
ただし、実は「Link」が現段階で想定しているのはあくまで、脳の情報を取り出して機械に送る情報の「出力」だけで、機械の情報を脳に取り入れる情報の「入力」についてはまだ想定されていません。もちろん「出力」の技術も、脊髄麻痺患者の方が機械を操作して日常生活を送ったりする用途などが考えられており、非常に有望な技術であることは間違いないありません。しかし、メタバースでの感覚を脳で感じたりするのに必要な「入力」の技術は、それとは全く別次元の高い技術の壁があり、もちろんこちらも盛んに研究が行われてはいるものの、一般化に向けてはまだまだ長い時間と投資が必要な分野なのです。
ニューラリンクの登場により大きく実用化に向けて進展した「BMI」ですが、私たちが脳にデバイスを気軽に埋め込み「フルダイブVR」でメタバースの世界に全感覚で入り込むことができるのは、まだはるか先の未来のことになるでしょう。
私自身も、2章で紹介したトラッキング技術を使ったアバターの「操作」にはあまり不満を感じていないため、今後「Link」の一般利用が始まったとしても、おそらく脳に埋め込むことはないと思います。ただし、私が生きているうちにはちょっと難しそうですが、「フルダイブVR」で全ての「感覚」を感じてアバターと完全に一体になれるなら、ぜひ試してみたいと思っています。