なぜオンライン飲みは流行らなかったのでしょうか。

私は、その理由は「空間性」の欠如にあると思っています。そもそも、飲み会とは親睦を深める、つまり心理的距離感を近づけるために行われるものです。ところが、オンライン飲み会では空間が存在せず、心理的距離感が可視化されないため、うまく距離を縮めることができないのです。

実際の職場の飲み会などでも、偉い人が喋っているのとは離れた席で、ちいさな声でひそひそ愚痴を言い合うのが一番盛り上がるのではないでしょうか。オンライン飲み会では、偉い人が喋っている間は他の人は沈黙しているしかありません。飲み会の空間にできたいくつもの「会話の輪」のうち、どれに入るか、様子を伺いながら近づいていく、思い切って声をかけてみる、あのプロセスこそが、私たち人間が距離を縮めてコミュニケーションを活性化する上で実は最も大事なものだったのです。