま、そこをぐいぐいと押してきた。ぞわっ、と、保志の背骨に奇妙な陶酔が駆け抜ける。

「ちょっ……リリアっ! そんなはしたないこと、するなっ」

「……へえ?」

 と、意味ありげに笑い、立ち上がる。そうして股間に乗せた足に、全体重をかけてきた。

「んぐぅううっ!?

 ちっちゃな足に海綿体を押し潰されて、保志は苦悶の悲鳴を上げる。

「わたくしに何を命じていますの? 魔王の娘、リリアを相手に? ふん。どうせ、心の中では喜んでいるのでしょう? ちっちゃな子に手を出す恥知らずですものね」

 言いながら、なおぐいぐいとペニスを踏みつけ刺激してくる。ズボン越しに感じる、真っ白でスベスベなソックスの感触に、股間部が膨らんでいく。

「うわ。子どもに踏まれて興奮しているんですの?」

 リリアは意地悪そうに口角を上げると、再び赤い瞳を輝かせた。

 すると──保志の手が、何かに操られるように勝手に動きだしたのだ。チャックを開いて、パンツをずらし、男根を表に放り出してしまう。

「う、うわうわ。み、醜いですわぁ……」

 初めて目にするのだろう男のそれに、リリアは瞳を見開く。

 勃起を完了した、茶色の濃い保志の亀頭はぷくうと膨れ、血管が熱く脈動していた。

「こ、これが、おチンポというのでしょう? わたくし、知っていますのよ」

 凶悪な肉塊を眼下に、リリアの顔に物怖じするような様子が浮かぶ。

 だが、魔王の娘としてのプライドが勝ったのか、少女はきっとペニスを睨みつけると白いソックスで肉棒に触れた。

 スベスベの布地が、亀頭に触れた瞬間──ビクンっ、とペニスが跳ね上がる。

「キャアッ!?」と少女の唇から可愛らしい悲鳴が漏れた。

「ななななな、なにしますのっ! 驚かせるんじゃありませんわっ!」

「い、いや、そんなこと言われても、反射だから……。というか、やめなさいっ!」

 制止の声も黙殺されて、ひるみながらのリリアの足先が男根をつっついた。

「どうしてこんなに傘が張り出していますの? 先っぽが、こぶみたいに膨れているし……まるで棍棒ですわ。こんなの、ほ、本当に、アソコに入ったんですの?」

 ごくりとリリアの喉が鳴る。幼童のあどけない視線に晒されて、恥ずかしさにお腹の奥が熱くなる。その絡みつくような視線に、なおペニスが硬くなってしまう。

「こ、こんな凶悪なものを、小さな女の子に突き刺したのですわね。このっ!」

 お仕置きだとばかりに、リリアは、純白ソックスに包まれた右足を踏み下ろした。

 可愛らしいおみ足が、血管の走るグロテスクな肉を押し潰す。

「う、うううっ!」

 ソックスにはよほど上質の生地が使われているのだろうか、敏感な亀頭をつるりとなめらかに刺激されて、保志の腰がヒクヒクっと震え上がった。

(こんな……ちっちゃな子に。ペニスを、踏まれてるっ……!)

 脳を震わせる、背徳的な快美が、保志の理性をも踏み潰していくようだ。

「お仕置きですわ、お仕置きですわ。このっ、このっ」

 リリアは顔を嗜虐的に歪ませて、右足を、なおもぐっぐっと押し込んできた。裏筋の、下から上へずるずると、ちっちゃなおみ足を滑らせていく。

 下腹に、もどかしい悦楽が溜まっていく。

 透明な汁が、歯磨きのチューブを押すように鈴口から押し出されてきた。滑りゆくつま先が、その先走りにグチュリと触れる。

「きゃぁっ!? な、なんですのっ!? なにか吐きましたわ?」

 純白ソックスのつま先に、ジュクリと濡れ染みが広がっていた。

「ど……毒か何かを出すんですの、この生物は?」

「いやそれは……その。男が、エッチな気分になったりしたら、出るんだよ……」

「そ……そうなんですの?」

 と、リリアは興味深げに、一旦引いた右足を再び肉棒に押しつけた。

「う、くうっ……!」

「ふふ。わたくしみたいな子どもに踏まれてエッチな気分になっていますのね? 情けない」

 熱を上げ、なおも硬くなっていく保志のペニスに、リリアの侮蔑が降り注ぐ。

 真っ白なソックスに包まれた、ちっちゃな足裏が、グロテスクな肉棒に乗っかっている様が背徳的だ。そのまましゅっしゅと擦られれば、艶やかな布地に摩擦されて、背骨が痺れそうになるほどの悦に見舞われる。

