「あんた少しくらい照れるとかしなさいよ!?」
「お前が恥ずかしがりすぎるから、逆にこっちが恥ずかしくないんだよ」
「つまりあたしの恥ずかしがり損ってことじゃないっ!」
「おい、埃が舞うから枕で
リンゴを咀嚼しながら、動けないタクミは甘んじて枕攻撃を受け入れる。
しばらく枕を叩きつけたところで、不意にカリンは手を止める。
楽しそうに、
「まったく……いい世界だよ」
感慨深そうに
「あんたの世界は……どうだったの?」
「別に悪い世界じゃなかったさ。それに……俺もいなくなったから、元の世界にいる奴らも縛られることなく生きてることだろうよ」
そう、どこか悲しげに語る。
居場所を失ってしまった……元の世界に想いを馳せる。
その横顔を見て――カリンはタクミの手を取る。
「――大丈夫、あんたはちゃんと必要とされているんだから」
子供をあやすように頭を撫で、柔らかな
「あんたはこの世界でたくさんの人を救った。人間も
カリンの言葉を聞きながら、タクミは静かに頷く。
「……嫁ってより、今のは姉っぽかったな」
「茶化すんじゃないわよ、バカ」
ぺしりと額を叩いてから、カリンは
「あたしたちがちゃんと見届けてあげるから、あんたはどこまでもやり通しなさい」
「言われなくてもそのつもりだ。まだまだ……この世界でやることはたくさんある」
無理やり身体を起こしてから――タクミは高く
「どこまでも――俺は上を目指してやるよ」
自信に満ちた笑みと共に――自身の理想を貫くことを決めた。