地平線が存在せず、空を見上げると頭の上に都市が広がっている感覚は地球の常識では考えられず、とても不思議なものです。コロニーの内部は尋常ではない広さなのでとても徒歩では回れないのですが、中に車が用意してあって、コロニーの内側をくるりと一周できます。さっきまで自分の頭の上にあった場所に車で行けてしまうというのは、非常に奇妙な感覚で、とても言葉では説明しきれません。誰もが感動するVRならではの体験だと断言できます。

しかし、実はこのスペースコロニー、朝霧さんがたった一人で4か月かけてコツコツ制作したものなのです。

このようにメタバースの個人クリエイターは、創造力を駆使し、物理現実の空間の常識では考えられないような、壮大なスケールのクリエイティブをたった一人で自在に作り出すことができるのです。こうしたワールドが公開されると当然注目があつまり、たくさんのメタバース住民で賑わいます。「ワールド」はメタバースにおける最も重要なコンテンツなのです。

2021年に退任したアメリカのトランプ元大統領や、2021年に世界一の富豪になった起業家のイーロン・マスクなどは、個人にも関わらずTwitterのツイート一つで世界の株式市場全体に大きな影響を与えています。メタバース時代は、世界を創造する「創造神」としての力を持った個人の「ワールドクリエイター」が、それ以上の影響を世界全体の経済に与えるようになっていくでしょう。

これまで見てきたように、現在黎明期のメタバースでは、既にマクロ経済の革命「超空間経済」のさまざまな可能性が生まれつつあります。

ビジネス利用に関しては、現在行われているものはまだ、本当の意味でのメタバース内経済というよりは、企業や自治体が「メタバースをやってる」という先進性をアピールするための広告的側面が強いです。しかし、今後メタバースで個人間経済や商用利用が可能になり、徐々に人口が増えていくと、メタバース内で人々が交換する価値の規模がどんどん大きくなり、いずれ地球の空間という限界から解き放たれた「超空間経済」が物理現実を追い抜くのは時間の問題だと私は考えています。