 ぐちゅ、ぐちゅと粘ついた音が、ロリータソックスから聞こえてきた。

 弾けるような卑猥な音とともに、濃いオスの香りが空気中に拡散されていく。

「ど、どんどんお汁が出てきますわよ、踏まれるのがそんなにいいんですの?」

 口の端を吊り上げる、リリアの頬は桃色に染まっていた。

 膝から上に垣間見えるリリアの生足は純白ソックスに負けないくらいに真っ白である。その脚が、保志のペニスをいじめるために、腱を浮かせて躍動している。

 さらにその奥には少女の最奥を覆い隠す薄布があって、股ぐらの動きに合わせてきゅっきゅとねじれていた。ぷうんと、少女の甘い香りがゴスロリの傘から降り注ぐ。

 真下から、少女のスカートの中を見るというのは、凄くエッチな光景だ。

「ほら。ほらほら。おチンポがまた熱くなりましたわよ。てい、ていていっ!」

 ぎゅうぎゅう。ぐにぐに。肉棒が、柔らかく揉みほぐされていくようだ。葡萄を、足で搾る乙女のように、リリアは愉しげに保志を責め立てる。

「こんなに熱くてたくましいものが、どうしてあなたみたいな貧相な男に生えているのかしら? ふふ。びんびんに硬くして、情けなくてイヤらしいチンポですわぁ」

 少女の顔は、大人の男を責め立てる倒錯の喜びに満ちていた。

 ひらひらと舞う、ミニスカート。いまだ未成熟の青竹のように艶やかな両足の奥で、純白のショーツが股間にぐいぐい食い込んでいく。

「あははっ! すごいですわ、足指の、股の中まであなたのおチンポ汁でぐっちょりですわ。本当に、恥ずかしくないのかしら、この男? ミイナやクーフェイにもそうですわ。ちっちゃい身体に興奮して、ビンビンドロドロにするなんて……この、ヘンタイッ!」

 ヘンタイっ! ヘンタイっ! ヘンタイっ! リフレインするそのコトバ。

 鈴の転がるような声で、リリアの雑言を浴びせられて──ぞくりとしてしまう。

 純白ソックスに擦られる、敏感な亀頭粘膜は、カウパー汁をまとわりつかせてなおぬめりよく幼い足を滑らせる。内股にきゅっきゅと肉の腱が浮かぶのが、またエロチックだ。

 下腹にどろどろと熱いものが溜まっていく。

 頭の中はだって、背骨にはひっきりなしな快美の電流が駆け抜ける。だが悶えることもできない身体は、ただ小さくひくひくと震えるだけだ。

 上質の布地は我慢汁まみれで、リリアの足に張りついて足指の形まであらわにしていた。

 手の指を使うように小器用に、ロリータ少女の可憐な足指が、男のイチモツを蹂躙する。

(きもちっ……いいっ! 踏まれてるだけなのに、なんで、こんなにぃっ!)

 ソックスのつま先を伸ばして、絡みつく足指が肉棒を挟み込む。そのまま上下にごしごしと、指の股でしごかれて、鈴口からどぷどぷと我慢汁を絞り出された。

「ぐぅうぅっ、うああっ! リリア、やめっ、うああっ!」

「ふふ。いい声で鳴きますわねぇ。もっともっと聞きたいですわっ」

 金色の髪をゆらゆら揺らして、男を踏みつける幼熟少女。その情景を客観視すると、ぞわぞわとしたものが背骨を這い上がるのだ。もっと踏んでほしい。もっとチンポをいじめてほしい。そんな隷属の悦楽が、理性を揺さぶってくる。

(だめだっ……そんなのっ。ぼくは、先生なんだからっ……!)

