
メタバースは物理的な場所を超えて世界中の人がアクセスできるのが利点ですが、このようにスキンシップは文化圏や性別によって大きく感じ方が違うものなので、十分に気を付ける必要があります。特にメタバースでは、7章で触れる「ファントムセンス」の感度の差も大きく、そこにも注意する必要があります。まだマナーについての共通認識が形成されていない分野なので、お互いに思いやりを忘れずにコミュニケーションする必要があります。
実際に、誰でもアクセスできるパブリックのワールドは治安が悪くなりやすく、日本人のユーザーがマナーの悪い外国人に付きまとわれて、嫌だと言っても止めてもらえずブロックしてしまうような残念なケースは私もよく見かけます。そうしたユーザーの中には「ソーシャルVRでは外国人と関わりたくない」ということを言う方もいますが、一部のマナーの悪い人が目立ちやすいだけであることは忘れてはいけません。調査結果が示しているように不愉快なことをされるのは国に関わらず嫌なものです。せっかくの場所にとらわれず集まれる「一つの国」であるメタバース、無用な壁を作らないようにしたいものです。
このようにメタバースでは、人と人との親しいスキンシップが加速しています。それはすなわち「心の触れ合い」であり、私たちの関係性を刺激していきます。一方で触れ合いは相手を傷つけることもあります。お互いの文化や感性の違いを重んじる思いやりは、やはりメタバースにおいても変わらず大切なのです。
※相関係数:「ソーシャルVR国勢調査2021」では、各項目間の相関関係を分析するために「スピアマンの順位相関係数」という指標を用いています。絶対数が1に近づくほど相関が強くなり、一般的に0.2未満であれば「相関なし」、0.2以上0.4未満であれば「弱い相関」、0.4以上で「相関あり」、0.7以上で「強い相関」があるとされます。なお、これはあくまで「相関関係」を示す指標であり、必ずしも「因果関係」を示すものではないことに注意してください(どちらが原因かわからないし、別の要因がある場合もあります)。