ヤルダは歓声をあげた。体をまわして、その図がほかの全員にも見えるようにしろとオーシリアに身振りで伝え、「これで最後の謎が解けました。わたしたちの頭上にある尾の中に、紫色と藍色だけのものがある理由が。つまり、そういうことです。みなさんだけで、空全体の謎を解明したのです」

 じつをいえば、だれもがファティマとオーシリアの理解についてきているわけではなかったが、ヤルダはそこで一歩引いて、生徒たちが助けあい、なかなか解けない謎を解き明かすのにまかせた。星々と後ろに目をやり、色の尾の細部が眼前の図とつながると、理解できたというぞくぞくするような気持ちが生徒たちのあいだに広がった。

 この異質な空は、いまやこの人々のものになった。〈孤絶〉がもっと速く進むにつれ、空の変容はさらに極端になるだろうが、それを見る新しい方法を獲得したからには、その変化にもやすやすと対処できるだろう。

 この人々のうち研究者になるのはほんのひと握り、教師になるのはほんのひと握りだ──ヤルダにもそれはわかっていた。しかし、たとえこの人たちが、この理解を友人たちの子どもたちに伝える以上のことをしないとしても、そのすべてがなんらかのかたちで、文化を高め、搭乗者たちの子孫がこの異様な新しい状態を怖れることなく生きていけるようにするのに役立つだろう。

 そしてとりわけすばらしいことは、とヤルダは悟った──あらためて心を打たれたのだ、それを当たり前のことと受けとりはじめていたから──この単者たちと出奔者たちのひとりひとりが、このパートナーのいる女たちとその双たちのひとりひとりが、自らの才能を役立て、旧世界の慣習に妨げられることなく、強制されずに自らの生を全うする機会に恵まれるだろうことだ。

 疾走星の解決策がどうなるかはわからないし、直交星群についてもわからない。しかし、そんな機会を人々にあたえられたというだけでも、苦労してきた甲斐はあったのだ。