 強く強く、そう心に念じる。

 もう止めろと、怒鳴りつけようとした。本気で怒れば、リリアは足を止めるだろう。

 ──だが。

(……っ!? 声が、でないっ……っ!)

 声帯が、動かない。保志の内側で、なにか黒いものがこう囁いた。

 ──いいじゃないか。その快楽に身を浸してしまえば、と。

 ──そのままリリアを言いくるめて、押し倒してしまえ、と。

「うっ!?」リリアが、呻き声を上げて仰け反った。

 瞳を手で押さえて、頭痛を我慢するように顔をしかめている。

「あなた──やっぱり、『契約』をっ」

 と、謎めいたことを言うと少女は何かの呪文を唱えた。その目に魔法陣が浮かび上がる。

「……ふぅ。まったく、あぶない。取り込まれてしまうところでしたわ」

 イケナイ人ね──と、リリアは踵でぎゅうとペニスを踏み潰した。

「くぅうううっ!」頭の天辺まで突き抜ける痛悦に、呻く。

「こ。こんなにっ……ビンビンのおチンポを持っているのにっ、サキュバスと契約まで交わしているだなんて……き、危険すぎますわぁ」

 ぶつぶつと呟く、リリアのあどけない顔が赤く染まっていた。額に汗が浮いて、瞳は潤んでいる。呼吸はどこか甘く香り、身体がもどかしげにくねっていた。

「少し……効いてしまいましたか」

 何か、湧き上がる衝動を抑えつけるように、リリアは自分の身体を抱いていた。

 真っ白な太ももから真っ白なソックスまですらりと流れる少女の美脚。

 その最奥、股間に食い込む白布に、濃い濡れ染みが広がっている。リリアが足を動かすたびに、そこからぐちょぐちょと淫らな音が響いていた。

(うわわっ……ショーツがぴったり張りついてっ……リリアの、スジが見えるっ)

 人間界の生地みたいに、透けにくい材質なんてない。幼いヴァギナに張りついた白布は、内側の肉を透過させて、その一本スジとほんのりピンクの大陰唇を見せつけるのだ。

 幼すぎる肉唇が、もう透明に近いようなショーツを噛み締めている。

 足の動きに合わせて開いたり閉じたり、左右にうねったりもする。

 そのたびにぐちょぐちょと、卑猥な音が流れ出て、保志を欲情させるのだ。

「ほらほらっ、早くイキなさいなっ。あ、あれを、白いのを出すんでしょうっ」

 そんないやらしすぎるスカートの中を見せつけながら、幼さの薫るしなやかな脚をくねらせて、リリアはペニスを責め立てる。甘美な悦を与えてくれる、

 ぐじゅっ! じゅぐずっ! にっちゃにっちゃっ!

 スベスベのソックスが敏感な亀頭の裏を擦り上げて、土踏まずのへこみで肉竿をズリズリしごき上げた。ついでとばかりに踵で金玉をぐじっと押されて、痛みとも快感ともつかない倒錯的な悦楽に、ぶびゅっと我慢汁を漏らした。

「この変態チンポ、さっさと大人しくさせなさいなっ!」

 と、足の親指と人差し指をクパァッと開き、そこに肉棒を挟み込んだ。

 カウパー汁をローションに──グチュグチュグチュ! と前後に強烈にしごく。

「うぐうぅっ! うぁああっ! だ、だめえっ! 出る、でるからぁっ!」

「ンッ……ハァ、だ、出してしまいなさいっ。わたくしの、子どもの足に、あなたのザーメンをぜぇんぶ出して、ヘンタイだって証明しちゃいなさいっ」

 ロリータ少女の淫猥なパンティを見ながら、スベスベ純白ソックスでの強烈極まりない足コキ責め。その淫ら極まりないお仕置きに、保志の我慢も限界であった。

「くっ……! うう、うあぁああっ!」

 リリアの呪的拘束と、その足をもはねのけて、腰が飛んだ。

 下腹から、灼熱が迸る。

「ぐぅうっ、で、でるぅっ、うあ、ぁぁあああ────────っっ!」

 どびゅるぅうう! どびゅびゅっ! どびゅどびゅっ!

