フランス革命はばんにんtuになることを望んだ。以下に掲げるのは、南フランスの貧しい山岳地帯のタルン県が、紀元二年霧月ブリユメール二十四日(一七九三年十一月十四日)におこなった決議である。

  ある市民がもう一人の市民にvousで話しかけ、相手がtoiトワ(tuの名詞形)で答えるのは、明らかに平等という永遠の大原則に反している。したがって、今度は自由なフランス人の言語から単数のvousを追放し、代わりにtuないしtoiをあらゆる場合に使用する旨を、ここに決議する。

 ロバート・ダーントン著、海保眞夫/坂本武訳『歴史の白昼夢』(河出書房新社、一九九四年)


vous──あなた、tu──君