「わたしたちには前方から来るように見える赤い光は」ファティマがいった。「遠い昔、わたしたちの背後にある星を出たに違いありません……でも、いまわたしたちがそれに追いついて、追い越そうとしているんです。だから、あたしたちの正面から射してくるわけです。星は背後にあるけれど、光は前方にあった んです」
ファティマは天頂を見あげ、そこで新たな啓示がひらめいた。「だから、あの逆さまになった星の尾が緑色で消えてしまうんだわ! 光がどれほど遠い昔に星を出たにしろ、最終的にあたしたちの来歴となす角度は、青い光の角度より大きくなることはない。でも、青い光は絶対の限界になる──無限に遠い過去から来た光という限界。現実には、それほど昔を見ることは期待できない」
ファティマは図を修正して、いいたいことをあらわした。