 天を向くペニスから、大量の白濁が打ち出されてびゅうびゅうと飛んでいく。

 それはリリアの純白ソックスに、たっぷりとぶちまけられるのである。

「きゃぁああっ!? びちゃびちゃかかってますわっ!」

 ネットリザーメンをソックスに浴びて、リリアが悲鳴を上げた。

 びゅびゅっ! びゅっ、びゅっ!

「う、ああ……! くああっ」

 頭の中が真っ白になっていく。何も考えられない。

「あうあうっ、こ、こんなにいっぱいっ……!?

 びっくりしたような悲鳴を上げる少女のおみ足に、なおもどぴゅどぴゅと肉汁がかかっていく。流麗なソックスを濡らす白濁は、純白のそれと比べれば遥かに黄ばんでいた。

 すっかり穢された、ロリータの美脚は濃厚ザーメンでドロドロだ。

 内ももまでぬったりと飛び散って、柔肌の上をとろとろと伝い落ちている。

「ふわ、ふっわわわ。わ、わたくしの足に、こんなねっちょりしたものが……あついですわ、それに、す、すごい匂い……頭がどうにかなりそうですわ……」

 リリアはベッドにぽふんと腰掛けて、男液にまみれた右足を持ち上げた。

「わ、わたくしの足……おちんぽ汁まみれですわぁ……」

 黄ばみ汁で染め上げられたその足を見る、リリアの顔には嫌悪はない。

 彼女は人差し指で付着した白濁をそっと撫で取る。

 興味深げにしげしげと、それを眺めて──小さくて可愛らしい舌を伸ばした。

「~~~~~~っ! ふあ、あっ、すごい味ですわっ……っ」

 ぶるぶると、小さな身体を震わせて、少女はきゅっと自身をかき抱いた。

 眉根がぎゅうっと寄っている。耳の先まで赤く染まっている。

「これが……赤ちゃんのもとなんですのね」


(こんな、濃いの……頭がどうにかなりそうですわっ……)

 脳をガツンと揺さぶるような、濃密なオスの味。

(こ、これを女の子は、お腹の中に出されちゃいますの? どびゅどびゅって、もの凄い勢いでしたわ。お、お腹、破れてしまうんではなくて?)

 すえたその匂いを嗅いでいると、鼓動が高鳴った。



 なんだか、股間のあたりがへんな感じになって、両足をもじもじとすりあわせてしまう。

 ──いつのまにか、目の前に保志が立っていた。呪的拘束は、切れてしまったようだ。

「あ、あら。ふふ。無理矢理イカされた気分はどうですの? わたくしとあなたの間の上下関係というものが、理解できました──きゃあっ!?

 下等なニンゲンへ向けた高飛車な物言いは、強引に断ち切られる。

 保志の腕が、リリアの身体を抱え上げたのだ。

 彼はベッドの端に腰掛けて、その膝の上に、リリアを俯せに乗せた。

 スカートを捲り上げられた。

 さらにショーツまでひきずり下ろされた。つるりとした子ども尻が、丸見えになる。

「にゃ、にゃにゃにゃ、にゃにするんですの保志っ! ま、まさかっ!」

 脳裏に蘇るのは、ミイナを貫く保志の姿だ。快楽に悶えるミイナの姿だ。

 ──犯されるっ!

 魔術で動きを封じるだとか、思いきり蹴りつけてやるとか、抵抗する方法はあるはずなのに、頭の中が真っ白で身体が動かない。

「だだだ、だめですわ保志っ!」

 いやいやと、身を捩る。お尻が丸見えだから、むしろ誘うような動きになってしまった。

「わ、わたくし、まだっ……心の準備ができてませんのっ!」

 保志の目に、剥き出しのお尻が映っている。羞恥に全身が熱くなった。

「僕への、お仕置きが終わったからね。いけない子にも、お仕置きだ」

 と。保志はそんなことを言った。

「はえ? お、お仕置きって、なんですの?」

 ぴたと身体の動きを止めた、リリアのヒップにその時、衝撃が走った。

 パシ──────ンッ!

「ひぁぁああああっ!?

