緒輪島紗和

 

 ――私、送るメール間違えちゃったの!?

 なんてメール送信後三〇分ほどたってから後悔の嵐が襲ってきてパニクる。

 変なやつだって思われたかな!? もうメールとかしたくないって思われちゃったかな?

 危うく私が初海ちゃんに相談のメールを送りかけたところで携帯が震えた。

 ……こ、心塚さんからの返信が届いた!

 私は大慌てでメールを確認した。

『私はバスケが好きですよ』

「お、おぉ……」

 心塚さんはバスケが好きなのか。

 確かに背とか高いし、向いてそうだなぁって思う。

 同時に心塚さんの引きしまった体の理由を知って少しだけ嬉しくなる。

 ……シュートとかシュッと決めてる心塚さんかっこよさそう。

 って、どうして私はじゅるりと涎を垂らしそうになっているんだろう。

「でも……だったら、なんで放送部に来たんだろ?」

 と、初日に抱いたはずの疑問を再度抱いてしまう。

 心塚さんと話していて感じるのは『自分とは違う世界のひとだな』という、諦観じみた想いだった。それは私がクラスメイトたちに向けているものと共通した感情だった。

 どうして彼女が放送部入ってくれたのか、私には想像することもできない。

 私の放送を聞いて、それで入ってくれたって心塚さんは言ってたけど。

 どうしてかその言葉を心の底から信じることができない私がいた。

 いてしまった。

 私の放送にだれかの選択を変えられるだけの力があるとは思えなかったから。

 だからだろうか。

 気づくと私はまた、メールを送信してしまっていた。

 こんなことを聞いてもいいのかなって疑問はあったけど、確かめずにはいられなかった。

 メールの返信は先ほどよりも遅々としたもので。

 私がメールを送ったことを後悔するまで、そう長い時間はかからなかった。