満足しているならいいかと考えていると、横からフォルミーカの大きな頭が差し出される。

『アーマイゼだけズルいよ。私もご主人に撫でて欲しいな』

「フォルミーカもか……まあいいぞ」

 フォルミーカの頭を撫でていると、羨ましそうなアーマイゼの声が響く。

『ダン様! もっと! 私ももっと撫でてください!』

「じゃあ、私もー! いいよね、ダン!」

「……せ、せっかくですし、私もいいでしょうか?」

 アーマイゼの他にもフィーネとリリーネまでもが続く。

 もはや何のために撫でているのか分からなくなっているが、そのまま順番に並んだ頭を撫でていく。

 その後、なぜかわらわらと集まってきたアントたちまで撫でるはめになり、数時間の間延々となでなでを要求されたのであった。

 

◆ ◆ ◆

 

 それは妖精たちに、新しい里を案内してもらったときのことだった。

 ふわふわと飛びながら、こちらを急かす妖精たちに手を引かれ里を案内してもらう。

 木の根元には、見覚えのないカラフルなキノコが生え、地面にはいつの間にか植えられていた色とりどりの花が咲いている。

 そして、彼女たちの家の中にあるキノコのテーブルやベッドを見て、コアルームに家具がほとんどないことに気が付いたのだ。

「そういえば、家具がほとんどないんだよな……」

 妖精たちと別れてコアルームへと戻ると、家具の一つもない土がむき出しの殺風景な部屋がよけいに寂しく思えた。

 コアルームに続いている小部屋の中にも、わらのベッドとフィーネたちのお菓子をしまっておく棚、そしてテーブル以外には何もない。

 せっかく、いくつか小部屋を用意したりしているのだ。

 この機会に家具を追加しておくのもいいかもしれない。

 残りのDPも100万ポイントを軽く超えているので、かなりのぜいたくができるだろう。

 まあ贅沢といっても、無駄に豪華なものが欲しいとは思わないのだが。

 メニューからショップを開いたところで、フィーネがウィンドウを覗き込んできた。

「ねえねえ、ダン! ショップで何を買うの?」

「家具でも追加してみようかと思ってな……」

「じゃあ! アタシ用のベッドが欲しい!」

「私は、今まで通りダンさんと一緒でもいいと思いますけど……」

 フィーネは自分用のベッドが欲しいようだ。

 ふと、小さなベッドで、ナイトキャップを被って眠るフィーネの姿が思い浮かんだ。

 今までは俺のベッドの端っこか、おなかの上で寝ていたからな。

 たまによだれやハチミツが垂れていたりするのは、ちょっとかんべんして欲しい。

 リリーネは遠慮しているようだが、確かにフィーネたちのベッドはあってもいいだろう。

 果たして、妖精サイズのベッドはあるのかと探していくが見当たらない。

 やはりそんなサイズのベッドは需要がないのだろう。

 別に普通のベッドでもいいのだが、やはり大きすぎる気もする。

 ふと思いついて、おもちゃのカテゴリーを調べていく。

 そして、人形用のベッドがいくつか並んでいるのを発見した。

 これならば、フィーネたち妖精が使うのにちょうどいいだろう。

 フィーネやリリーネと相談して模様を選ぶ。

 最終的に、ファンシーな感じの、ハートがちりばめられたピンク色のベッドになった。

 コアルームに現れたベッドを見て、フィーネは目を輝かせている。遠慮していたリリーネも、どこか嬉しそうだ。

 試しに寝そべってみたり、様々な方向から眺めてみたりと楽しそうに新しいベッドを堪能している。