真のエネルギーが保存されるためには、ひと組の矢の高さは、解放の前とあとでまったく同じである必要があります。しかし、解放後の矢は傾いています、なぜならバネがこのときには動いているから。なので、高さが同じになるためには、解放後の矢は解放前よりも長くなる必要がある。それはすなわち、解放されたそれぞれのバネが、圧縮されていたときよりもわずかに大きな質量を──そして、バネに沿って移動する人の視点からは、より大きな真のエネルギーを──持つことを意味します。位置エネルギーがより少ないこと、すなわち真のエネルギーがより多いこと。古いエネルギーの両方ともが、正反対になっています」

 ジョルジョは、感情を害したときのルドヴィコ的うんざり感を声にこめた。「もし運動エネルギーと位置エネルギーがまだ一致しているなら、それが〝正反対〟だと主張することは、現実にはなにを意味する というのだ? なにと比較して正反対なのだ ? この真のエネルギーなるものを、わたしたちはいったいいつ、なんらかのかたちで目にして、その方向を、逆とされているものと比較できるのだ?」

「光のかたちで」ヤルダはいった。「わたしたちは真のエネルギーの方向を、光を作りだすたびに見ています」