ヤルダは興奮のあまりじっとしていられなかった。研究室を出て、トゥリアかジョルジョがそばにいてこの発見を祝ってほしかったと思いながら、観測所のまわりの地面を歩きまわる。ふたつの二乗した数の関係が直線的になるのは、信じがたいほど単純なことでもなければ、使いものにならないほど混乱して複雑すぎることでもなかった。たぶん真の関係の近似にすぎないものではあるだろうが、とりあえず、この結果を所与のものとして、そこから導かれる結果を考えるのは、課題とするにじゅうぶん足ることだった。

 光は、波の種類としては非常に奇妙なものだ。通常の条件下では、弦の中の弾性波や気体の中の圧力波は、波長と無関係に一定不変の速度で進む。エキゾチックな例外を人工的に作りだすことは可能だ──だが光については、エキゾチックなことはいっさいない。色相によって光の速度が変化するという事実は、だれもが同意することだ。それに確信を持ちたければ、星々を見あげるだけでいい。

 速度が変化することの結果のひとつが、光のパルスはその内部の個々の波面と同じ方向に動くとさえ限らない、ということだ。奇異な話に聞こえるが、それはジョルジョの最初の暫定的な波長推定の段階から明らかなことだった。どんなに純粋な色に思える光でも、そのパルスというパルスが、少なくとも波長の少しだけ異なる光を含んでいる。だが、異なる波長は異なる速さで動くので、すべての波長が一致してたがいに増強しあう地点が、波面自体といっしょに仲よく動いていくということはない。これが弦にできる波と違うところだ。速度のズレがある程度より大きいと、波面とパルスは結果的に反対方向に進むことになる。