個人クリエイターによる超空間革命これまで企業や地方自治体、団体による「超空間経済」の例ばかり見てきましたが、果たして個人クリエイターの場合はどうなのでしょうか。
アバターと違い、ワールド制作を個人間で気軽に依頼できるクリエイターエコノミー「ワールド経済圏」は現状まだ成立していませんし、VRChatをはじめソーシャルVRの個人による商用利用はまだハードルが高いです。したがって、現状企業に所属していない個人ワールドクリエイターによる「超空間経済」の例は限定的です。
しかし、個人が空間を自在にデザインできる「個人クリエイターによる超空間コンテンツ」こそが、社会全体に大きなインパクトを与える「超空間経済」の本命だと私は考えています。「ワールドの広告表示権」でも説明したように、今後個人による収益化ができるようになり、大量の人が集まる人気ワールドは確実に巨大ビジネスになります。専業とする個人クリエイターもどんどん増えていくでしょう。
ここでは、その可能性を示す例を一つだけ紹介させてください。これは数ある素晴らしいワールドの中でも、2021年の一年間を通して私が最も衝撃を受けたものです。
それは2021年10月に「S_朝霧」さんがVRChatで公開した「Space Colony “Island-4”」というワールドです。ここは直径8キロメートル・長さ32キロメートルの密閉型スペースコロニーを実物大で再現した壮大なワールドです。密閉型スペースコロニーとは、宇宙空間で人類が暮らす人工の生活空間のことです。巨大な筒状の建造物の内側に居住区があり、回転による遠心力で擬似的な重力を生み出します。言うまでもなく、あくまで理論上のもので、現在の人類の科学力ではまだ建設することはできません。