「本にかかる下むきの力を縦軸に、地面からの高さを横軸にとって図表を描けば」ヤルダは説明する。「一定の、平らな直線になる。そこで、本の現在までの高さをあらわす地点までの、線の下の 面積について考えてみて。本が落下するとき、その面積の減少分──切りとられている小さな長方形──は、本にかかる力 と本が移動する距離 の積に等しくて──それは移動によって本の運動エネルギーが増加するのと、正確に同じ量になる。力かける距離」
エウセビオは図表をよく検討した。「わかりました」
「一方、もし本が上に放り投げられて、重力がその上昇を遅くしはじめたら、本は運動エネルギーを失うことになる……けれど、線の下の面積は、その損失と正確に釣りあうかたちで増加する 。なので、この面積は〝位置エネルギー〟と呼ばれ、二種類のエネルギー、運動エネルギーと位置エネルギーの和は、保存される。
これは、ほかの単純な力についても当てはまる──たとえば、引き伸ばされたバネに取りつけられた物体にかかる力」