アバター種族:亜人間がトップシェア 45%こうして整理した「アバター種族」を元に、実際のソーシャルVRユーザーの種族分布を調べてみました。まずはユーザー数が圧倒的に多いVRChatについて見ていきましょう(これ以降本書に出てくる他のデータについても、まずはVRChatでソーシャルVR全体のイメージを確認してから条件別で細かく見ていきます)。
「最もよく使うアバターの種別を教えてください」と聞いたところ、大項目に関しては、「人間型」が合計で94%と極めて支配的でした。これは、アバターがコミュニケーションツールとして使われる事情を反映していると考えられます。アバターの姿が自由だと言っても、結局「中の人」は人間です。やはり、人間型を極端に外れるとコミュニケーションがしづらくなってしまうのが原因だと考えられます。
次に小項目については、ファンタジー性のある「亜人間」が45%と、通常の「人間」の44%をわずかに抑えてトップシェアでした。これは物理現実の常識で考えると驚くべき結果であると言えるのではないでしょうか。次いで「人型ロボット・サイボーグ」が5%で、それ以外の非人間型は少数派という結果になりました。
「亜人間」が45%でトップだった理由については、猫耳やしっぽ、羽など特徴的な要素が存在することで、単純な「人間」よりも個人の個性が出しやすいというのがよく挙げられる理由です。
通常の「人間」が44%だったのは私としては意外でした。物理現実ではおそらく100%のシェアを誇るはずの通常の「人間」は、メタバースにおいては半数を切っているのです。
つまり、アバターを「コミュニケーションツール」としてみた時は広い意味での「人間型」ではありたいが、自分自身の「アイデンティティ表現」としてみた時は現実のような「人間」のかたちに縛られたくない、という二律背反がこの結果に現れているのではないかと考えられます。