強くなる感覚と弱くなる感覚ファントムセンスはプレイするほど強い感覚になっていくとは限りません。
2021年に情報処理学会ヒューマンコンピュータインタラクション研究会で「2021年度学生奨励賞」を受賞して注目された、慶應義塾大学の國武悠人さんの研究「HMD利用経験の有無がVR空間における落下感覚知覚に与える影響」では、「継続的にHMD(VRゴーグル)を利用したことのない」グループと「継続的にHMDを利用している」グループに分けて、感じる「落下感覚」の強度を比較しました。結果、実はVRを利用したことのないグループの方がより「強い」感覚を感じることがわかりました。
このように「落下感覚」は「触覚」などの事例と異なり、VR経験者の方が感覚が弱くなることが知られています。ソーシャルVRなどでは、現実より遥かに高いところからジャンプして飛び降りたり、ビルからビルへと飛び移ったりすることが日常茶飯事です。こうした経験の繰り返しにより、落下感覚がなくなるわけではないものの、ある程度非日常的な落下感覚に「慣れてしまう」といったことは原因として考えられます。