 お尻の皮膚に駆け抜けた痛みに、背中が反り返る。

 保志の手のひらが、お尻をったのだ。

「な、なにをっ……! わたくしにこのような暴挙、ゆるっ、きゃあんん!」

 また一つ、バシンと叩かれた。背骨の方までチリチリとした痛みを感じる。

「やっ……やめ、なさいっ! あなたも悦んだでしょうっ」

「僕のことじゃないよ。自分で考えて、理解しなさい。ほら、もうひとつっ」

 バチンッ! 「ひゃああっ」バチンッ! 「んにゃあっ!」バチンッ! 「くひぃい」

 ロリータヒップが真っ赤に染まっていく。涙が、溢れ出す。

(魔王の、魔王の子であるわたくしにぃっ……こんな、こんな、ああっ!)

 こんな痛みは初めてだった。

 誰も、リリアを叱ることはなかった。悪口を言っても、傷つけても、許された。

 自分が魔王の娘だからだ。それ以外ではなく、であるがゆえに。

「お、父様に言いつけますわよっ! あなた、死にたいのっ!? んぎゅうっ!」

「うるさい。今、リリアのお父さんは関係ない。ほらっ!」

 小気味よい音がお尻で響いて、じんじんとした痛みが心まで押し寄せてくる。

 魔法を使おうと思っても、連続する衝撃に集中ができない。

 ああ、無力にも叩かれ続けるしかない自分はまるで、ただのワガママな子どもみたいだ。

 なぜだか屈辱はない。どうしてだか、嬉しい、と思ってしまった。

 これほどの暴辱を受けて、なぜだろう。

 バッチ────ンッ!

「う、うううっ! も、もうやめてっ、やめてくださいましっ……!」

 涙が、溢れ出す。こんな優しい痛みに晒されては、正直になるしかないではないか。

「わたくしが──わたくしが、悪かったですわっ……だから、だからっ」

 痛みは辛いと思わない。それなのに、リリアはそう言っていた。

「何が悪かったの?」

「……み、ミイナに、ミイナにひどいことを言いましたわっ……」

「うん。そうだね。本当に、そう思ってる?」

 保志の声は優しげである。コクコクと頷くと、彼の手がお尻に置かれた。

「本当はみんなと仲良くしたいんだろう?」

「……ええ」

「友達が欲しい?」

「それは──」

 口ごもる。だって、友達なんて、いたことがないから。

「わたくしに、友達なんて……できませんわ」

「大丈夫。だってリリアなんだから」

 と、保志が微笑む。その顔があんまりに優しくて──。

 心の中に、何か、ほわぁとしたものが溢れ出した。

 彼はその手でお尻をナデナデしてくれる。イヤになるくらいに、気持ちよかった。

 はっ、とリリアは思いつく。

(こ、これは……ジゴロの手口ですわ)

 暴力で痛めつけておいて、優しくして懐柔する。世に言うジゴロのやり方だ。

 ──と、単眼メイドが読んでいる、えっちぃ小説に書いてあった。

 この、魔王の娘たるわたくしを籠絡させようなどと──と、睨みつけようとして。 

「ん?」と、微笑み首を傾げる彼の眼差しに、顔面の毛細血管がヒートアップ。

「な、なんでもありませんわっ!」

 ベッドの枕を引き寄せる。ぽふと頭に乗せて保志の目線を遮断する。

「おーい、リリア?」「こ、こちらを見ないでくださいましっ!」

 ぽかぽかと火照る顔の熱は、なかなか引いてくれそうになかった。




 猫は、童園で飼うことになった。当番制で、園児たちが世話をしていく。

 今日もその猫は人気者で、子どもたちに囲まれていた。

 ミイナが、猫を抱えて保志を見る。ウィンクを返すと、彼女は頷いて、一人、輪の中からはずれていたリリアのそばへと近寄った。

「はい、リリアさん」

 猫を、差し出す。子どもたちの目が、ぜんぶそちらに向いていた。

 居心地悪そうな、むずがゆそうな、複雑な顔をしてリリアは、

「まったく、仕方ありませんわね。下々の心を解するのも、上に立つ者の務めですわ」

 猫の身体を受け取った。おお、と、子どもたちがどよめく。

 リリアは猫を右手に抱いて、左手でその頭を撫でる。

 猫はされるがまま、気持ちよさそうに目を細める。

「本当に。撫でられるのって、気持ちいいですわよね」

 リリアが笑う。

 それは、保志が初めて見た、子どもそのものの、可愛らしい微笑みであった。