◎質量の変化

 物体が衝突する時には、その前後で運動量が変化しません。高校の物理では、物体の質量×速度の合計が衝突の前後で変化しない、と習います。この条件は衝突によって物体の速さがどう変化するかを計算するのに非常に役に立つ情報となります。図3でいうと、矢印の長さが速度に相当し、たとえば二つの物体の質量が同じ場合、この矢印を足したものが衝突の前後で変わらない、というのが運動量保存の条件となります。しかし、この図を回転させたらどうなるでしょうか。極端な話、横に90 度回転させた後で横方向に矢印を書いて比較したら、衝突前後で同じではなくなります。ある人から見て運動量が保存するけれど、別の人から見たら保存しない、というのでは物理の法則として全く役に立ちません。これは運動量の定義の方法がまずかったからです。